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ラピュタ阿佐ヶ谷『武満徹の映画音楽』より『燃えつきた地図』

2009-09-09 23:35:29 | シネマる(劇場編)
9/8の記事『乾いた花』の続きです。

同じく9/4に『燃えつきた地図』を観ました。
平日なのに、結構混んでました。48席中、8~9割は入っていたような。

DVD単品販売は、今のところ出ていないようです。
↓の勅使河原宏監督作品5本集めたDVD-BOXに入っています。
っていうか、『燃えつきた地図』は、このDVD-BOXで初めてソフト化されたようです。
DVDはおろか、ビデオ化もLD化もされておらず、これまで幻の映画だったらしい。
しかも、このDVD-BOX現在在庫なし。廃盤ってこと?
●勅使河原宏の世界 DVDコレクション

パイオニアLDC

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1968年のカラー作品(勝プロダクション)
監督:勅使河原宏
原作・脚本:安部公房
出演:勝新太郎、市原悦子、大川修、渥美清、信欣三、吉田日出子、小笠原章二郎、渚まゆみ、中村玉緒、笠原玲子、土方弘、小松方正

オープニングのタイトルバックは、何かと思ったら、地図。
等高線の間がカラフルに色づけられていて、それら地図が燃えつきる映像。スタイリッシュ。
物語は、失踪した夫の行方調査を興信所に依頼する依頼書の読み上げから始まります。
探偵は勝新太郎。依頼者は市原悦子。
失踪の原因は何か?
探偵が失踪者の残したヒントから足跡をたどるあたりは、サスペンスドラマ風なドキドキわくわく感あります。
、、、が、どこか変。安部公房ですもん。
いえ、まともに読んだことないんですが^^;
(大昔、短編集は読んだなー。高校の現国の新任の若い先生が、安部公房を尊敬していらっしゃいました。「奥の細道、あんなもん旅行すれば誰にでも書けます」と呟いていた先生。「おいおい…」とツッコミ入れたくなりましたよ。
最初の中間テストは、横書きガリ版。さすがに他の国語の先生に注意されたのか、期末からは縦書きでしたけど^^)

スミマセン;脱線話を元に戻して…。
ただの2時間サスペンスドラマにならない安部公房の原作。
シュールレアリスムが入り込みます。

監督は、草月流華道家元を父に持つ勅使河原宏氏。
この後1980年に第3代家元を継がれました。
実はちょうどその頃、私は草月流習ってましたので、会報や展示会で家元作品拝見したことあります。
ダイナミックで潔く大胆。いけばなに収まらないスケールの芸術と思いました。
習い始めの素人ながら「草月流って変わってるなぁ」と思ってましたよ^^;
そっか、家元になる前は映画監督だったんですね。

そして又、音楽を担当するのが現代音楽家、武満徹氏。
『燃えつきた地図』ではヴィヴァルディのバイオリン協奏曲を編曲。

この原作・監督・音楽の組み合わせは、他にもあります。
『おとし穴』『砂の女』『他人の顔』
ラピュタでも上映していたのに見逃したわ観たいな~。

見どころをちょこっとメモ。
勝新が駄目っぽい探偵を演じていて、訳も分からず都会の迷路に巻き込まれていくさま。調査そのものが迷路。おぼろげな地図を頼りに解明しようとしますが、調査の必要がなくなっても調査から逃れられない。
市原悦子が日常の代表である団地妻でありながら、得体の知れなさを内包している女性に見えてくる。
渥美清も何やら、不思議な役どころ。
失踪者と同じ会社に勤める部下なんですが、秘密があるのかないのか微妙で分からない。
途中、何人かが死んじゃったり襲われたり、ある秘密が出てきたり。サスペンス風で飽きないです。
又、さっきも申し上げたように、それだけで終わらない、文芸映画としての面白さ。

●砂の女 特別版 [DVD]

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※↑これも面白そうですね。

●燃えつきた地図 (新潮文庫)
安部 公房
新潮社

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※原作読みたくなって、図書館で借りてきました。図書館には文庫本はなく、昭和42年発行の新潮社発行のハードカバー本しかありませんでしたが…。コンジョ無しの私にも読めるかな^^?

燃えつきた地図(1968) - goo 映画

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