リバーリバイバル研究所

川と生き物、そして人間生活との折り合いを研究しています。サツキマス研究会・リュウキュウアユ研究会

河口から遡上するビワマスが撮りたい(改訂)

2006-11-14 22:31:59 | 琵琶湖”逍遙”撮影記
湖西の知内川の河口は東に開け、正面に竹生島が見える。
竹生島を背景に、琵琶湖から河川へ遡上するビワマスが撮りたいと思った。

 12日の朝、時折ミゾレ混じりの雨が降る河口に立った。
 午後からは芦屋川に行かなければならない。逆算して、出発は10時。前日に水中から撮影した時間帯からみるとビワマスの遡上は正午前が多いようだった。ぎりぎり、10時まで粘って撮影しようと思っていた。

 分流する河口の流れ、流量の多い河口を狙う。ある程度水深があるので竹生島を背景にしようとすると水中を遡上するビワマスが見えない。水深の浅い分流はどうか、半身が出てしまうような流れをビワマスは登らないだろう。

 ところが、予想は外れて一匹のビワマスが河口で水音を立てたと思ったら、あっという間に登ってしまった。カメラは別の方向を狙っていた。残念。
 しかし、流れの大きな方にビワマスは現れるだろうとそれでも流量の多い河口にカメラを構え、竹生島を背景に狙う。

流れに逆らって、背びれを見せて登るマスよ現れよ。
 しかし、時間は無為に流れ、あと5分で出発しなければならない時刻となった。
 カメラを取り上げて、車の方向に帰る。水面を遡上するシーンは撮れている。大丈夫だ。そんなふうに納得して浅い河口を渡ろうとした時だ。

その河口にビワマスが登ってきた。マスはボクに驚いて、反転した。

 急いで、上流へ、河口と竹生島が見えるところへと移動する。
間に合ったか、まだ遡上してこない。

 カメラをスタートさせ、その場所を離れる。カメラのアングルから外れて移動して、下流からビワマスが止まっていそうな深みを覗く。
その場所にビワマスがいた。

 美しいメスが、ジッと上流を伺っている。
婚姻色がまだ明瞭になっていない。
その身体には傷ひとつとしてない。体色は落ち着いた黄金色、ウグイス色がかかっている。

水中のマスを見ていた。
  (…カメラの前を登ってくれ…)

 すこしして、メスはしなやかに尾びれを振ると、加速して、平瀬に向かった。
そして、カメラに驚いたか、方向を変えて浅瀬の方へ。そのまま大きな水しぶきを立て平瀬を超えると、上流に向かって泳いでいった。

 ボクは、しばらくビワマスの行方を見ていたが、カメラに近づいて、もう一度アングルを確認してから叫んだのだった。

 カット!
クリックしてください。
 
 12日 午前9時58分30秒、撮影
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2 コメント

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ブラボー! (春小紅)
2006-11-13 23:49:21
あなたには川の神様がついている。
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芦屋川では (Rhinogobius)
2006-11-14 19:25:12
芦屋川では、楽しいお話をしていただき、ありがとうございます。芦屋川の前に、そんなドキュメンタリーなことがあったんですね!いや~すばらしいです!
返信する

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