私の大好きな上司が話してくれたお話です。
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先生の自宅は病院のすぐ近くにあり、このため夜中によくたたき起こされる。看護師からの緊急電話だ。
「先生、患者の様子が‥」
看護師からの連絡は季節が真冬だろうが、時刻が真夜中だろうが先生は飛んで行く。
病室に入ると、こちらの心配をよそに患者はケロッとしていることがある。傍らで、看護師が身を縮めて、必死に目で謝っている。
誰でも、文句のひとつでも言いたいところだが、先生は決して叱らない。逆に
「よかった。よかった」
を繰り返しながらニコニコして帰る。
「看護師さんに優しいですね」
と尋ねたら先生はそれは違うと打ち消された。
もし私が、ここで嫌な顔をしたらどうなるかのか。看護師は次の緊急時に私を呼ぶのをためらうに違いない。
この一瞬の遅れが患者の命取りになる。
だから、むしろ看護師を慰めて帰るのだよ。
というお話し。
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先生は過去に看護師へ今回の事と逆のことをしたのかも知れませんね。
ひょっとしたら命取りになることにつながった経験があるのかも知れません。
過去の苦い経験が自分を改め、看護師さんに優しい気持ちで接してあげられる人間に成長させたくれたきっかけになったのかも知れません。
今回の経験を通して教えられた看護師はきっと後輩を同じように受け止め、支えることでしょう。そして患者さんも安心して療養出来るのだろうと思います。
失敗という経験はそのままにしておいたら失敗で終わってしまいますが、気付きと次に同じ状況がきた時に改善した対応が出来た時に失敗ではなく経験へと変化します。
幸せのリズムはこのように広がっていくのでしょうね。
成功になるまで改善を繰り返していたらこの世に失敗という言葉がなくなるのではないでしょうか。
言葉は使い方次第で人の成長を止めることも成長を促していくことも出来るものです。
みなさまの中に失敗という表現が消えて成功の通過点と捉えられていきますように。