あめつちの詩

「あめつち」に響く歌声の持ち主「にいや」こと「新屋まり」が奮闘の日々を綴る。

見ず知らずのカラス

2021-07-22 | 半径30メートルの事件

一山越える通勤路を

いつものように快調に

飛ばしていたら道路脇に

座っているカラスが目に入った。

道路側を向いてきちんと

座っている。

普通は高い場所に居るもので、

怪我でもしたのだろうか

と思った。

勤務を終えて同じ地点を通ったのは

24時間後。

同じ場所に同じ姿勢で

例のカラスがまだ座っている

ではないか。

梅雨明けの晴れ間は猛烈に暑い。

日当たりがするアスファルト上に

直接座っている。

夕方には猛烈な雷雨があって

珍しくガタガタっと地震も来た。

真っ暗な夜を過ごして

今はまた猛烈に暑い。

どれほど辛く心細いだろうと

カラスの心境を思ったら

かわいそうでかわいそうで。

私はどうかしていると

思いながらも自宅に帰って

パンを持って折り返した。

子カラスだと思ったが

車から降りて近づいたら

そこそこの大きさだった。

最も我が家付近にいる

大型で黒黒と光る羽を持つ

親分のようなカラスと比べたら

小ぶりで羽に艶がなく

明らかにみすぼらしい風体だ。

身動き取れないのかと思いきや

立ち上がってチョンチョンと

はねて逃げた。

「これ食べて~。」

パンを手に低姿勢で追いかけたが

カラスは怖がって藪に

逃げ込んだ。

こんなこともあろうかと

プラスティック容器を持っていた。

その上にパンを置いて帰った。

道路上より藪の中は涼しいだろう

と自分を慰めてみたり

あたしは一体何をしているんだと

少々いらだったりもした。

翌日、カラスは居なかったが、

容器とパンが見当たらなかった。

他のカラスに食べられたかも

しれないが、

もう私の知ったことかと思った。

折しも不機嫌だった。

想えば私はいっつも!

誰かの世話をしている。

仕事もまあそんな感じだ。

一日中誰かの心配をしたり

勝手に気になっている。

私のエネルギーや時間が

静かに奪われていくのだ。

同じ道を通勤している妹は

カラスが目に入らなかった

と言う。

人間で手一杯なのに、

見ず知らずのカラスの面倒まで!

私が自虐的に言うと、

「それは知らん」

と言い捨てられたよね。

それでも気になったので

パンを持って車に乗った。

居なかった。

カラスは元の地点から

だいぶ動いていた。

羽が傷ついて飛べないのだろう。

車から降りてカラスの近くに

パンを投げて発車した。

カラスがそのパンを食べているのが

バックミラーで見えたら

ちょ~嬉しかった。

少し元気になったのだろうと

安心した。

翌日、その地点を通ると

カラスが車の目の前を

反対方向へ飛んた。

低い枝に留まった。

飛べるようになったのだ。

翌日は見えなかった。

そして今朝、

電線にポツンと留まっている

小ぶりのカラスを見つけた。

あの子に違いない。

そこそこの高さまで飛べるように

回復したらしい。

それにしてもそのカラスは

ポツンと一羽だけで居る。

群れに入らないのが気がかりだ。

人の子にも同じタイプが居て

同じレベルで気にする自分に

笑える。

 

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