リバーリバイバル研究所

川と生き物、そして人間生活との折り合いを研究しています。サツキマス研究会・リュウキュウアユ研究会

粋ということ その1

2005-05-16 19:49:12 | サツキマス研究会/長良川調査会
明日は料亭がお休みなので、マスは生かしておきます。
漁師さんから昨晩電話があった。
獲れたサツキマスは1尾だった。

漁師さんがどんなにたくさんのサツキマスをつかまえようと、そのマスを全て買い上げてきた料亭がある。尾西市の末木という。
懐石処「末木」すえき

松岡昌平さんはその料亭の3代目の当主。
料理人として有名な方でこんな著書がある。
料理屋の「弁当と仕出し」 松岡昌平著 柴田書店
末木の茶事 四季折々 松岡昌平 伊藤雄二著  日本料理の四季 第28号 柴田書店 


 サツキマスの計測を始めようとした頃のこと。せっかく出荷まで生かしておいた魚をいじりまわす、いわば商品に「手を付ける」わけで、漁師さんはあまりいい顔をしなかった。
細心の注意をして取り扱うこと、そして、調査の目的を説明して納得してもらったものの、お客さんである料亭には断っておく必要があった。
 そんなことから、出荷する漁師さんに同行して料亭に出かけ、サツキマスを計らせて欲しいとお願いしたのは、15年ほど前のことになる。快く、サツキマスに触ることを許していただき、その後は、サツキマスの産卵観察会やシンポジウムにも顔を出して下さるようになった。

 そんな、経緯があるので、最初に出荷する日には、漁師さんに同乗して末木に向かったものだ。

 勝手口から、白い仕事着をきりりと締め上げた、松岡さんが出てくる。立派なサツキマスの時には、ホントにうれしそうに笑った。最近は小さかったり、数が少なかったりして、あまりいい顔をされることは少なかったのだが…。

 ことしは、サツキマスの数が揃わなかったこともあり、14日にお店に伺った。

 いつものように、勝手口の扉はあいたが、松岡さんの姿は無かった。
 今年のサツキマスの姿を見ることなく、松岡昌平さんは、4月の終わり亡くなっていた。

 にいむら

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