アユ伝統漁復活が相次いでいる。メモ。 富来川(志賀)粗朶漁をグリーン・ツーリズムの一貫として・ 阿賀川(福島) 観光ヤナの復活。
伝統アユ粗朶漁に挑む 志賀の観光関係者が体験
粗朶を手にアユを追い込む会員ら=志賀町和田で |
志賀町の観光、民宿関係者らでつくる町グリーンツーリズム協議会は二十日、伝統漁法のアユの粗朶(そだ)漁を同町和田の富来川で体験した。地域の魅力を再発見しようと会員十五人が参加し、四百年以上前から伝わるとされる原始的な漁に挑んだ。
粗朶漁は、小指の太さほどの竹を何本も束ねた「粗朶」で、魚を囲い込んで手で生け捕りにする漁法。海魚が手に入りにくい山間部で、タンパク源を確保するための手段として考案されたといわれる。
先生役は、地元保存会の清水徳克会長(68)=同町今田=が務め、協議会員は長さ二メートル、太さ二十五センチほどの粗朶を腰に構えて川の中へ。アユを見つけると川面に体当たりするように飛び込み、ササで逃げ場を失った獲物を手で探った。
最初はアユに逃げられっぱなしで、会員からは「魚に遊ばれとる」との声も。開始十分ほどでようやく一匹を確保すると、その後は調子づいて一時間半で二十五匹を捕まえた。会員は童心に帰ったようにダイブを繰り返し、全身ずぶぬれになりながら歓声を上げた。
協議会の宮崎岳志会長(45)は「川遊びをしているみたいで面白い。これから、何らかの形で魅力を外に発信していきたい」と笑顔を見せた。 (渡辺大地)
・阿賀川(福島) 観光ヤナの復活。福島民報 2015年8月21日
伝統のアユ漁、大川やな場復活へ 会津非出資漁協 観光振興に期待
会津若松市の高田橋下流の大川(阿賀川)に9月上旬、アユのやな場が復活する。会津非出資漁協が原発事故に伴う川魚への風評払拭(ふっしょく)と 観光振興、伝統漁法の継承を目指す。かつては各地で見られたが、漁業者の減少と高齢化で激減。震災と原発事故による観光客減が追い打ちをかけた。漁協関係 者は若アユのように生きの良い地域に-と準備を進めている。
アユのやな場が新設されるのは、会津若松市の門田地区と北会津地区 を結ぶ高田橋から下流側約350メートルの地点。コスト縮減を兼ねて会津非出資漁協に加盟する建築業者らが重機などを使って幅4メートル、長さ13メート ルのやな場を設ける。観光客も楽しめる観光やな場としてオープンさせる。近く国の設置許可も正式に下りる。
開設期間は9月上旬から。捕れたアユは近くにある漁協の事務所で焼き上げて、脂がのった新鮮な味覚を堪能できる。
アユのやな場はかつて、会津地方の各地で見られた。同漁協でもピーク時には大川沿いだけで5、6カ所あったが、現在はゼロ。漁業者の高齢化と従事者の減少 などが背景にあった。さらに東日本大震災と東京電力福島第一原発事故で打撃を受けた。モニタリング検査で放射性物質は未検出にもかかわらず、「川魚は危な い」との風評は今も残っている。
「殿様やな場」として知られ、大川流域で最後まで残っていた会津若松市大戸町のやな場も原発事故による観光客の減少などで3年ほど前から、やな場を設けていない。
同漁協は復活したやな場で会津地方の川魚の安全性をアピールするとともに、母なる川・大川の豊かな自然を発信して、交流人口を増やしたい考え。
伝統的な漁法を後世に伝える狙いもある。やなを組むには川の性質を熟知し、熟達した技が必要だ。ベテランから中堅、若手へと技能を伝承し、伝統漁法を語り伝える場とする。
小林稲男組合長(71)は「地域の新たな魅力をつくって観光客を呼び込みたい。子どもたちにとっては伝統漁法の学びの場にもなるはず」と期待している。
※やな漁
川の中に足場を組み、竹などで造ったすのこ状の「やな」に魚が入るのを待つ伝統漁法。アユのやな漁は、秋に産卵のために川を下るアユの生態を利用している。
( 2015/08/19 09:03カテゴリー:主要 )
観光シーズンには多くの観光客でにぎわった=会津若松市にあった殿様やな場
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます