あめつちの詩

「あめつち」に響く歌声の持ち主「にいや」こと「新屋まり」が奮闘の日々を綴る。

母娘で日帰りツアー(後編)

2023-11-07 | 

旅に出ると母は大混乱。

なので無抵抗だ。

私が「人力車に乗ろ」と言うが

早いかお兄さんに駆け寄って

20分コースに決めた。

母の財布から6000円払った。

お兄さんが「どうぞ」とエスコート。

こわごわながら母は素直に乗った。

お兄さんは私に「姫もどうぞ」と

手を差し出してくれた。

「姫」と呼ばれた事とも相まって、

人力車は涼しくて気持ち良かった。

「姫とばあや」は高い位置から

人ごみをかき分けていく。

母は相当恥ずかしがった。

「知っとる人おらんかの」としきり。

知っている人なんているわけないが、

見られるのを恐れている(笑)

お試しコースなので移動距離は

短いが観光案内をしてもらえる。

道後温泉が他の温泉地と違うのは

湯けむりが上っていないこと。

硫黄のにおいがしない街だ。

源泉は温度差があってそのお湯を

混ぜる小さな施設を案内して

もらった。

からくり時計や古い建物、

道後温泉本館の入り口に

皇室専用があることなどを

説明してもらいながらプチ観光。

母と人力車に乗った証拠写真を

撮ってもらえたから後々、

母は折りに触れて思い出せるだろう。

バスの時間まで残り20分以内。

ぼっちゃん団子をお土産に買い、

トイレに行った。

この時点で母は「時間は大丈夫か」

と不安げ。

後10分はあった。

喉が渇いていたので飲み物を注文。

マンゴージュースの凍ったのを

待っていたが、

母は集合場所に行き

目の前に留まった他所の

観光バスに乗りそうな勢いだった。

「お母~さ~ん!

そのバスじゃないっ!」と叫ぶ。

これまで母と何度かツアーに

参加してきたが私とはぐれて

添乗員さんのすぐ後ろにピッタリ。

そこにいれば置いて行かれない(笑)

とにかく外に出ると不安に

なる人です。

天気がどうか、自分が遅れないか、

事故に巻き込まないか、

迷子にならないか、

何か忘れないか、

とられないか、トイレは大丈夫か、

騙されないかなど際限なく

心配している。

「どこへ連れて行かれるのか?」

とでも思っているらしく

どんどん表情が険しく

せっかちになる。

私もどんどんイライラモードに。

歩くのが遅いし、

母を誘ったことを忘れて、

私ひとりだったならと、

つい思ってしまう。

行く道すがら帰りのフェリーに

間に合わないと大変だと

添乗員さんもセカセカしていたが

余裕で乗れた。

フェリーに乗ると聞いて母は

「これから?」と目をぱちくり。

帰り道だというが理解できな

い様子。

最新のフェリーだから綺麗。

色々なタイプのシートがあって

屋上には芝生も。

食べ物も飲み物も充実している。

何しろ暖かくてデッキでコーヒー、

留めにノンアルビールを飲んだ。

楽しい時間だった。

夕日が素晴らしくきれいだった。

音戸大橋をくぐって宇品港に到着。

2時間40分の船旅だった。

下船前にバスに乗り込んだとたん、

トイレに行きたくなった。

お腹が痛む。

胸もムカムカしてきた。

広島駅までギリギリ我慢。

挨拶もそこそこにトイレにダッシュ。

そこからエレベーター内で移動。

込み上げて来た。

最上階に出て嘔吐(爆)

秒単位でギリギリ間に合った。

マンゴーの凍ったのと、

ホットコーヒー、ノンアルビールの

組み合わせにプリッチェルひと箱、

坊ちゃん団子1つと更に

アイス最中がひとかけ。

それらが胃の中でミックス

されて波に揺られたからか。

無事に帰ることができて

良かった。

年相応に旅は身心に負荷が掛かる

ようだ。

母が色々と心配がるのも無理は

ない。

妹宅で鍋をごちになり

朝から預かってもらった麻呂を

連れて帰る。

翌日、麻呂にも疲れが。

夕方までひたすら寝ていた。

母は案外元気で朝からデイケアへ。

フェリーが長かったと妹に報告

していた。

もう大部分を忘れてしまったかも

しれないと疑っている。

 


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