琵琶湖で行われている水草を使った土壌改善の試み。土壌肥沃度を環境DNAを使用して数値化する試み 「土壌肥沃度診断(SOFIX)」によって評価しようとしている。
土壌肥沃度診断(SOFIX)→環境DNAから総裁菌数をもとめる。無機態窒素含有量を測定して比較する。
2013 年 8 月 7 日
守山市
立命館大学
「琵琶湖の水草堆肥化事業」について
1 目的
近年、琵琶湖には多くの水草が繁殖し、水の流れを阻害するとともに汚泥の沈殿を助長
しています。現在、水草は周辺の住民やボランティアの活動によって刈り取られた後は、
捨てるか焼却するしか手立ての無い、厄介者となっています。
今回の事業は、この琵琶湖の水草を地元農産物の栽培に有効活用することによって、地
元農産物のブランド化による地域農業の活性化および琵琶湖の環境保全(水質改善)を図
ろうとするものです。
2 事業概要
琵琶湖の水草を1トン~3トン除去した後、ガラス温室で2~3ヶ月保管し、乾燥・発
酵させる。この間、立命館大学の久保幹・生命科学部教授が微生物に基づく土壌肥沃度診
断(SOFIX)技術を用いて随時、水草の成分分析・研究を行います。その後、実証のため守
山市内の圃場において水草堆肥で野菜を栽培し、味覚や反収を慣行栽培と比較します。さ
らに、今回の取組みに係るPR活動を行い、最終的には、事業報告書としてまとめます。
なお、今回の事業は、内閣府の「平成 25 年度 特定地域再生事業」の採択を受け、その
補助金を活用して実施します。
3 土壌肥沃度診断(SOFIX)と水草堆肥への応用について
立命館大学生命科学部の久保幹教授が開発した土壌肥沃度診断(SOFIX)は、DNA 量を基
に測定した土壌中の微生物量と、植物が吸収できる形に窒素、リンを変化させる土壌の力
を数値化し、土壌中の物質の分解・循環を定量的に評価することで、最適な「土づくり」
の処方箋を出すことに成功した世界で初めての手法です。
今回は、SOFIX 技術を水草堆肥に応用し、堆肥の品質を科学的に評価します。有機農法に
おいて、窒素、リン、カリウムなどの植物肥料成分は、主に堆肥によって供給されます。
農地(土壌)にどんな堆肥を与えても良い訳ではなく、有機栽培に適した栄養成分をバラ
ンス良く含む完熟した堆肥を選択・投与することが重要です。SOFIX 技術を水草堆肥に応用
することで、「有機栽培に適した堆肥中の栄養成分の量とバランス」を数値化することが
できます。最適な数値を持つ水草堆肥を作成し、その農地(土壌)に必要な量の水草堆肥
を施肥して有機栽培することにより、高品質・高収量の農産物を確実に得ることができま
す。
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