歌うサラリーマン(ボイストレーニング)

歌は、楽しいもの。うまく歌えたらもっと楽しい。そんなちょっとしたお手伝いのページ。(完全に「今日の街ネタ」化してるけど)

言い出した人は偉い

2004年11月26日 10時56分12秒 | Weblog
昔からある商売の中で何気なく言われ続けていることには、とてつもない真理を感じる。いや、別に何か特別なものを見たとか、そういうことではない。広告屋さんの決め台詞は「コミュニケーション」であるが、今日は、その真意を垣間見た気になってみた。まあ、そういう関係の世界に身を置いているのだが、「消費する」という観点から自分のキモチを逆算していったら、なんと「コミュニケーション」に辿り着いたのだ。
「風が吹いたら桶屋が儲かる」ということわざがある。風が吹いたら砂が舞い、舞った砂が目に入り失明する人が増え(!)、失明した人は三味線弾きで暮らさざるを得ず(昔はそうだったんだろーなー)、三味線の「原料」である猫が減り、猫が減るとネズミが増え、増えたネズミが桶をかじり、かじられた桶は使い物にならなくなり、仕方がないから新しい桶を買う・・・という壮大なストーリーだ。ことわざが言いたいのは「思わぬことが起こるもんだ」ということなので、少々意味は違うのだが、とにかくこの四段・五段の論法によって、僕は「コミュニケーション」に辿り着いた、と言いたいのだ。わけが分からない商品やサービスにはお金を払う気にならない。ってことは、「わけが分かって」もらえればいい。売る人が生産者あるいは直接のサービス提供者であれば、なんてことはない。ただ、この世の中、そんなものはほとんど存在しないわけで、大抵の場合、人の手を四段・五段と経由して消費者の前にその姿を現すのだ。この四段・五段が「風が吹いたら~」を思い出させた、ということである。
さて、それでは消費からコミュニケーションまでの道のりを見ていくことにしよう。買うためには、その商品なりサービスがどんなものであるのか、具体的に理解する必要がある。例えばカメラ。僕なんかだと、多分大手家電屋さんに行くことだろう。店員に詳細を聞いてみる。大概の場合、当り障りのないことを言って、どのメーカーの商品もすばらしい、という結論に至るのであろう。そうして結局は消費者に責任をなすりつけるわけだが、これでは僕の願いが叶わない可能性が高い。これを解決するには、販売員がもっと商品のことを理解し、消費者のリクエストに対し、できるだけミスマッチのない商品を「提案」する必要がある。そのためには販売員教育というのが必要になるのだが、これを販売店が独自にやっていては意味がない。販売店の営業戦略というフィルターがかかるからだ。メーカーの人でもいいけど、できれば販売店にもメーカーにも利害がなく、商売色が濃いプロでもない誰か―――趣味人の集まりみたいなもんかなぁ―――が、どんな使い方ができるか、なんてことを話してくれるのが一番ありがたい。というか、それができれば販売員はいらないのだが、現実問題としてそうもいかないので、この限りなく「素人」に近い販売員が、その役割を担ってくれればいいのだ。広告よりも、パブリシティ(記事)の方が消費者心理に訴えかけてくるのは、第三者が客観的な視点で語りかけるから。それと同じ。この趣味人たちにはメーカーが使い方や特徴などを詳しく説明し、それを咀嚼して販売員に語りかけてもらう。販売員はそれを間違えずに僕らに伝える。ここには一貫して「コミュニケーション」が存在する。生産者の純粋な意図が、できるだけ分かりやすく、尚且つ捻じ曲げられないで、いかに消費者の前まで辿り着けるか。そういうことなのである。
風が吹いたら桶屋が儲かる―――ここにこんなことを書き込んだことで、僕の人生が思いもよらぬところへ引っ張っていかれたりしたら、それもまた面白いかもしれない。