リバーリバイバル研究所

川と生き物、そして人間生活との折り合いを研究しています。サツキマス研究会・リュウキュウアユ研究会

ボラ騒ぎ ボラの大量遡上を考える

2005-07-08 12:16:59 | サツキマス研究会/長良川調査会
ボラが大量に遡上して、アユが遡上してこない。
長良川の今年のアユの不漁。その原因について考えた。

○水資源開発機構による説明
 漁協で行われた、和田元副学長(中部地方ダム・河口堰管理フォローアップ委員会委員)による説明は、2点。
・台風23号によって、アユの産卵親魚と卵が流されてしまった。
・黒潮の大蛇行により海水温が低下して、アユの成長が悪く、生残率が低かった。

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しかし、この説明については、以下のように反論したい。
 仔アユ流下、台風23号の影響は無かった。

 この図が示しているように、昨年の台風の後、仔アユは推定33億尾(水資源機構発表)流下している。過去、5年間でも、最も多かったのだ。産卵と流下については、台風23号による悪影響はみられない。



 

伊勢湾の水温は高かった。

 伊勢湾の水温は低かったのか、これには、愛知県と三重県の資料がある。
 まず、愛知県のデータ。知多半島にある漁業生産研究所は伊勢湾に面している。以下図。




 この研究所での水温変化を示すのが、次の3つのグラフ、真ん中の部分。
 平年と比べ、平成16年の冬の水温は高くなっている。



 以上の出典は次のHPです。
のり養殖情報 愛知県

 


 そして、三重県のイカナゴについてのHPから、以下の文。
イカナゴの稚魚の季節変化を述べたものだが、最後のセンテンスに

 伊勢湾の水温は平年より1~2℃高いこと
 そして、プランクトンが豊富だったことも書かれている。

 参照した三重県のHPは以下の通りです。
 三重県科学技術振興センター水産研究部 イカナゴ情報より

 伊勢湾は水温も高く、プランクトンも多かった。
そして、イカナゴの餌となるプランクトンは、
海域でのアユの餌でもあるんだ。



 平成16年、あゆの産卵は順調
 そして、海域の状況も良好だった。

 しかし、アユは帰ってこなかった。

 つづく

 ニイムラ
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