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「復活の日」 1980年 日本
監督 深作欣二
出演 草刈正雄 オリビア・ハッセー
めらめら度★★★★☆
1964年に発表された小松左京の小説の映画化。俺が原作本を読んだのは、3年ぐらい前になるかな。40年前の作品とは思えない壮大な物語は圧涛Iで、なんて凄い小説なんだろうかと感動した。
ウイルスによる人類滅亡というテーマは、むしろ今の時代の方がリアリティーがあり、少しも古さを感じさせないどころか、新しくさえ感じた。その後、映像化されていることを知り、いつか観てみたいと思っていたら、先日、地上波の深夜に放送していたので録画した。
米ソ冷戦の時代。アメリカ軍部が極秘に開発した細菌兵器ウイルスが盗まれ、ウイルスが世界中に広まってしまった。ウイルスはインフルエンザに似た症状ながら、インフルエンザをはるかに越える毒性で地球上の生物を死滅させていく。唯一、ウイルスが活動できない零度下の地、南極の各国観測隊員数百人が、残された人類となった。果たして、人類は復活することが出来るのか…。
こんな、壮大な物語を二時間ちょいの映像で表現できるわけがない。できるわけないことを、まぁよくここまでやったと感心する映画だ。原作を知らずに、映画単品を評価すると、さほど高評価を得ないのかも知れないが、映像化の困難さを察して観ると、よくもココまでやったと拍手を送りたくなる。地上波の深夜に放送するにはもったいない…。
日本映画で、主役が日本人なのに、ワールドワイドな物語なので、キャストの半分以上は外人で、セリフのほとんどは英語で字幕という、変わった日本映画だ。1980年で制作費22億円というから、日本映画史のなかでも超大作といえるだろう。南極、ホワイトハウス、潜水艦、核ミサイル、崩壊した世界…と金のかかる映像は1980年の映像としては良く出来ている。今の技術で、ハリウッドでリメイクしたら面白そうだけど…やっぱ、難しいかな。
小松左京作品は面白いけど難しい。小松左京作品の中でも、「復活の日」に並ぶヒット作「日本沈没」が来年あたりに劇場公開するらしいので、近々読んでみたいが、分厚い上下巻なんだよな…。面白いのだろうけど、しんどい…(笑)。
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