「小春日和」だった。
まさしく今日のような日のこと。
「小春日和」を検索すると
「晩秋から初冬の頃の
穏やかで暖かなお天気のこと。
春の天候ではない。」と出る。
11月半ばとしては記録的な
暖かさだ。
こたつがオブジェと化して
母89歳は裸足で過ごしている。
この頃は朝からぼ~っと眠たい
私だがダラダラ過ごすのは
もったいない。
面倒くさがる母を説得し洗髪。
伸びきった爪を切った。
幾分ええにょぼになった。
外でランチをしたらさぞ
美味しいだろうと思いつく。
カレーライスを作った。
母にはからあげ私には
卵焼きを乗せたらご馳走になった。
築山にテーブルと椅子をセット。
テーブルは実はピアノの椅子で
生前父が作った代物だ。
夏かとおもうほどの日差しで
背中が暑いくらい。
上着を脱いだ。
夏のコロナ以降、
食欲が落ちていた母だが
最近は良く食べるようになった。
ご飯がちょっと多めかなと
思ったが完食。
「美味しかったよ」と喜んだ。
午後はメルカリで買った帯を
メルカリで買った着物や
頂いた着物に乗せて悦に入る。
着付けのお稽古を再開したが
月1回ではらちがあかず。
行けない月が続いて休止中だ。
月1回のお稽古と並行して
地元で週1回のお稽古も。
3カ月の約束で今月で最後だ。
妹も参加している。
さっと自分で着てお出かけ
するのが二人の目標。
お出かけ予定はないが
中古の安い着物と帯ながら
コーディネイトするのが
目下の密かな楽しみだ。
相変わらずソファに座って
外ばかりを眺めている母。
そのまま居眠りをしている。
母には午後から美容院へ行く
と2回言った。
「どこの美容院か?」
「そこなら近いけ~ええの」
と母は2回言った。
母が起きたので聞いた。
「さて。これから私はどこへ
行くでしょう」
「仕事か?」と言う母。
「美容院。どこの美容院でしょう」
には返答なし。
「そこなら近いけ~ええの」と
3回目の感想も同じだった。
出かけようとしたら昼ごはんを
食べたかのと聞く。
「カレーを庭で食べたよ。」
と教えると流石に思い出した。
私が食事を用意しなければ
ごはんに佃煮を乗せて済ませる人。
放置していたら栄養失調に
なってしまうかもしれない。
母はコンロにかかった鍋や
冷蔵庫内を覗かないので、
何か作って母の席に置いておく。
あまったご飯をおにぎりにして
置いておくと母がおやつにするので
それはやめた。
庭でのランチを忘れたのは
自分でもおかしかったようで
ウフフと笑う。
この頃本当に忘れ方が酷くなった。
弟がどこへ行ったかというので
田んぼを耕しているのを
遠目に見える畠に連れて行った
のだが家についたらもう
忘れている。
またどこへ行ったかのと独り言。
「毎回新鮮で良いね」と妹は言うが
そのレベルを超えていると思う。
一々訂正される母もかわいそうで、
私はスルーする術も覚えた。
母は質問に正確に答えて欲しいと
思っていないかもしれない。
誰も近くに居ないのが不安で
行先や所在を確認するのだろう。
母が自分で選んだ生き方でもある。
誰しも究極にはネガイを
叶えているものだ。
常に誰かの心配をしながら
核心に迫る自分だけの問題を、
微妙に避けるのも生きる術の
ひとつだろう。
かくゆう私の脳力も母と
時々どっこいどっこいだけど。
帰宅したら珍しく母は
「ええね」「似合うよ」と
2回褒めてくれた。
美容院の会話。
お客様のおばあさんに
住まいを訪ねたら現住所ではなく
生家の住所を答えて息子さんは
小学生と答えたとか。
もちろん息子さんは大人だし
帰る頃には実年齢と現住所に
戻っていたとか(爆)
母は物忘れが酷いけれど
まだ少女に戻るまで忘れない。
「お母さんはまだましか」
と一人ごちる。
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