ホンダ ジー・ダッシュ
今から丁度20年前、原付スクーターはメットインが当たり前の流れの中、敢えて駆しりに特化した作りで世に送り出されたスクーターです。当時はスクーターレースも盛んでしたよね。
軽量なボディーに6.8PSのエンジンで、脱兎の如きダッシュをみせるジー・ダッシュ。各部の作り込みも手が込んでいて、当時はどんなバイクにも熱い思いが注がれていた事がわかりますねぇ。
伸びなくなった最高速を復活させて欲しいとの依頼で預かったんですが走行距離2000km、ピッカピカの車両です。よく見るとホイールはZXのキャスト・ホイールを移植という定番のチューンが成されているんですが、本来ゴールドのそれを敢えてシルバーに塗り替えてます。それに合わせてクランクケースもシルバーのメッキに。自然で大人しい感じがさり気なく素敵なチューンです。
原付の最高速は、扱ったスクーターの経験から 概ね5,6千kmも走ればベルトが削れ5km/h程度は落ちるもの。そう進言したら替えてくれとの事だったんですが、話を聞くと今でも60km/hをオーバーするとの事。だったら弄ること無いでしょうと言ったんですが、元々はもっと針は振り切ったそうです。
しかも既にベルトはデイトナの物に替えていて、そこから走行は千kmにも満たないということ。じゃあ尚更駆動系弄る必要ないじゃないですか。
で、エンジンを掛けてみると「なんだかマフラー詰まってる?」 マフラー詰まりは同系のエンジン&マフラーのAF-28で経験したばかり。おまけに今現在も元気なAF-27が手元におわします。そこから考えても、これは明らかに詰まってますよ。で、早速テスト試乗してGo!
とにかく駆しると噂のバイク。乗る前からいきなりウイリーするのが怖いとほざいておりましたが「下は滑らかで上が伸びるハイギヤード」って特性を聞かされました。それでもおっかなびっくり走り出したんですが、全く持ってスムースに走り出します。そして50km,60km・・・いや~スピードメーターの針が淀みなく回っていきます。それよりも驚かされるのは小さい車体なのに怖さが全然無い事。50km/h台が無理なく巡航速度になるくらい。決して狭くない駐車場でも直ぐはじっこまで来ちゃいます。
思うに、ショートホイールベースが高い剛性を生み出してるんでしょうね。派手さはない足回りですが、充分に役目を果たしています。これはオーナーが「一生手元に残したい」って思うのが分かるわぁ。速さよりもこの乗り心地とか、走行性の完成度に感嘆しました。
とはいえ、これだけで語り継がれ乗り継がれるとは思えない。駆しりはこんなもんじゃないんでしょう? と思えます。最高速こそは凄いけど、かっ飛びというよりはスムースな加速感でめちゃくちゃ乗りやすいんです。慣れてくると上の方だけじゃなく下の方もエンジンの伸びが鈍く感じる。これはうちにあるAF-27より40km/hまでの発進加速は遅いんじゃないか?
ということで次回、メンテナンスに取りかかります。
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