リバーリバイバル研究所

川と生き物、そして人間生活との折り合いを研究しています。サツキマス研究会・リュウキュウアユ研究会

サワガニが水位上昇を教えてくれた

2009-08-06 16:27:13 | 天気予兆 自然天気予報覚え書き
3日間は天気が良いという予報で川に来ている。

雨男という評判の高いMさんが昨晩から合流して、天気予報は今日の午後には少し、0.5mmくらいの雨が降るという予報に変わった。それでも午前中は天気が良くて川の中を歩いていても相当な暑さである。すこし、雨が降ってくれた方が涼しくなって都合が良い。昼食の後調査を始めて、空が暗くなってきたとき、少しホッとしていた。

風もなく、静かに雨が降り出した。空には雲があるものの一部には明るいところがみえていた。予報どおり、1mm弱のお湿りで雨は上がるのだろうと思った。

Mさんが、こんな事を言った。
サワガニが川から上がってくるけど なんやろ?

気が付くと、サワガニが一斉に岸辺に上がり、集団となって堤をよじ登っている。
雨はというと、霧雨よりも少し雨脚が強くなった程度、川の水量が増加するというにはほど遠い状態だ。 まてよ。

携帯電話でレーダー雨量を検索する。
すると、この付近に強い雨を示す赤い範囲が示されていた。雨雲が近づいていた。

ヤバイかも。ボクはすぐに堤を上って高い場所に移動した。雨はやや強くなってきた。残りの二人はまだ川の中。木の下で雨を避けていたが、早く川から上がるようにとボクは言った。川の流れにまだ変化は見られなかった。

車を止めた場所に歩き出すと急に雨が強くなってきた。
近くに猪よけの電磁柵の電源を置いてある東屋風の小屋があったので3人でそこに避難した。

雨は強く降ったものの10分程度で小降りとなった。
携帯のレーダー雨量をみると1時間ほどすると第二弾の雨雲が近づくようだった。
小降りとなったら、残りの作業をして、今日は早めに切り上げることにしよう。そう考えていた。

川を見たときには驚いた。
わずか10分ほどで、水量は倍以上に増えて水深にして15cmは上昇していた。そして、泥濁りである。先ほどまでの透明度は消え失せていた。

たまたま高いところにある田んぼに上りやすい場所に居たから良かったものの、川幅の狭い部分に居て、上る場所が近くになかったら恐ろし想いをしたことだろう。

作業の中止を役所に連絡すると、大雨洪水警報が出たところだったそうだ。

それにしても、不思議なのだ。

雨は本格的には降っていない。
川の水量は増えていないし、水には濁りは見られなかった。

そんな状態でサワガニが一斉に川から上がるということはどうしたことか?
いったいどんな情報をもって、彼らは川に変化が起こることを察知したのだろうと思う。

サワガニに教えてもらった。
自然の奥深さを少し見た想いがした。
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2 コメント

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う~ん (とくだ)
2009-08-08 09:38:39
真剣にサワガニを飼育したくなってくるような話です。生き物って不思議だからオモシロイよねぇ。
返信する
サワガニのいるところ (ニイムラ)
2009-08-12 12:30:10
開けた場所なら携帯電話のサイトで確認もできるかれど、山付きの狭窄部分なんかでは電波が届かない場合がある。
 山付きの狭窄部といういうのは、まさにサワガニが棲む場所だから、このサワガニ予報は使えると思います。
返信する

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