櫻坂46が10月23日にリリースする10thシングル『I want tomorrow to come』の選抜メンバーが、9月22日深夜放送の『そこ曲がったら、櫻坂?』(テレビ東京系/以下、『そこさく』)にて発表された。
櫻坂46『自業自得』
9月17日には一期生の上村莉菜と齋藤冬優花が10thシングル『I want tomorrow to come』の活動をもって卒業することを発表。今年2月には小林由依が卒業しており、一期生は小池美波ただ一人となる。グループとしては、新メンバーオーディションを経て、新たに四期生の加入も控えているタイミングで、山下瞳月が表題曲センターに選ばれた。9thシングル『自業自得』から連続でのセンター抜擢ということからも分かるように、山下は櫻坂46の顔として未来を背負っている。
この夏だけ見ても『三期生ライブ』や『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024』など、多くの場数を踏んできた山下。今回の番組でも選抜発表時のインタビューでは、「(9thシングル期間では)自分自身に一回も満足することはなかったので、前回うまくいかなかったことや自分の中で感じたことを全力で活かしたい」と力強い言葉を残していた。
今回、山下の両翼を担うメンバーは的野美青と森田ひかる。的野に関しては、8thシングル『何歳の頃に戻りたいのか?』から選抜メンバーとして経験を積み、今回満を持してフロントメンバーの一角を担うことになった。『そこさく』で行われた企画「三期生私って何キャラ?ランキング」で発表された「イケメン&イケボキャラ」に代表されるようにクールな印象があるが、『三期生ライブ』では「Don’t cut in line!」前のソロダンスにおいて、会場から女性ファンから黄色い声が飛び交うという異例の光景が広がっていた。スタイルの良さを活かしたしなやかなダンスの成長は著しく、フロントメンバーへの抜擢はまさにこれから櫻坂46の表現を担っていくメンバーであることを示している。
前作から大きく変化しているのが3列目。向井純葉、大園玲、村山美羽、中嶋優月、松田里奈、武元唯衣というラインナップの中で、特筆すべきは向井の初選抜入りと武元の選抜復帰だ。向井は9thシングル『自業自得』に収録されている三期生楽曲「引きこもる時間はない」にて、初のセンターを経験。クールなまなざしと髪を振り乱すほどの表現力からは今後の伸びしろを感じさせた。向井の成長を感じられたのはBACKSメンバー(選抜メンバー以外のメンバー)の単独ライブ『9th Single BACKS LIVE!!』でのパフォーマンスだ。中でも「美しきNervous」では、センターの向井が堂々とした煽りで会場を盛り上げている姿を見て、パフォーマンスを楽しんでいるようにも思えた。『そこさく』でも発揮しているバラエティ力、その明るいキャラクターで選抜メンバーの雰囲気すらも変えてくれそうだ。「引きこもる時間はない」でのセンター抜擢を経て、向井は新たな個性でグループを色付けてくれるだろう。
櫻坂46『油を注せ!』
また、7thシングル『承認欲求』以来となる選抜入りを果たした武元は、自らの手で掴んだチャンスだ。2024年の上半期は、武元にとって試練の時期でもあった。そんな武元にとって殻を破るきっかけとなったのが、今年5月に千葉・幕張イベントホールにて開催された『8th Single BACKS LIVE!!』である。「Overture」後にステージに登場した武元のソロパフォーマンス、センターとして2度披露した「油を注せ!」での鬼気迫る表情、そして武元がアンコールのMCで語った「私の中で『BACKS LIVE!!』というのはそれぞれが自由に、自分がやりたいようにたくさん研究して、伸び伸びとやれる場所。メンバー12人が、自分がセンターに立つ楽曲に対して熱い思いで向き合ってきた」という言葉は、この公演以降もBACKSメンバーのアイデンティティを表していた。『そこさく』で培われた天性のバラエティ力を発揮している『サクラミーツ』(テレビ朝日系)や『ゴチャ・まぜっ天国!』(MBSラジオ)での前のめりなトークなど、多方面で万能なスキルを発揮している武元の選抜復帰は素直に心強い。彼女の存在は、櫻坂46が坂道を駆け上っていくためには間違いなく必要だ。
向井と武元が選抜入りする一方で、井上梨名と村井優の2人は今回からBACKSメンバーとして活動していくことになる。村井にとって初の経験となる『10th Single BACKS LIVE!!』は、個人にとってもグループにとっても大きな成長の糧となるはず。ラストシングルでBACKSメンバーとしての活動が決まった上村と齋藤の最後の勇姿もしっかりと見届けたい。