S家の別宅

夫婦ふたりきりになりました。ふたりの生活をこれから楽しみたいなと思います。

闇の中のことばたち。

2010-10-09 15:48:36 | Weblog
中国の、劉暁波氏がノーベル平和賞の受賞が決まって、中国はそれを苦々しく思っているんだけれど、北風と太陽みたいな話で、いくらビュービューと北風が吹きまくっても、旅人のコートを脱がすことはできない。

中国はこれからどんな歴史を積み重ねていくのだろう・・・・




夜眠れないということはほとんどない、でもきのう真夜中に眼が覚めたらすっかり眠れなくなってしまって、真夜中に起きだして、読みかけの本を読んでいいた。
こだまも最近は朝まで眠っている。(こだまも時間割がすっかり冬に向かっている)

胸騒ぎのように、なにかぼやけた霞のような不安が頭の中にいっぱいになって、眠ることができなくなった。

読みかけの本は真夜中の闇や静寂のなかで、ぼうっと浮かび上がるように頭のなかに入ってくる。

けれど、不思議なことに身体は「言葉」というものからもっとも遠い、何万光年も遠いところに浮遊しているような気がした。

外には闇の中に音をたてて風が吹いている。

窓の外にぶら下げた「虫コナーズ」が窓ガラスをコンコンとたたいていて・・・・

ああ、夏のまま忘れ去られたものたちは、この世界になんてたくさんあるのだろう、それは光のなかでは沈んで忘れ去られたままなのに、真夜中の闇のなかでは、真っ先にわたしに語りかけてくるものとしてある。
それが不思議な気がした。


言葉の本質とはもしかしてこういうものなのかもしれないと思った。

新聞やテレビで発せられる言葉は、マックやケンタッキーのように同じ味がして、どこでも手軽に手に入るし、カロリーもそれなりにある。でもたぶん闇の中では消滅する言葉だ。

闇の中に浮かび上がってくる忘れ去られたものたちの言葉の強さを感じた。
霊気のようにピリピリとそういう気配を感じながら、朝まで本を読んでいた。


こだまが背伸びをして起き上がった薄暗い曇り空の朝がきた。

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