谷口愛季、山下瞳月、清水理央、正源司陽子……選抜入りに期待したい、櫻坂46＆日向坂46の飛躍を担う新世代メンバー

こ～んばん～わ


　この1年の間に新たなメンバーを迎え入れ、変化の時を迎えている櫻坂46と日向坂46。日向坂46は昨年9月に四期生12名、櫻坂46は今年1月に三期生11名の加入を発表し、グループに新たな風が吹き込まれている。

　その中でやはり期待されるのは、新メンバーがどのタイミングで選抜入りを果たすのかというところだろう。櫻坂46「Start over!」然り、日向坂46「Am I ready?」でも新メンバーを除く全員選抜という形が取られており、新メンバーが選抜入りを果たす際には大幅なフォーメーションの変更が行われる可能性もある。櫻坂46の三期生も日向坂46の四期生も、ともにまだ加入から1年にも満たないものの、これまでステージやバラエティ番組で見せてきた個性は先輩メンバーに勝るとも劣らない魅力を放っており、すでにどのメンバーが選抜に入ってもおかしくはない状況だ。そこで今後選抜入りが期待される櫻坂46三期生、日向坂46四期生をピックアップしたい。


『BUBKA（ブブカ）2023年6月号』


谷口愛李（櫻坂46）

　まずは2005年生まれ、山口県出身の谷口愛季だ。彼女は幼稚園の頃からPerfumeや鞘師里保（元モーニング娘。）などを輩出してきたアクターズスクール広島に通っており、パフォーマンスの技術は11人の三期生の中でもひときわ抜けている。「三期生ドキュメンタリー『私たち、櫻坂46三期生です』」の中で、レッスンの様子を見に来た振付師・TAKAHIROは谷口について、「今日ここまで見ている中で、目が一番強い」「谷口の中の向こう側がある」と評しており、三期生を引っ張っている存在であるとお墨付きをもらっていた。実際に『櫻坂46三期生「おもてなし会」』で見た「夏の近道」では、櫻坂46らしい複雑で情熱的なダンスパフォーマンスの中心で堂々と踊る谷口の姿があり、全国ツアーではより一層その表現力に磨きがかかっていた。

　そんな彼女だが、冠番組『そこ曲がったら、櫻坂？』（テレビ東京系／以下、そこさく）では、ジョイマンのネタを惜しげもなく披露し、挙句の果てには韻を踏みながら「武元唯衣、痒い」と先輩いじりをしたり、SHOWROOM配信では同期メンバーのモノマネを披露したりとバラエティ適性も抜群。パフォーマンスとバラエティ両方において高いスキルが求められる櫻坂46の中で、欠かせない存在となっていきそうだ。


櫻坂46『夏の近道』


山下瞳月（櫻坂46）

　学業の都合で他のメンバーより2カ月遅れでの加入発表となった、2005年生まれ、櫻坂46初の京都府出身のメンバーが山下瞳月である。中学生の頃にはダンス部に入っていたという山下は、ドキュメンタリー内の強化合宿でダンス講師から「一番踊れてると思います」、TAKAHIROからも「どんどん曲に没頭していくことで、自分の奥底を掘っていけるタイプ」と当初から高い評価を受けていた。『おもてなし会』では「五月雨よ」のセンターを務め、透明感のある歌声としなやかなダンスで魅了。初めてのセンター曲となった三期生曲「静寂の暴力」では、要所要所で見せる切ない表情とキレキレのダンスでセンターとしての貫禄を見せつけた。三期生にはパフォーマンスの解像度が高いメンバーが当然のように揃っているが、その中でも山下は楽曲の世界観を表現する能力に長けているように感じる。

　また、『そこさく』の「三期生 運動能力チェック！」では、ブリッジができなかったり、走り高跳びに挑戦した際には棒の目の前で立ち止まってジャンプをしてしまったりと、意外と運動音痴な一面も垣間見えた。パフォーマンスとバラエティの両面での伸びしろに期待できる。


櫻坂46『静寂の暴力』


村井優（櫻坂46）

　同じく2カ月遅れでの加入発表となった、2004年生まれ、東京都出身の村井優。彼女の魅力はやはりなんと言ってもダンススキルの高さだ。小学生の頃からバレエ、中学3年生になると本格的にダンスを始め、現在ではロックダンスやヒップホップなど様々なダンスを披露することができるという。ドキュメンタリー映像ではレッスン講師から「アイドルとダンサーの区別をしっかり考えてほしい」と指摘を受けながらも、徐々に自分と向き合うことで、最終的にはTAKAHIROから「すごい技術を持っている」と太鼓判を押された。

　『おもてなし会』で披露した「Nobody's fault」でセンターに立った村井は、これまでの上手いだけのダンスから脱却し、アイドルとして“魅せる”パフォーマンスへと進化していたのが印象的だった。同ライブを振り返って村井は「歌詞の意味を研究して、表情にこだわって、自分なりに試行錯誤してパフォーマンスしました」（※1）と語っており、TAKAHIROの言う通り自分を高めることに成功した。櫻坂46に求められる見る者を魅了するパフォーマンスの素質を活かして選抜入りを果たせれば、村井がグループ全体のパフォーマンスの底上げに貢献していくことは間違いない。


櫻坂46 三期生 Vlog「村井 優」


清水理央（日向坂46）

　日向坂46の四期生を代表する存在として真っ先に挙げられるのは清水理央だろう。2022年9月から公式YouTubeチャンネルで公開されたプロフィール動画ではトップバッターを飾り、四期生曲「ブルーベリー＆ラズベリー」ではセンターも経験。『日向坂46 四期生「おもてなし会」』でのMCをはじめ、四期生を牽引する立場として先頭をひた走ってきた。そんな清水には、中学2年生の時に劇団、高校時代にチアダンス部に所属した経験があり、ずば抜けた運動神経とパフォーマーとしての資質が備わっている。同期メンバーの岸帆夏は「私がダンスできない時はいつも、理央が『大丈夫？』って声を掛けてくれて。一緒に踊ってもくれるから、すごくありがたい」（※2）と明かしており、四期生をダンス面で引っ張るチームリーダーとして欠かせない存在だと言えるだろう。

　すでにアイドルとして完成されている印象も強いが、冠番組『日向坂で会いましょう』（テレビ東京系／以下、ひなあい）で見せるバラエティ力やステージ上でのパフォーマンスなど、まだまだ伸びしろも感じさせる部分も多い。とはいえ、歌声、ダンス、トークの三拍子を高いレベルでこなせる清水は、今すぐにどのポジションでも活躍できるはずだ。


日向坂46『ブルーベリー＆ラズベリー』


正源司陽子（日向坂46）

　四期生曲「シーラカンス」でセンターを務めている正源司陽子は、『NHK高校講座 情報I』にレギュラー出演を果たしたり、『アップトゥボーイ』vol.328では単独表紙を務めたりと、今年に入ってからは個人活動も目覚ましい。

　フルートや空手を披露し、加入当初からユニークな個性が際立っていた正源司だが、『おもてなし会』で「ドレミソラシド」のセンターを務めた際には日向坂46らしい笑顔弾けるパフォーマンスで会場を魅了した。日向坂46は総合芸術としてのパフォーマンス力を前提に、よりファンに笑顔を届けることが求められる。その点において正源司は宮地すみれから「無邪気でおてんばな子です」（※3）と評されるなど、天性の明るさが備わっている。

　そんな陽気なキャラクターの正源司だが、筆者が感銘を受けたのは日向坂46に対する強い思いだ。それを感じたのは『おもてなし会』でのスピーチ。正源司は「選択の連続で悩んでいる方の隣にいられるようなアイドルになりたい」と力強い眼差しで一つひとつの言葉を噛みしめるように語っていた。正源司が目指す“誰かに寄り添えるアイドル”。それは日向坂46らしさにも共通するのではないだろうか。いつか正源司のフレッシュな笑顔を選抜で見られることに期待したい。


日向坂46『シーラカンス』


藤嶌果歩（日向坂46）

　日向坂46初の北海道出身として期待のかかる藤嶌果歩。まず、ドキュメンタリーの時点で印象的だったのは笑顔だ。本人も「キラキラした笑顔いっぱいの明るいアイドルになりたい」と意気込んでおり、日向坂46のモットーである“ハッピーオーラ”を強く継承するメンバーである。

　そんな藤嶌が特技として各所で披露しているのが、書道や絵を描くこと。『ひなあい』で行われた自己紹介では、東京に来て初めて覚えた駅名を迫力のある筆力で描いてみせ、「新入生も入ってきたし、学力テストでもやっておこう！」の企画では放送ギリギリのイラストを披露しスタジオを騒然とさせた。可愛らしさだけではなく、天然な一面も持ち合わせているのが魅力である。

　7月26日リリースの10thシングルに収録される四期生曲「見たことない魔物」でセンターに抜擢された藤嶌だが、『おもてなし会』では「キュン」でセンターを務め、日向坂46屈指のキュートな楽曲の世界観を、持ち前の明るさと笑顔で体現していたのが印象的だった。藤嶌に期待されるのは、個性豊かな日向坂46にあって、ストレートに王道を突き進むアイドルだ。藤嶌が持つ天性の愛らしさは彼女にしかない唯一無二の個性である。「キュン」や「アザトカワイイ」のような方向性のシングル曲で、藤嶌がセンターとして輝く姿が見てみたい。


日向坂46 藤嶌果歩『羊たちは夢を語る』

※1：『BUBKA』2023年6月号
※2：『B.L.T.』2023年2月号
※3：『日向坂になりましょう』（Lemino）#4

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