岐阜新聞 編集余記 061102
編集余記 2006年11月 2日(木)
「人生振り返れば、川の流れと一緒。淵(ふち)にぶつかったり、渦巻いたり。深い所、浅い所があっても上から下へ流れるしかない」。関市の長良川で30年間も魚類調査を続けてきた後藤宮子さん、81歳の弁。
▼47種、約126万個体もの魚標本を琵琶湖博物館に寄贈した。「雨の日も風の日も、毎朝毎晩とってこられた標本に、天候や鳥などの記録もある。これほど貴重な仕事は世界に例がない」。先日行われた顕彰式で川那部浩哉館長は学術的価値を高く評価した。
▼流れに逆らって泳ぐ魚の習性を利用し、川を堰(せ)いで箱に落ちる魚をとる登り落ち漁による調査を始めたのは1967年。公害や農薬による魚類被害が目立ったころだ。ともに中学か高校の生物教師で、夫がとってきた魚を妻が記録し、標本にした。
▼そんな毎日が、夫が亡くなる前年の97年まで続いた。自宅隣に白銀登落荘を建てて保存展示してきた膨大な量の標本の瓶詰めには、2人の人生と20世紀後半30年の長良川の歳月がぎっしりと詰まっている。
▼宮子さんは敗戦前後の帝国女子理学専門学校(現東邦大)時代、牧野富太郎博士の晩年の植物採集会によく参加した。半世紀を超えて今も岐阜みどり植物同好会を率いるが、植物にせよ魚類にせよ地道な標本作りの原点はどうやらそのあたりにありそうだ。
▼川那部館長は「資料を整理した上で、一部は『長良川の魚』として地元に帰したい」と話した。岐阜にとって何物にも替え難い宝になることだろう。
編集余記 2006年11月 2日(木)
「人生振り返れば、川の流れと一緒。淵(ふち)にぶつかったり、渦巻いたり。深い所、浅い所があっても上から下へ流れるしかない」。関市の長良川で30年間も魚類調査を続けてきた後藤宮子さん、81歳の弁。
▼47種、約126万個体もの魚標本を琵琶湖博物館に寄贈した。「雨の日も風の日も、毎朝毎晩とってこられた標本に、天候や鳥などの記録もある。これほど貴重な仕事は世界に例がない」。先日行われた顕彰式で川那部浩哉館長は学術的価値を高く評価した。
▼流れに逆らって泳ぐ魚の習性を利用し、川を堰(せ)いで箱に落ちる魚をとる登り落ち漁による調査を始めたのは1967年。公害や農薬による魚類被害が目立ったころだ。ともに中学か高校の生物教師で、夫がとってきた魚を妻が記録し、標本にした。
▼そんな毎日が、夫が亡くなる前年の97年まで続いた。自宅隣に白銀登落荘を建てて保存展示してきた膨大な量の標本の瓶詰めには、2人の人生と20世紀後半30年の長良川の歳月がぎっしりと詰まっている。
▼宮子さんは敗戦前後の帝国女子理学専門学校(現東邦大)時代、牧野富太郎博士の晩年の植物採集会によく参加した。半世紀を超えて今も岐阜みどり植物同好会を率いるが、植物にせよ魚類にせよ地道な標本作りの原点はどうやらそのあたりにありそうだ。
▼川那部館長は「資料を整理した上で、一部は『長良川の魚』として地元に帰したい」と話した。岐阜にとって何物にも替え難い宝になることだろう。
伊方でKNさんに会いました.調査であったとか.
標本は宝である.まさにその通りです,地方の宝でもあるが
国の宝でもある,大切に永久に保存して欲しいと思います
琵琶湖まで閲覧しに行きますぅ~。
前回だけでは終わらなかった。
来る11月30日。午前11時より仕上げの搬出をおこないます。
今回は琵琶湖から老体が2名、京都から3名くらいが参加よてい。サンプルは後1トンくらいわあるなぁ。
後慈悲をお願いします。けらさん
そんな日におねがいされても
こまりますぅ~(笑)