一昨日、デヴィット・リンチの訃報に関する記事を眼にした。
デヴィット・リンチは「ツイン・ピークス」や「マルホランド・ドライブ」で有名な監督だ。
リンチ作品は、レンタルDVD文化がなくなりつつある事もありまだ鑑賞できていないものもあるのだがツイン・ピークスは一番最初に私が眼にした作品だ。
ローラ・パーマーという田舎で一番の完璧なバービー人形のような少女の死の謎とチェリー・パイ、そして赤い部屋と謎の男ボブ。
ストーリーは難解そうだがリンチ自身は「自分の作品は難解でもない」と語っている。
確かに、ツイン・ピークスの映画を見ればTVシリーズのストーリーもローラは実父から性的虐待を受けていてその傷から非行に走り、ローラが母親に告げ口すると思った父のリーランドが娘を殺してしまいローラの魂は地獄に堕ちた、そういうストーリーなのだ。
マルホランド・ドライブは華やかなハリウッド・ドリームに夢破れた女優が別人格を作り出し、現実に戻った彼女は耐えきれず、死を選んだ。
こう解釈すると非常に簡単だ。
リンチは「ストレイト・ストーリー」のような兄弟に会いに行くために年老いた男が芝刈り機に乗って旅をするという愛と優しさに満ちあふれた実話を元にした作品も制作している。
この映画は特別な装置もなければ、派手な演出もないのだけれど、「病気の兄弟に会いたい」というヘッセの「賢者の贈り者」のような純朴な優しさで満ちている。
延々と連なるトウモロコシ畑が美しい印象を覚えている。
リンチは「イレイザー・ヘッド」のようなカルト作品も世に送り出した。
カート・コベインも大好きだった映画監督、デヴィット・リンチ。
あなたに、最大の敬意と愛を示します。
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