景勝の地サン・ファン・デ・ガステルガチェ、いよいよ、島の頂に建つ小さな礼拝堂へと上る、石段の径に歩みを進めます。
<<2015 バスク・バルセロナ紀行-10>
「城の岩山」という意味の島の名(ガステルガチェ バスク語:Gaztelugatxe)を持つだけあって、石段を上り始めた時に見上げた島の頂は、正に切り立つ断崖!
九十九折の小径の石段を、一歩一歩踏みしめるように、黙々と上り続けました。
夕刻迫る遅めの時間帯、扉の閉ざされた礼拝堂が佇んでいた島の頂は、人影も疎らで、静寂な空気に支配されていました。
頂からの眺めは、険しい地形の海岸に白波が打ち寄せる、雄大なパノラマ風景。
美しい晩秋の風景と共に、頂まで歩いてきた道程を目で辿り、しばしの間、感慨に耽ります。
<サン・ファン・デ・ガステルガチェ>
サン・ファン・デ・ガステルガチェ(バスク語:Gaztelugatxeko Doniene スペイン語:San Juan de Gaztelugatxe)を眼前に望む、本土側の突先へと、ついに辿り着きました。
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
その名の本来の持ち主である礼拝堂が、島の頂にはっきりと、その姿を見せています。
目の前の小広場から先、礼拝堂への径はその幅をグッと狭めて本土と島とを隔てる海(といっても、径の下は岩が露出していて海面ではないので、島ともいえるし半島ともいえる、サン・ファン・デ・ガステルガチェです)を石橋で渡ります。
対岸からサン・ファン・デ・ガステルガチェを眺めて、東側(向かって右側)にある、2つの大きな海蝕洞。
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
切り立った険しい地形である、サン・ファン・デ・ガステルガチェの、絶景のハイライトでもあろう景観です。
気の遠くなるような時間を掛けて、打ち寄せる荒波が、このような大きな穴を穿ったのでしょうね。
本土と島とを繋ぐ、石橋を渡っています。
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
礼拝堂の姿は、当然ながら近付くにつれて大きく見えてくるのですが、最後の試練とばかりに、その高低差が目の前に立ちはだかります。
険しい岩肌をうねるように上っていく、小径の行く手を見上げて、挫けそうになる心を叱咤し、礼拝堂への難路の最終行程へと踏み出しました!
石段に取り付くと、あとは礼拝堂のある島の頂まで、ひたすら石段を上り続けます。
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
石を敷き固めた石段は、上り易いようにと、できるだけ段を低く、段の幅を大きく取ってはあるのですが、いかんせん傾斜が急で、早くも息が上がってしまいました;
こうして見上げてみると、屏風のような地形が、一層凄まじい迫力をもって立ちはだかるように見えて、運動不足の肉体に、絶望的な気分までもが圧し掛かってくるようです。。。
中腹の辺りまで上ってきて、元来た径を振り返り、一望。
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
石橋と石段の小径が、中々凄い造りで出来上がっている様子が、お分かりになると思います。
海が荒れて、両側から大波でも押し寄せられたら、ひとたまりもなく破壊されてしまいそうに見える、細さですね。
本土側の突先で小径へと続いている、本土側の斜面をスロープ状に伸びる道を、延々と辿って来ました。
高台を水平に一直線の筋を刻んでいる場所が、車で駐車場まで走ってきた道路となります。
島の西側の、断崖。
すぐ近くで見ると、離れて眺めていた時と比べて、その険しさがより一層リアルに実感することができます。
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
島の周囲は、岩礁の多い磯となっていて、頭を出している岩の周りに打ち付ける波が砕けて、海面を白く泡立てています。
島と対峙している本土側との間の、ごく狭い海域の海面も、波が寄せるたびに大きなうねりを見せます。
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
本土側の海岸も、大地がいきなり崩れ落ちているかのような、断崖の地形となっていますね。。。
自然の浸食力の強さに、改めて感銘を受けた、ダイナミックな風景でした。
断崖越しに、通過してきたバキオ(Bakio)の街の端を、わずかに見渡すことができました。
その背後の山腹に、サン・ファン・デ・ガステルガチェを遠望した道路が刻む一筋が、こちらからもはっきりと判別することができました。
のたうつように曲がり、捻じれながら、島の急斜面に取り付く小径。
石橋の部分は、土台となっている海岸から、かなりの高さのあることが分かりますね。
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
11月下旬というのに、汗まみれとなりながら、ついに頂へと上り詰めました!
海抜79mの島の頂から、歩いてきた道程を確認するように、振り返って眺め遣ります。
石段の段数は、230段を超えています。
車を停めてある駐車場へと続いている道は、離れた位置から眺めても、その断続的に続く勾配を、はっきりと見て取れますね;
駐車場への復路は、基本的に下り坂であった往路よりも、厳しい道程となりそうです。
…帰途のことはさておき、頂からの眺めを楽しむことにしました。
頂に礼拝堂が建つ島に相応しく、小径の道中は十字架が幾つか設えてありましたが、上り詰めて海原を見渡すことのできる高台もまた、祈りのための場となっています。
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
日没少し前という遅い午後の時間帯、疎らな人影、低く垂れこめる雲とその色を映したような憂い気な海…祈りを捧げる「聖地」としての雰囲気に満ちた、島の頂でした。
この島を含めて、広く一般に呼称されている名称を冠する、サン・ファン・デ・ガステルガチェ礼拝堂。
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
この地域の石を積んで建てられたのであろうということが類推できる、落ち着いた色合いの風格が素敵な礼拝堂です。
シックな外壁の石の色と(写っていませんが;)鮮やかなオレンジ色の屋根瓦との、色彩のコントラストもとても印象的な姿で、島の頂に佇立していました。
この礼拝堂がこの地に最初に建てられた時期は、はっきりとは判明していません。
それでも、9世紀ごろには建立されていたとされているので、やはり、荒海に屹立する絶壁の島に、古の人々も畏怖と敬意の念を抱き、信仰の地としたのでしょうね。
それも、この礼拝堂を洗礼者ヨハネ(ラテン語:Ioannes Baptista バスク語:Joan Bataiatzailea スペイン語:Juan el Bautista)に捧げてその名を冠したことからも、この地がいかに「特別」な地であったかを、推し測ることができると思います。
礼拝堂は、夏季には扉が開放されて中へも入ることができるようですが、冬季は閉鎖となり、私が訪れた時も、扉は閉ざされていました。
微妙な色合いの変化を見せる海面と、見事に色付いた草木で覆われた、島の対岸の本土側の斜面を、島の頂から眺めています。
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
画像の右端から切れたすぐ横の辺りに、島と本土とを繋いでいる石橋があります。
高台の駐車場から歩いてきた道が、その高台の道路へ向けて、高度を稼いでいく様子を、見て取ることができます。
車を停めてきた駐車場も、この画像に写っています(リンク先画像の矢印が示す辺り)。
素晴らしい眺めですが、その見えている駐車場までをまた戻らなければならないと思うと…感嘆と気の重さとがない交ぜとなった心境で、この風景を見つめていました。
更に東の海上を見渡すと、アカチャ島(バスク語:Akatxa Irla スペイン語(アケチ島):Isla de Aquech)とそのすぐ隣に、この辺りで最も大きな岬であるマチチャコ岬(バスク語:Matxitxako lurmuturra スペイン語:Cabo Machichaco)を、望むことができます。
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
マチチャコ岬へと至る稜線が、美しいですね。
耳を打つのは、風と波の音だけ。
荒涼とした風景に、ただ魅せられ続けます。
島の北側は、ビスケー湾(スペイン語:Golfo de Vizcaya バスク語:Bizkaiko golkoa/ビスカヤ(バスク語:Bizkaia スペイン語:Vizcaya)湾)の海原が、一面に広がります。
頂の足下から、海へと一気に地形は切れ落ちています;
車でこれまで走ってきた、バキオ西方からアルミンツァ(Armintza)方面へと至る、断崖状に連なる海岸も見えていますね。
オフシーズンである冬季で、日没前の遅い時間帯…ということもあるのでしょうが、頂に滞在する間に見かけた他の人は、私の少し前を往っていたカップルだけでした。
人で溢れ返る状況も、興が殺がれてしまうので、寂しげな空気が支配するこのような雰囲気に浸れたことは、幸運であったかもしれないですね。
長い歴史の中で、何度も破壊と再建とを繰り返して、今日に至る礼拝堂。
私が訪れた2015年現在、この地にある建物は、1980年に再建されたものとのことです。
礼拝堂の建つ頂を辞去するにあたり、今一度「下界」の絶景を鑑賞。
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
海と崖の色彩美、曲がりくねる小径…やはり、見とれてしまいます。
駐車場への道や石段の小径を往く人の姿が、胡麻粒のような小ささで見えていますね。。。
私も、この風景の一部となるべく、駐車場への復路に就きます。
往路に約30分掛かった道程を、上り坂となった関係で、40分余りの所要時間で、駐車した車の待つ駐車場へと戻ってきました。
ほぼ2kmにわたり、基本的に上り坂が続くこととなる復路はやはりハードで、車まで辿り着いた時には、心から安堵したものでしたw
晩秋とはいえ、日中の気温は高かったこの日でのハードな行程…着衣は汗まみれとなり、ここでシャツの着替えを余儀なくされました。
既に時刻は16:30を過ぎ、この後急速に暗くなるであろうと予想される中、夜間の走行時間を少しでも短くするために、余韻に浸る間も惜しんで、慌ただしく出発。
道中半ばでとっぷりと日が暮れた中を、予約してあるホテルへと(安全運転で!)車を走らせます。
<2015 バスク・バルセロナ紀行-12>>
<<2015 バスク・バルセロナ紀行-10>
「城の岩山」という意味の島の名(ガステルガチェ バスク語:Gaztelugatxe)を持つだけあって、石段を上り始めた時に見上げた島の頂は、正に切り立つ断崖!
九十九折の小径の石段を、一歩一歩踏みしめるように、黙々と上り続けました。
夕刻迫る遅めの時間帯、扉の閉ざされた礼拝堂が佇んでいた島の頂は、人影も疎らで、静寂な空気に支配されていました。
頂からの眺めは、険しい地形の海岸に白波が打ち寄せる、雄大なパノラマ風景。
美しい晩秋の風景と共に、頂まで歩いてきた道程を目で辿り、しばしの間、感慨に耽ります。
<サン・ファン・デ・ガステルガチェ>
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サン・ファン・デ・ガステルガチェ(バスク語:Gaztelugatxeko Doniene スペイン語:San Juan de Gaztelugatxe)を眼前に望む、本土側の突先へと、ついに辿り着きました。
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
その名の本来の持ち主である礼拝堂が、島の頂にはっきりと、その姿を見せています。
目の前の小広場から先、礼拝堂への径はその幅をグッと狭めて本土と島とを隔てる海(といっても、径の下は岩が露出していて海面ではないので、島ともいえるし半島ともいえる、サン・ファン・デ・ガステルガチェです)を石橋で渡ります。
対岸からサン・ファン・デ・ガステルガチェを眺めて、東側(向かって右側)にある、2つの大きな海蝕洞。
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切り立った険しい地形である、サン・ファン・デ・ガステルガチェの、絶景のハイライトでもあろう景観です。
気の遠くなるような時間を掛けて、打ち寄せる荒波が、このような大きな穴を穿ったのでしょうね。
本土と島とを繋ぐ、石橋を渡っています。
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
礼拝堂の姿は、当然ながら近付くにつれて大きく見えてくるのですが、最後の試練とばかりに、その高低差が目の前に立ちはだかります。
険しい岩肌をうねるように上っていく、小径の行く手を見上げて、挫けそうになる心を叱咤し、礼拝堂への難路の最終行程へと踏み出しました!
石段に取り付くと、あとは礼拝堂のある島の頂まで、ひたすら石段を上り続けます。
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
石を敷き固めた石段は、上り易いようにと、できるだけ段を低く、段の幅を大きく取ってはあるのですが、いかんせん傾斜が急で、早くも息が上がってしまいました;
こうして見上げてみると、屏風のような地形が、一層凄まじい迫力をもって立ちはだかるように見えて、運動不足の肉体に、絶望的な気分までもが圧し掛かってくるようです。。。
中腹の辺りまで上ってきて、元来た径を振り返り、一望。
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
石橋と石段の小径が、中々凄い造りで出来上がっている様子が、お分かりになると思います。
海が荒れて、両側から大波でも押し寄せられたら、ひとたまりもなく破壊されてしまいそうに見える、細さですね。
本土側の突先で小径へと続いている、本土側の斜面をスロープ状に伸びる道を、延々と辿って来ました。
高台を水平に一直線の筋を刻んでいる場所が、車で駐車場まで走ってきた道路となります。
島の西側の、断崖。
すぐ近くで見ると、離れて眺めていた時と比べて、その険しさがより一層リアルに実感することができます。
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島の周囲は、岩礁の多い磯となっていて、頭を出している岩の周りに打ち付ける波が砕けて、海面を白く泡立てています。
島と対峙している本土側との間の、ごく狭い海域の海面も、波が寄せるたびに大きなうねりを見せます。
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
本土側の海岸も、大地がいきなり崩れ落ちているかのような、断崖の地形となっていますね。。。
自然の浸食力の強さに、改めて感銘を受けた、ダイナミックな風景でした。
断崖越しに、通過してきたバキオ(Bakio)の街の端を、わずかに見渡すことができました。
その背後の山腹に、サン・ファン・デ・ガステルガチェを遠望した道路が刻む一筋が、こちらからもはっきりと判別することができました。
のたうつように曲がり、捻じれながら、島の急斜面に取り付く小径。
石橋の部分は、土台となっている海岸から、かなりの高さのあることが分かりますね。
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
11月下旬というのに、汗まみれとなりながら、ついに頂へと上り詰めました!
海抜79mの島の頂から、歩いてきた道程を確認するように、振り返って眺め遣ります。
石段の段数は、230段を超えています。
車を停めてある駐車場へと続いている道は、離れた位置から眺めても、その断続的に続く勾配を、はっきりと見て取れますね;
駐車場への復路は、基本的に下り坂であった往路よりも、厳しい道程となりそうです。
…帰途のことはさておき、頂からの眺めを楽しむことにしました。
頂に礼拝堂が建つ島に相応しく、小径の道中は十字架が幾つか設えてありましたが、上り詰めて海原を見渡すことのできる高台もまた、祈りのための場となっています。
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日没少し前という遅い午後の時間帯、疎らな人影、低く垂れこめる雲とその色を映したような憂い気な海…祈りを捧げる「聖地」としての雰囲気に満ちた、島の頂でした。
この島を含めて、広く一般に呼称されている名称を冠する、サン・ファン・デ・ガステルガチェ礼拝堂。
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この地域の石を積んで建てられたのであろうということが類推できる、落ち着いた色合いの風格が素敵な礼拝堂です。
シックな外壁の石の色と(写っていませんが;)鮮やかなオレンジ色の屋根瓦との、色彩のコントラストもとても印象的な姿で、島の頂に佇立していました。
この礼拝堂がこの地に最初に建てられた時期は、はっきりとは判明していません。
それでも、9世紀ごろには建立されていたとされているので、やはり、荒海に屹立する絶壁の島に、古の人々も畏怖と敬意の念を抱き、信仰の地としたのでしょうね。
それも、この礼拝堂を洗礼者ヨハネ(ラテン語:Ioannes Baptista バスク語:Joan Bataiatzailea スペイン語:Juan el Bautista)に捧げてその名を冠したことからも、この地がいかに「特別」な地であったかを、推し測ることができると思います。
礼拝堂は、夏季には扉が開放されて中へも入ることができるようですが、冬季は閉鎖となり、私が訪れた時も、扉は閉ざされていました。
微妙な色合いの変化を見せる海面と、見事に色付いた草木で覆われた、島の対岸の本土側の斜面を、島の頂から眺めています。
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画像の右端から切れたすぐ横の辺りに、島と本土とを繋いでいる石橋があります。
高台の駐車場から歩いてきた道が、その高台の道路へ向けて、高度を稼いでいく様子を、見て取ることができます。
車を停めてきた駐車場も、この画像に写っています(リンク先画像の矢印が示す辺り)。
素晴らしい眺めですが、その見えている駐車場までをまた戻らなければならないと思うと…感嘆と気の重さとがない交ぜとなった心境で、この風景を見つめていました。
更に東の海上を見渡すと、アカチャ島(バスク語:Akatxa Irla スペイン語(アケチ島):Isla de Aquech)とそのすぐ隣に、この辺りで最も大きな岬であるマチチャコ岬(バスク語:Matxitxako lurmuturra スペイン語:Cabo Machichaco)を、望むことができます。
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マチチャコ岬へと至る稜線が、美しいですね。
耳を打つのは、風と波の音だけ。
荒涼とした風景に、ただ魅せられ続けます。
島の北側は、ビスケー湾(スペイン語:Golfo de Vizcaya バスク語:Bizkaiko golkoa/ビスカヤ(バスク語:Bizkaia スペイン語:Vizcaya)湾)の海原が、一面に広がります。
頂の足下から、海へと一気に地形は切れ落ちています;
車でこれまで走ってきた、バキオ西方からアルミンツァ(Armintza)方面へと至る、断崖状に連なる海岸も見えていますね。
オフシーズンである冬季で、日没前の遅い時間帯…ということもあるのでしょうが、頂に滞在する間に見かけた他の人は、私の少し前を往っていたカップルだけでした。
人で溢れ返る状況も、興が殺がれてしまうので、寂しげな空気が支配するこのような雰囲気に浸れたことは、幸運であったかもしれないですね。
長い歴史の中で、何度も破壊と再建とを繰り返して、今日に至る礼拝堂。
私が訪れた2015年現在、この地にある建物は、1980年に再建されたものとのことです。
礼拝堂の建つ頂を辞去するにあたり、今一度「下界」の絶景を鑑賞。
(画像クリックで、別ウィンドウが開きます)
海と崖の色彩美、曲がりくねる小径…やはり、見とれてしまいます。
駐車場への道や石段の小径を往く人の姿が、胡麻粒のような小ささで見えていますね。。。
私も、この風景の一部となるべく、駐車場への復路に就きます。
往路に約30分掛かった道程を、上り坂となった関係で、40分余りの所要時間で、駐車した車の待つ駐車場へと戻ってきました。
ほぼ2kmにわたり、基本的に上り坂が続くこととなる復路はやはりハードで、車まで辿り着いた時には、心から安堵したものでしたw
晩秋とはいえ、日中の気温は高かったこの日でのハードな行程…着衣は汗まみれとなり、ここでシャツの着替えを余儀なくされました。
既に時刻は16:30を過ぎ、この後急速に暗くなるであろうと予想される中、夜間の走行時間を少しでも短くするために、余韻に浸る間も惜しんで、慌ただしく出発。
道中半ばでとっぷりと日が暮れた中を、予約してあるホテルへと(安全運転で!)車を走らせます。
<2015 バスク・バルセロナ紀行-12>>
崖の上に建てられた教会は大体どこも扉が閉ざされていることが多く、そこまで歩いて来た苦労が報われない気分にもなりますが、目的地にたどり着いたという達成感で十分満足できますね。
↓行き止まりの広場にあったオブジェ、夏ならその前で記念撮影をする人もいるのでしょうが、人のいない風景の中では錆がにじんだコンクリートが物悲しいですね。
中でも、このガステルガチェの奇勝は、素晴らしい見応えと訪問体験とで、レンタカーを走らせてきた甲斐があったと、満ち足りた上機嫌のうちに、この日の宿泊地へと、この後赴きました^^
荒涼としたオブジェ、近くの街へと至る道路が新道に切り替わり、旧道の行き止まりとなってしまい、訪れる人は皆無でした。
打ち捨てられたような、哀愁漂う雰囲気も、自然に帰りつつあるような感じがして、趣深い雰囲気ではありました。