時には、旅の日常

管理人:taろう/旅先で撮ったスナップにコメントを添えて、他にも気の向いた事を綴っていきます。

桂川源流探訪 佐々里峠越え-06~山里・佐々里散策

2017-10-15 10:10:28 | 京都
 京都市左京区の広河原から、徒歩約2時間半を掛けて佐々里峠を越え、南丹市美山町の佐々里へ到着しました。

 <<桂川源流探訪 佐々里峠越え-05>

 冬季は積雪のために閉鎖されてしまう、佐々里峠へと挑む京都府道38号線沿道で、峠の西の麓に位置する山里は、「美山」の文字どおり、美しい緑の山々深く抱かれた小さな盆地に、入母屋造の家々が点在していました。
 昼下がりの陽光に微睡んでいるかのような、静かな佇まいの景観を眺めながら、峠からそのまま山里を貫く府道38号線の道なりに、ノンビリ散策♪

 小さいながらも、由緒のある八幡宮へ、お参りしました。



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 佐々里峠を越え、長い峠道を下ってきた府道38号線は、南丹市美山町佐々里の集落へと進入していきます。

 峠道を下る道中、府道に寄り添って流れてきたせせらぎも、すっかり里山を流れる小川の風情を纏っています。
 この辺りでは、堤防もなく、(川岸は道路と石垣で挟まれた格好となっていますが)自然な流れに任せているといった感じで、のどかな山里の雰囲気に溢れた風景でした^^



 小川に架けられていた小さな橋上から、流れ下る様子を撮影。
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 川の両岸の眺めは、恐らく道路がここを通されて以来、変わっていないようにも思えますね。
 そして多分、この先もこの景色は変わらないような気がします(変わって欲しくない)。

 遠くの川底まで、はっきりと見通すことのできる、清らかな川の水が、この風景や私の気分まで、スッキリとさせてくれました!



 今度は、小川の上流、即ち佐々里峠の方向を眺めます。
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 木の板で堰を作って、川の水を溜めていました。
 堰き止められた水も、目の覚めるような透明感を保ち、レンズを通して眺めているように、川底が浮き上がる感じで、クッキリと見えていました。
 鏡のような水面に映った草木の緑も、とても瑞々しくて、素敵な眺めです。

 溢れ出した水が、手前の段となっている所で、滝のように流れ落ちる時に上げる飛沫の様子が、何とも爽やか(^_^)



 瓦葺きですが、入母屋造の屋根が印象的な民家が、普通に建っています。
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 その立派な屋根は、陽の光に良く映えて、山肌の木々の緑を背景にして、浮かび上がって見える程に鮮やかな明るさを放っていました。

 手前の空き地、今は雑草が生い茂るばかりでしたが、かつては田んぼか畑地であったのでしょうか。
 風景にも、過疎化の進行という、悩める山村の現況が垣間見えてきてしまいます。



 近寄って見ると、その入母屋の屋根の大きさが一層際立ち、迫力をもって迫りくるように感じられました。
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 切妻部には、紋章のような模様が、それぞれの家屋に施されているのも、印象的でした。

 奥の瓦葺きが母屋で、手前に建つ、一回り小ぶりな建物は、物置きか納屋でしょうか。
 トタン葺きの入母屋というのも、独特の趣があるものですね。
 薪のような木材を蓄えてある様子が、昔ながらのノスタルジックな風情を、醸し出していました。



 佐々里峠から下ってきて、集落を通り過ぎてゆく京都府道38号線が、この佐々里の幹線道路といった趣きです。

 この標識にあるとおり、この先で分岐している京都府道370号線が、佐々里のもう1つの幹線道路となっています。
 この2つの府道に沿って、佐々里の集落が開けています。

 この標識が指す、京都と小浜とを結ぶ国道162号線へと合流するまでは、ここから20km以上も先で、車でも30分程度掛かるようです。



 府道38号線と府道370号線との分岐点の手前に、とても目を引く巨木が何本か、並ぶように立っていました。
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 高い建物がないだけに、その真直ぐに天を目指しているかの如く佇立している姿は、何百年もの間、佐々里を見守り続けてきた生き証人であるかのよう。
 丸みを帯びて見える、茂る葉の様子からは、どことなくユーモラスな雰囲気も感じ取れますね。



 巨木の並木の根元には、小さな御宮が鎮座しています。
 小さいながらも、そこは神社。
 鳥居も当然、しっかりと建っています(手前の紅白のポールが鳥居に掛かってしまったのは、見逃してくださいw)。

 鳥居の額には、「八幡宮」とありました。
 八幡様、なのですね。

 砂利を敷いた境内へ、入らせていただきます。



 このお社と、佐々里に伝わる伝説を記した案内板。
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 西暦613年というと、平安建都以前の時代ですね…;
 そのような古の頃から、この山深い地には人が住み着き、今日に至る…京都と丹波とを結ぶ峠の入口を扼する佐々里が、長い歴史を閲するのも、頷けます。



 鳥居をくぐると、2頭の狛犬がお出迎え。
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 堂々たる姿で、威厳に満ちた狛犬さん方^^
 清められている境内の様子と共に、古くから佐々里の方々にこの八幡宮が敬われてきたことが感じられる、清々しさ。
 とても居心地の良い、佐々里の八幡宮です。

 小さな舞台風の建物の奥に、拝殿が控えていて、無事に佐々里峠を越えることができた感謝を、捧げました。



 小さなお宮を、優しげに見守る巨木。
 日中なのに、ライトアップの照明を浴びているかのように、葉が輝いているのが印象的でした!
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 これらの巨木は本当に、どれ程の昔からこの場所に立って、佐々里や八幡宮での出来事を見てきたのでしょうね。
 巨木の言葉が分かるのであったならば、これらの巨木の語る佐々里の歴史を、ぜひ聴き入りたいものです!



 神社があるということは、この山里にも、お祭りがあるということ。
 江戸時代から続いているという、囲垣祭という祭りを説明する案内板も、境内に立っていました。
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 囲垣祭というのは、十五歳に達した若者の元服を祝う儀式と祭りのようですね。
 案内板にある、「囲垣」の木札が、傍らに立て掛けてありました。

 どう贔屓目に見ても、集落の人口が激減してしまっているであろう今日、囲垣祭がどのように営まれているのだろうか…等と思いながら、説明書きを読んでいました。



 府道38号線から分岐した、府道370号線の沿道風景。
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 分岐点からしばらくの間、府道370号線は道幅も広く、府道38号線の沿道の風景と比べて、広々とした風情の漂う眺望でした。
 画像の左端すぐの場所に、先程お参りした八幡宮があります。

 この府道370号線をもう少し走ると、民宿等もあって、季節により、鮎や猪等の料理をいただくこともできるようです。



 府道38号線から府道370号線が分かれる、分岐点。
 ちょっとした広場程の広さを持った、空間となっています。

 見えている橋を渡ると、府道38号線は、佐々里の集落を抜けて再び山林の中へと、進んでいきます。
 私がこれから目指すのも、この方向。



 分岐点の傍ら、ちょうど八幡宮のすぐ裏の位置に、南丹市営バスの佐々里停留所があります。
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 停留所の左に見えているのが、府道38号線。
 標識の奥へと進んでいくと、佐々里峠へと至り、京都市左京区へと抜けていきます。

 「佐々里スキー場」への案内標識が見えていますが、佐々里スキー場は、平成12年(2000年)頃には既に廃業となっています。

 この佐々里停留所から、南丹市営バスに乗車。
 この日は2便しか運行しないバスの出発時刻に何とか間に合うよう、佐々里峠を越えてここまで来ることができて、先ずは一安心。
 既に停留所で出発を待っていたバス(この日の終バス!)へ乗り込み、先へと進みます。

 <桂川源流探訪 佐々里峠越え-07>>



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (タヌ子)
2017-10-18 00:58:14
入母屋造りの家、瓦は比較的新しそうですね。
入母屋造りの瓦の葺き替えはかなり費用がかかりそうですが、安易に組み立て式住居に建て替えてまわない所に住民の誇りを感じます。
小さな八幡宮、巨木の後ろから宮崎駿のアニメの主人公が顔を覗かせそうな雰囲気ですね。
FBに美山情報サイトのページを発見しましました。
囲垣祭も昨年は行われたようですが、今年の祭りの記事はありませんでした。
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タヌ子さん。 (taろう)
2017-10-19 00:41:19
実際最近に葺き替えたのか、河原の白色が光に良く映えたからなのか、本当のところは謎ですが、白い瓦屋根は、この好天の下ではとてもコントラストが効いていて、見栄えのする眺めとなっていました。
集落にもっと多数が暮らしていたかつては、集落総出で、屋根の葺き替えを行なっていたのでしょうね。
こじんまりとした、可愛らしい八幡さまでしたが、立派な狛犬さん達がお宮を護り、拝殿の前には舞台のような建屋があったりと、その由緒をジワジワと感じ取ることができる、素敵な神社でした。
囲垣祭の先行き、気になるところですね。
記事に上がらなかっただけで、祭りは続いていると思いたいです。
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