こ~んばん~わ 2023年10月30日付(10月24日発表)のオリコン週間シングルランキングで1位を獲得したのは、櫻坂46の『承認欲求』。同時に、Billboard JAPANの総合ソングチャートである「JAPAN Hot 100」でも1位を獲得しており、ストリーミングソングチャートの「Streaming Songs」でも5位と健闘するなど、CDセールスにとどまらない支持を獲得しています。 櫻坂46『承認欲求』 最近の櫻坂46は、海外でのライブの話題が多く、2023年7月にはフランスのパリ、8月にはマレーシアのクアラルンプールでのイベントに出演し、12月にはフィリピンのマニラでのイベント出演も決定しています。 「承認欲求」は、そうした海外進出の時期と呼応するかのようなサウンドです。特にイントロがほぼヒップホップのトラックであることに驚きました。2分20秒頃からラップパートも出てくるように、「承認欲求」は基本的にはヒップホップ〜EDMをベースにしたダンスミュージックであり、エレクトロに傾倒したサウンドです。3分強しかない短さも含め、海外のリスナーにも受け入れられやすいであろう音楽性の楽曲です。 坂道シリーズやAKB48グループの作品に触れるとき、個人的に避けて通りたいものと言えば秋元康の歌詞ですが、今回は正面から向き合いたいと思います。今年で65歳を迎えた秋元康はなぜアイドルの歌詞を書けるのか? シングル表題曲に関しては、何らかの同時代的なワードを掲げて、そこから歌詞を拡張しているパターンもあり(日向坂46の2021年の『君しか勝たん』はその典型例でした)、櫻坂46の「承認欲求」もその路線を踏襲しています。楽曲の序盤で、街中のメッセージの多さに〈聖徳太子か!〉と突っこんでいるところは、若者が理解できるのかと不安になる部分です。でも、水曜日のカンパネラの「聖徳太子」もあるし、分かるのでしょうか。 「承認欲求」で重要なポイントになっているのはSNSであり、〈誰も承認欲求強すぎて/そんなにも自分に自信がないのかい?〉と問いかける他者性のある部分と、〈話聞いてよ もっと頷いて/具体的に褒めて欲しい〉と吐露する当事者性のある部分が混在しているのも特徴です。自問自答と解釈するべきなのか、視点がふたつあると解釈すべきなのか? これは意図的にどちらとも取れるようにしているのではないかと感じます。〈アンチもブロックしないよ/数だけ欲しいフォロワー〉から始まるラップパートの冴え方も含め、全体的に手練れならではの技を感じます。VIDEO 櫻坂46『承認欲求』 「承認欲求」の支持のされ方を見ていて感じるのは、櫻坂46が欅坂46時代から持っているカウンター性を堅持しているということです。新型コロナが5類となった2023年、アイドルシーンには多種多様なアイドルが飛びだすのかと思いきや、現実には「かわいい女の子が、かわいい衣装を着て、かわいい楽曲を歌う」という、ある意味で保守的なアイドル像を磨きあげたアイドルが勝ち抜いています。それゆえに、乃木坂46や日向坂46との差別化という宿命を背負っている櫻坂46は、カウンター性という面では一強であるとすら感じるのです。BiSHも解散しましたし。それでいて、現在のアイドルに必須である女性人気も櫻坂46は高いように感じます。 YOASOBIの「アイドル」を筆頭として、J-POPを磨きこんだアーティストがグルーバルな人気を獲得しているのもサブスク時代ならではの現象です。「承認欲求」を聴き、同時代的なカルチャーとしてのユニークさを櫻坂46に今後も追求してほしいと感じました。★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
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