時には、旅の日常

管理人:taろう/旅先で撮ったスナップにコメントを添えて、他にも気の向いた事を綴っていきます。

とある真夏の一日 帰省の列車旅

2013-09-29 23:54:48 | 近畿/日本
 平成25年(2013年)の茹だるような蒸し暑さが盛りの8月某日、京都から三重県の実家への帰省時にふと思い立って、通常とは異なる経路を辿ってみました。

 私の実家は三重県の四日市市にあり、通常ですと新名神高速道路の開通時に運行を開始した、京都~四日市の高速バスを利用するのが、最も早く且つリーズナブル、加えて四日市まで乗り換え無しの快適な行程となるのですが、この日は鉄道を利用することにしました。
 鉄道利用ですと幾通りかの経路があるのですが、折からの猛暑猛湿で頭もオーバーヒートしたのかw、何故かこの日は、時間が掛かって運賃も割高、おまけに4回もの乗り換えを要する経路での帰省と相成りました!

 画像の都合で(撮影し忘れともいう(爆)、途中の乗換駅から記事は始まり、実家の最寄駅の手前で終わりとなります(^-^;)ゞ

 <京都→木津→加茂>
 <加茂→津→近鉄四日市>
 <京都→近鉄四日市>

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 京都と奈良とを結ぶ、JR西日本の奈良線が同じくJR西日本の関西本線から分岐する、木津駅。
 京都を昼頃出発した奈良行の快速電車で、木津までの約35kmの距離を40分弱の所要時間で到着しました。
 古風なホーム上屋と、真新しい現代的な橋上駅舎とが無理矢理つなぎ合わされたような、面白い雰囲気を持つ駅です。

 画像は京都から乗車してきた「みやこ路快速」ではなく、乗り換え電車を待つために移動したホームに到着した、京都行の普通電車です。
 かつては首都圏でも大活躍していた、国鉄の代表的な通勤型電車の103系…JR西日本管内ではまだまだ現役で、老骨に鞭打ち頑張っています!

 この京都行の普通電車の次に到着する電車を待ちます。



 大阪と奈良とを結ぶ、関西本線の「大和路快速」加茂行がやって来ました。
 この電車に乗車、終点の加茂を目指します…とはいっても、加茂は木津のお隣の駅、1駅のみの乗車となります。

 この221系電車は、JR西日本が最初に開発・製造した系列です。



 木津から6分で、「大和路快速」は終点の加茂へ到着しました。

 関西本線は、この加茂から三重県の亀山までの約60kmは非電化区間となり、加茂始発のディーゼルカーに乗り換えます。



 加茂駅のホーム端から、これから進む東の方向を眺めやります。
 大阪近郊の住宅地が広がる風景も加茂で見納め、正面に立ちはだかるかの如き山間部へと、加茂から単線となった関西本線のレールが上り勾配となって分け入っていきます。

 …この日は雲が多めとはいえ、茹だるような蒸し暑さ;
 ホーム上でじっとしているだけでも、見る見る汗が滲み出てきます。。。



 加茂で待つこと40分弱、出発時刻の数分前にようやく折返し亀山行となるディーゼルカーが到着しました!

 加茂から単線非電化となることからも分かるように、関西本線の加茂~亀山の沿線は山間部であり、乗客数も激減することから、この区間を走行する車両もこれまで乗車してきた電車とは一回り小ぶりなディーゼルカー、キハ120形が充てられています。
 キハ120形は、列車というよりもレール上を走るバス、正に「レールバス」というイメージがピッタリくるサイズに思えました。
 2両編成でしたが、乗務員は運転手さんが1名だけのワンマン運転です。



 加茂を出発すると、間もなく車窓風景はこれまでの住宅や田園の風景から自然の風景へと変化を遂げました。
 山々の緑に抱かれた、木津川がゆったりと流れる(冷房の効いた車内から眺める限りは)涼やかな風景が車窓いっぱいに広がります♪



 関西本線はしばらくの間、木津川に沿って山間部を走り抜けていきます。

 途中の駅前近くの河原がキャンプ場になっていて、季節柄キャンプやBBQを楽しむ人達で空き間もない程の大混雑ぶりが列車からも眺められて、驚きました;



 柘植(つげ)に到着。
 加茂を出発して1時間近くが経過…既に沿線は京都府から三重県へと変わっています。

 柘植からは、滋賀県の草津とを結んでいる、JR西日本の草津線が分岐しています。
 柘植から草津までは距離にして40km弱、単線ですが電化されています。
 草津から走ってきた、113系電車がやって来ました。
 関西「本線」と名乗ってはいるもののこちらはレールバス級のディーゼルカー2両編成なのに対して、草津線の方は一回り大きな電車の4両編成…どちらが「本線」なのか分かりませんね;

 この草津線の電車との連絡待ちをした後、柘植を出発、亀山へのラストスパートにかかります!



 柘植を出発すると列車は、鈴鹿山脈南端部となる関西本線随一の急勾配の区間である、「加太(かぶと)越」に挑みます。
 車窓も一層山深くなって人家もなくなり、山中に佇む、かつてはスイッチバックの設備が稼働していた中在家(なかざいけ)信号所を通過して山を越え、鈴鹿峠の東の麓に位置する東海道の宿場でもあった関を過ぎて、亀山を目指してひた走ります。
 一段高い所で上り勾配のように見えている辺りが、かつてのスイッチバックの引上げ線です。

 この辺りは分水嶺にもなっていて、川の流れる方向も変わります。



 加茂から約1時間20分をかけて、関西本線のディーゼルカーは終点の亀山へ到着しました。

 京都出発から、既に3時間が経過していました(^^;)

 ここ亀山からは、JR東海の所管となり、関西本線と紀勢本線が亀山で分岐します。
 関西本線は亀山から再び電化区間となります。
 四日市市内も通過する関西本線ですが、実家からだとアクセスが良くないので、実家の最寄駅がある近鉄へ乗り換えができる津へと向かうべく、非電化の紀勢本線のディーゼルカーに乗り換えます。
 懐かしい国鉄カラーにリバイバル塗装された、和歌山県の新宮(しんぐう)行のキハ48形が到着したホームの反対側ホームで乗り換えを待っていてくれました^^

 因みに、亀山から新宮までは距離にして実に約180km…この道程を普通列車として、4時間40分程掛けて走破します!



 新宮行の普通列車は亀山を出るとすぐに、北東方向となる四日市、名古屋方面へと向かう関西本線と分かれて三重県の県庁所在地である津のある南東へと方向を変えて進み、淀川に合流して大阪湾へと注ぐ木津川とは逆に東へ流れて伊勢湾へと注ぐ、鈴鹿川を渡ります。
 下流方向を眺めているので、広々と開けた、開放的な風景が気分もリラックスさせてくれます♪



 亀山から約15km、20分程で、津に到着しました。
 ここまで京都から3時間30分の行程でした。
 京都~津の区間は、近鉄特急や高速バスを利用すれば、2時間足らずで到着できます。。。

 三重県の県庁所在地たる津市の表玄関であり、JR東海と近鉄が乗り入れている津駅ですが、JR側の構内はとてもそうとは思えないローカルな、のんびりムードに溢れています。
 非電化区間なので架線も張っておらず、遮るもののない広々とした空の眺めが素敵な駅ですね^^



 新宮行の普通列車は3分程の停車の後、津を出発していきました。
 終点の新宮までは、まだ4時間を超える行程を残しています。

 出発の頃にはホームに乗降客の姿は既になく、列車を見送る乗務員の姿だけを認めることができました。



 せっかくこの(日本語では)1文字だけの駅に降り立った機会に、この駅名標だけは撮らない訳にはいきませんw

 大きくひらがなで1文字だけ、「つ」 と表示された、JR東海の駅名標からは、日本の他のどの駅にもないインパクトと、贅沢に空白の地を残したホノボノ感とが、同時に伝わってきました(^o^)



 河岸を変えて、近鉄の津駅の駅名標です。
 こちらは漢字がメインの表示となっていて、ひらがなを大きく表示したJR東海の駅名標に比べてインパクトは今一つながら、小さな 「つ」 のおかげで、「津っ」とも読める(かなり強引な解釈かな(^^;)、見る程に味わい深い駅名標でしたw



 近鉄名古屋線の主要駅の1つである津駅は、JR東海の津駅に庇を借りるような形で、表口から最も遠い位置に、上下線のホームがそれぞれ1線ずつしかない島式ホーム1本のみの構内ですが、ホームには絶えず多くの乗降客がいて、JR東海の駅に比べて圧倒的に多くの電車が発着しています。

 ちょうど名古屋行の特急「伊勢志摩ライナー」が到着しました。



 津からは実家の最寄駅までそう遠くもない(特急停車駅でもない)ので、特急料金のかかる特急には乗車せずに見送ります。



 特急が出発したすぐ後に到着した、名古屋行の急行に乗車して、この後最寄駅へと向かいました。

 …最寄駅へ付いた頃には、京都を出発してから4時間以上が経過していました;

 こうして、一風変わった経路を辿った、真夏の帰省ルートでしたが、ホームで乗り換えを待つ間の酷暑を除けば、変化に富む車窓やローカルムードも楽しめた、面白い体験となりました!
 たまにはこうした、通常のルートを外れた行程をとるのもいいなぁ、と、近過ぎず遠過ぎず適度な距離を保つ帰省先を持つ身の幸運を改めて実感した、プチ列車旅でした。



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4 コメント

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Unknown (kiki)
2013-10-01 21:18:52
【つ】の1文字、なかなかインパクトありますね!
帰省って最短ルートを模索しがちですがtaろうさんの様にのんびり綺麗な景色を楽しみながらローカル電車の旅仕立てにされてしまうところが素敵です。
テレビ番組などでローカル列車の旅番組をたまに見たりすると「いいなぁ~」とその時は思いますが、いざ旅行に行く時は最短時間ばかり考えてしまいます^^;
せっかちな自分がちょっと残念です・・・。
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kikiさん。 (taろう)
2013-10-01 22:53:56
こういうシチュエーションでの1文字は、漢字よりもひらがなの方が、鮮烈なインパクトを感じますよね!
見つめる程に、「つ」が文字に見えなくなっていきましたw
実は私、結構こういうことを考えるのが好きで、ちょくちょく異なるルートで帰省しています(^^;)
流石に、毎回帰省に4時間以上を掛ける訳にもいかないのですがw、時間と懐に余裕がある時は、いつもと違う経路を辿るのも面白いものですね^^
まぁ、あまりにも交通が不便ですと、選択の余地もない訳で、京都~三重は、程良い距離と複数の交通手段という条件を備えていたのが、ラッキーでした♪
せっかちといえば?、リニアが大阪延伸した暁には三重北部にも1駅できそうですが、京都は厳しそうですね…それ以前に、それまで自分が五体満足でいられるかの方が、現実的な問題になりそうです。。。
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Unknown (タヌ子)
2013-10-05 00:10:27
103系、懐かしい!
でも、きっと私が高校生の頃利用していた南武線の支線、、お下がり車両専門の浜川崎線では、今も現役で活躍しているのではないかと思って調べてみたら、205系に格上げされてました(笑)
来月の旅行、レンタカーかジャパンレイルパスかさんざん悩んだ挙句、結局電車での移動を選んだので、思う存分電車の旅が楽しめそうです。
しかし、人の話を聞かない足手まといのフランス人3人を引き連れて、うまく乗り継ぎができるかどうかが心配。
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タヌ子さん。 (taろう)
2013-10-05 14:44:56
私が関東に住んでいた子供の頃は、近くを走る電車も、103系や113系の天下でした。
両者とも、関西でも減少傾向ですが、JR西日本の懐事情(元々本州JR3社中最貧+福知山線事故の賠償等々)で、完全に新型車に置き換わるまでには、まだまだ時間が掛かることでしょう。。。
ご旅行はもう来月なのですね…個性的なフランスの方々との「楽しい」道中が目に浮かぶようですw
秋の実りもふんだんに揃った、美味しい季節の日本を堪能されますことを願っています♪
正確なダイヤ命!な日本の鉄道、乗継ぎの時間は余裕を多めにとっておいた方が宜しいかもしれませんね(^_^;)
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