S家の別宅

夫婦ふたりきりになりました。ふたりの生活をこれから楽しみたいなと思います。

「それでもボクはストーカーなんかじゃない!」その4

2008-03-15 16:35:45 | Weblog
土井さんがスペースシャトルで宇宙からの声。

人類が宇宙ステーションを造っている21世紀の現代にも、地球という小さな星のたくさんの国のなかでいろんな不合理なことが起き、また戦争や内紛、そして政治、思想そういうことからも、虐げられている人たちは、いつの時代も変わらずにいる。

きょうの新聞でも治安維持法で苦しめられた遺族の方たちに、最高裁は「無罪」という判決ではなく、もう済んだこととして処理した。
誰が作った法なのか?それは国がつくった法律ではないか。

そのあやまちをきちんと見つめて未来に向かっていかなければ何も昔と変わらない国のままだ。


息子は相手の証人尋問が済んで、3月3日に被告人尋問を初めてした。
裁判を傍聴してくれたわたしの姉も「いったい何の裁判なのかさっぱりわからないよ、ばからしい」と言っていました。

確かになんだかばかみたいな裁判をしかめ面してしているわけで・・・・ある意味漫画の世界みたいです。

裁判を担当の刑事はいつも傍聴にきていますが、わたしもお父さんも長女も見てみぬふりをしています。
目が合ったら火花が散りそうだし・・・・


息子は一気にしゃべりまくりました。ずっとたまっていたたくさんの思いが山のようにあったんだろうと思います。
しゃべりすぎて時間がなくなり、検察の尋問は3月10日にまたありました。

検察も裁判官も最初からもう犯罪者と見ているような質問に愕然としました。

日本の裁判の有罪率が99.9%になる理由がよくわかりました。
法に触れているのを立証するために言葉のあげあしをとるように執拗に聞いてきます。法に触れていることだけを何が何でも立証させようというのがよーくわかります。
息子が心の中で怒り、おとなしくしていられないのもすごくわかります。


5回目の公判は4月の終わりにあります。

無罪を地裁で勝ち取るのは、鼻から入れる胃カメラを毛穴から通すぐらい確立が低いです。(たとえが悪い・・・)


わたしは、息子のような思いをする人がまた出てきては絶対にいけないと思います。植草さんの本のなかにもあったけれど、普通に暮らしている人間がある日突然刑事事件の犯人になってしまうこの国は間違っているし、治安維持法の頃と何も変わってはいないと思います。

わたしたち家族はまだこの先、闘いは続きますが、これを読んでくださった方々はどう思われたでしょうか?



だけど、息子は留置場や拘置所のなかでも、同じ部屋の人、看守さんたち、拘置所の職員の人とも話ができ、たくさんの本を読み、新聞も隅から隅まで読み、今まで何気なく暮らしていた日常からいきなり自由のない生活を経験し、それなりに、少し成長した?かもしれません。

お父さんは「おまえはお金出しても経験できないような経験をしたんだから、それを自分のこれからに活かせ」とまたまた学生運動のリーダーの父みたいなことを言ってます。

わたしたち家族はきっとこれから人を偏見の目では絶対見ない人間になると思います。それはある意味、警察や、検察や、裁判官より人間としてしあわせな生き方かもしれません。


ここでひとまず悪夢のことは大体書きました。

また心機一転です。
きょうはぽかぽかお天気で、あたたかい日。

有罪になろうが、無罪になろうが、これからも前を向いて生きていかなきゃいけないんだから・・・
これは最近の息子の言葉です。
わたしもそう思います。

1月に亡くなった義父は、「悪いことばかりが続くわけはないし、いいことばかり続くわけもない」と手紙で言ってました。
でも死を前にしたじいちゃんは、死というものしか目の前になかったのに、こういうふうに言えることはほんとうにすごいな、と思います。



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