リバーリバイバル研究所

川と生き物、そして人間生活との折り合いを研究しています。サツキマス研究会・リュウキュウアユ研究会

アユの産卵を見る会 関連記事2009

2009-10-18 15:25:53 | サツキマス研究会/長良川調査会
YOMIURIオンライン より

☆テキスト版
長良川のアユ小型に 定点観測20年
河口ぜきの影響指摘
アユの産卵の様子を説明する新村さん

 岐阜市の長良川で、毎年10月にアユの産卵を定点観測している市民団体「アユの産卵を見る会」の観測会が17日、長良橋下流約400メートルの産卵床で行われた。観測会は今年で20年目。代表の新村安雄さん(55)(岐阜市世保)は「1994年に長良川河口ぜきができてから、アユは小型化している」とアユの生育に対し河口ぜきが影響している可能性を指摘した。(中村和男)

 観測会には、市民ら約30人が参加した。産卵床の場所の水深約15センチにセットされた水中カメラから、河川敷に設けられたモニターにアユの群れが映し出された。

 押し合うような黒っぽい雄アユの群れに銀色の雌アユが突っ込み、岩場に産卵する様子がはっきりと確認された。多くは雄アユで7、8センチ、雌アユで12、13センチ。新村さんは「以前は20センチはあった」と語った。

 新村さんによると、長良川のアユの産卵床があるのは、岐阜市内にほぼ限られているという。観測会は、「街の真ん中でそういう生態を見ることができることを知ってほしかった」との理由で89年に始めた。

 長良川河口ぜきは94年に試験運用、翌95年に本格運用が始まった。当初はアユに目立った変化はなかったが、ここ数年は目に見えて小型化しているという。

 アユは9月下旬から11月上旬に産卵する。大型のアユほど早い時期に産卵するが、水温が高いため稚魚は海に降りるのに体力を消耗する。新村さんは「河口ぜきがなかった時は、引き潮の流れで下っていけたのが、せきによって海にたどり着くまでに力尽きてしまう」と、大型のアユの子孫が減ったのが原因と推測。「産卵時期だけせきを開け、アユの様子をみることが必要」との考えを述べた。

 新村さんは20年を一区切りとして定点観測を終了させるつもりだった。だが、徳山ダムの水を長良川と木曽川に流す木曽川水系連絡導水路事業で、放水口となる場所が、産卵床の上流に計画されていることが判明した。徳山ダムの冷たい水と泥が流入すれば、産卵床が影響を受ける恐れがあることから、来年以降も定点観測を続けることを決めた。

 観測会に初めて参加した輪之内町海松新田、公務員安江晴貴さん(38)は「長良川の自然やアユのために何ができるか、来年の豊かな海づくり大会で考えるべきだ」と話した。
(2009年10月18日 読売新聞)
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2 コメント

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Unknown (石際)
2009-10-18 20:48:40
峠のご主人のご縁で参加させていただきました。
岐阜市に住んでいる者として、こんな自然の営みが身近に行われていることに感動しました。
NSネットというNPOで活動しておりますが、まだまだ知るべきことをほとんど知らないということを実感しております。
今後ともよろしくお願いいたします。
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来年 (ニイムラ)
2009-10-18 22:35:27
来年は河原でゆっくりと飲み明かしましょう。
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