川柳ひかるワールドへようこそ

面影を求めて止まぬ冬銀河 
いい朝だ父母の遺影が笑ってる
近すぎてつい優しさを置き去りに

2023年5月近詠のみ3句

2023年06月02日 | 病気の方へ
近詠 2023年5月29日(土)
優しさの無言に気付くそんな歳
シャンソン再開暗譜に四苦八苦
喜寿同期会あのマドンナはどこにいる
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2021年2月近詠のみ3句

2021年02月24日 | 病気の方へ

2021年2月21日(日)近詠

折れそうな尖った心慈雨を待つ

盃干して女房自慢のまたおじや

いつからか妻の名前にさんを付け

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お病気の方や家族、お友達へ 小西ひかる川柳集より

2018年01月24日 | 病気の方へ

 

お病気の方や家族、お友達へ 小西ひかる川柳集より

Aアルファクラブ関西通信 掲載句(平成23年8月~25年4月作)

優しい子きっと淋しさ知っている

さりげない言葉に涙する辛さ

温もりを求めて今日も人の輪に

肩書きを省いて生きる気楽さよ

立つ位置が変われば見える人の情

円満の秘訣本音を言わぬこと

ありがたい元気でそこに居るだけで 

ライバルのお陰ここまで来れたのは

ありがたい茶飲み友達いるだけで

握る手の強さに老母の思い知る

つらいから心の中は覗かない

かたくなな心を溶かす人の情

悲しみで積もった根雪まだ溶けぬ

ひとりぼち肩に手をやる友の影

近すぎてつい優しさを置きざりに

優しさに囲まれていてなお寂し

優しさについ涙する気の弱り

踏まないでそこに四つ葉のクローバー

平穏な日々手を合わす大病後

初めての小さな勇気おつかいに

どうぞには笑みを浮かべてありがとう

かたくなもやがて溶け出す優しさに

優しさに敏感になる大病後

二人して歩幅合わせる老いの道

ゆっくりと歩幅を合わす老い二人 

手術後の重湯に涙ぐむあなた

涙する心が友と友結ぶ

移り住む町で逢えそういい人に

その辛さいつか人への優しさに

また来るね布団の中の母の手に

病人の笑みに安堵の見舞客

老いるのは哀し 友だち減っていく

添い寝され病の重さ知る夫

優しいなやっぱ大病してたんや

お花見にお花見できるありがたさ

散るを知り力の限り咲く刹那

転んでも平気な顔のボク偉い

川柳は人生の友いつまでも

初対面前世もきっと深い縁

【あとがき】

平成十四年二月と二十年九月に胃癌の手術を受けました。(残胃八分の一)。平成二十一年一月から二十二年十二月までの二年間に十五回腸閉塞になりました。とても辛かったです。やるせない思いを五七五にすることを覚えました。それなりに気持ちが楽になりました。平成二十二年十二月に癒着剥離手術を受けてから腸閉塞はなくなりました。今は健康で幸せです。支えてくれた家族、友人に感謝です。スキルス性胃癌を早期に発見してくれた医師と温かく接してくれた看護師さんたちに感謝です。今後は、いただいた余生を、明るく楽しく笑顔を忘れないで生きていきたいと思っています。

平成二十六年五月 

アルファクラブ関西 会員 小西ひかる

Bその他の句

駆け上がり最上階でひとりぼち

大空へ飛んでみたいな巣箱出て

老木も生きているぞと新芽出し

五センチの段差怖くて摺り足で

大空に絵筆をふるうつばめたち

何かある急に無口になった妻

やわらかい空気が癒す患者会

淋しげな風鈴主なき書斎

唯生きて唯生きていて欲しいだけ

余命聞きかける言葉が見当たらず

がんばれよ群れに遅れて飛ぶ一羽

無理をせず静かに風の声を聴く

クリップで留めておきたい今日の幸

今がある悔し涙をバネにして

病葉をみつけて掬う優しい手

残り火をじっと見ている秋ひとり

添い寝して軽い寝息に安堵する

風を読み静かに待っている好機

輪の中へ人の優しさ恋しくて

逆縁に泣き暮らす友生きてくれ

見た目ほど楽ではないぞ立ち泳ぎ

足音が響く病院午前二時

リハビリの努力が実り富士登山

母の床窓辺に移す秋日和

いつきても泣かせてくれる母の椅子

何かあるやわらかすぎるこの空気

真っ直ぐに落ちる涙に嘘はない

風涼し誰のものでもないわたし

病んだ今病んだあなたの気持知る

散るを知り競う紅葉の艶やかさ

散り際によぎる華やかすぎた日日

あなたには淋しい人が何故分かる

救われた命今度は人助け

夫婦仲救ってくれた子の寝顔

熱くなれ二度と来ないぞこの潮

掴んだ手離さないでね辛いとき

掴まえてと君の背中に書いてある

温い手が淋しいハート鷲掴み

母を待つ外階段に秋の風

温もりの仲間が悲しみを癒す

いい顔になったな辛さ乗り越えて

枯葉散る人の命の散るごとく

生きているものみな愛し大病後

誰にでも優しくできる人らしい

焦らずに流れにまかせいい出会い

ゆっくりと歩いて気楽最後尾

手術後の重湯に涙五年前

ありがたい好きな時間に愛読書

午前二時柱時計と俺ひとり

向かい風負けはしません二人なら

幸せに暮らしているなその笑顔

寒い朝いつもの人に出会わない

見た目ほど淋しくないぞ一人酒

主役にはなれなかったがいぶし銀

七色の絵筆が走る雨上がり

老木も新芽ふくらむ春隣り

心こめ優しい言葉そっと置く

睦まじくみせておきたい妻の見栄

枯れ木にもやがて吹くだろ春の風

若過ぎて気付かなかった深い傷

馴れ初めを聞かれ若い日甦る

若い日のときめき眠れない夜も

のどかなり日がな一日孫の守り

背伸びして春はまだかと冬木立

誰にでも最初はあるさくじけるな

ついでにのひと言眠れない夜に

ついでにと言ったひと言命取り

気になるな含み笑いをする女房

深情気がつきすぎて疎まれる

欠席の君が気になる患者会

終楽章迷わずタクト振り続け

春恨む見せたかったなこの桜

花吹雪来る筈のない君を待つ

通り抜け喧噪の中春ひとり

跳び箱を一段下げて楽に生き

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