あまりにうかつすぎて情けなくなる。連絡を取りお会いしなけれと思っていた方がfbの「友達」で時々やりとりしていた方だったことを亡くなってから初めて気づいた。
渡さなければいかなかった長良川河口堰建設前のヤマトシジミのサンプル。お会いする機会もなく山口正士先生は逝かれてしまった。
fbより 訃報
山口正士先生の突然の御逝去は友人からのメールで知った。そして同じ知らせがfbにのった。
その時、ボクは初めてあの山口先生とfbでやりとりしていた山口さんが同一人物であることを知ったのだった。なんといううかつな話だろう。
友人から、琉球大学の先生が長良川河口堰の愛知県の委員としてヤマトシジミを担当するという話を聞いたのはもう数年前だろう。内容を確認しなくてはと思っていたがKST(木曾三川河口資源調査)の伊藤猛夫先生の資料をご遺族から頂いたことからすっかりヤマトシジミのことを忘れていた。
ボクは長良川河口堰の建設直前、地元の建設反対グループとヤマトシジミの研究を目的に「しじみプロジェクト」というグループを立ち上げた。
シジミプロジェクトの目的は、公団建設省が行うであろう底生生物調査をKSTで行われたヤマトシジミの調査の「橋渡し」をすることに合った。
つまり、KSTで行われたジョレンによる調査を河口堰建設前から建設中に行い公団建設省の調査と比較する。それによって長良川河口堰のヤマトシジミへの影響を「定量的」に評価することを目的としていた。
あの山口さんが山口先生であること知って、『山口正士 ヤマトシジミ 長良川河口堰』で検索した。
はたして、 論文がヒットした。
その中に以下の文章がある。
KST調査では漁業者が用いていた貝ジョレンによって約1.5平方メートルの範囲を採集し
た。(この方法によるサンプル誤差は10%程度と見積もられた)
その採集用具:ジョレンの詳細が報告書に記載されていないので、採集された貝の大きさの下限が不明である。
しか
し、これによって実際に漁獲される大きさの貝の分布状況が把握できる。(注1)
一方、1994年の河口堰調査ではスミス・マッキンタイア採泥器で計0.25平方メートルの範囲(1定点1回につき0.05平方メートルを5回採取)の堆積物が採取され、5ミリの篩でこしとられた貝がサンプルとなっている。
残念ながらシジミ類が成熟する殻の大きさ(10-15 mm)以上と以下を区別して計数していないこと、さらにジョレンによる漁獲サイズに相当する個体数を区別していないのでKST調査のデータと直接比較ができない。
以上引用
ボクはこの問題が生じることを予見していた。そこで、KST調査と同じジョレンを使用した調査を新規に行い。同一場所でスミスマッキンタイヤー採泥器でのサンプルを行った。
そのサンプルが今でもボクの家の冷凍庫とガレージに眠っている。
すいません。山口正士先生。もっと早く気がつくべきだった。
残っているサンプルについては、ボクが解析して先生の資源量分析をより精度の高いものとすることをお約束いたします。合掌。
この頃全然お問い合わせが来ないと思っていたところ、この記事で亡くなられていたことを知りました。
大変残念に思います。