シネマるマンガぁ?byちゃとと

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最近観たドラマ『センセイの鞄』ちょいネタばれ

2007-07-23 23:00:08 | シネマる(ビデオ・TV編)
●センセイの鞄

ビクターエンタテインメント

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監督・演出:久世光彦
原作:川上弘美
脚本:筒井ともみ
音楽:都倉俊一
出演:小泉今日子/柄本明/豊原功補/モト冬樹/木内みどり/竹中直人/樹木希林/加藤治子

※このDVD、映画でなく、WOWWOWで放送されたドラマだったんですね。
すみません。原作読んでおりません;
川上弘美先生、若い女性に人気のある少しエロチックな恋愛小説を書かれる方…というイメージがあるのですが…間違っていたらごめんなさい;
でも、この物語はエロチックじゃありませんね。
男として枯れてる(?)70代のセンセイと、繁殖期の生々しさを越えた40歳手前のツキコさんとの恋愛物語。
キョン2は最高にカワイイ女性なので、「40歳手前の…」と、くくってしまうには大変無理がありますが^^;
何だろう?大好きな大島弓子先生の漫画のようだ…と思いました。
…淡々と…現実感なく…アワアワと…しかし、その淡白なメルヘンに引き込まれます。

「ツキコさん、ワタクシは…」「はい、センセイ」と、お互いに敬語を使い続ける距離感。
待ち合わせをするでもなく、行きつけの居酒屋へ行くと会える…。
酒の肴として注文する物は好みが同じ。
初恋のような、そのウキウキ感。
ある程度大人の女性が、どうして30歳も歳上の男性に惹かれるのでしょう。
いつも姿勢よく、きちんと上着を着、鞄を携え、お酒を飲んでも乱れないセンセイ。
元同級生の男性と付き合ったほうが、泣いたり笑ったり、よっぽどリアルな人生を送れそうなのに、そうはしない月子。
30代後半というのは、微妙な年齢なのかもしれません。
別に独身主義を通そうとしたわけでもないのに、いつの間にか時が過ぎ、若くはない歳になってしまった。
もう一生結婚しないかもしれない。
こちらに向けられる同世代の男性の視線。
それよりも、歳の離れた男性のほうが安心して一緒にいられる。うーん、ちょい以前の私のようだ…^^;

男性は40代になると、一気に男性ホルモンであるテストステロンの分泌が減るそうです。
しかし、それが逆にモテ期に入る序章だという説を聞いたことがあります。
今までのギラギラとした雰囲気がなくなり、経験から来る人生の深みに裏打ちされた会話。
消化し終えたような、こなれた会話こそ、一歩踏み出せない女性にとって、最高の、最良の宝物だと思うのですが…ちゃいます?
40~50代の男性の皆様、モテ期なんですよー♪
実は私、同世代である40代男性の知人に独身の方が多いんですよねぇ。リアルでも、ネットでも。
そして、皆さん、魅力的であります!
一度、リアル友に上記の話をして、「今からがモテ期なんですよ。幸せな報告待ってます」と言ったことがあります。きゃは!

お話が随分それました^^;元に戻しましょ…。
ともかく、この歳の差カップルの恋愛は足を宙に浮かせたように続き、トートツに、センセイのお葬式のシーンになります。
途中、何の説明もなく、センセイの死を予感させるものの描写もなく、なんで亡くなったのかさえ分からない。
死に至る生きざま(死にざま)は生々しいものです。
しかし、いったん死に至ってしまうと、それは、フワフワとアワアワと、手に取ることができないイメージになります。経験上、そう言い切ってしまいます^^!
今まであった存在は不在になります。
不在は「無」という存在なんですね。

【以下引用】

 ツキコさんの手元にはセンセイのいつも持ち歩いていた鞄が、唯一の形見として残される。
「センセイの鞄を開けて、中を覗いてみる。鞄の中には、からっぽの、何もない空間が、広がっている。ただ儚々(ぼうぼう)とした空間ばかりが、広がっているのである」

【引用終わり】

 

 

●センセイの鞄
川上 弘美
平凡社

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【参考リンク】松岡正剛の千夜千冊『センセイの鞄』川上弘美
↑松岡センセイが某ツキコ嬢と落語的会話をするという反則技にて紹介されています。
「小説を書くように感想を述べる」のは、チの目指すところでもありますが、チの場合、大概は独り言、嘆息に終わります…ふぅ…。


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4 コメント

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気になる (ラッコ庵)
2007-07-27 07:46:45
川上弘美、気になる。
読めばいいんだけどね。うん、読んでみます。夏休みの読書。

大島弓子さんの昔のマンガで「一気に70歳になってしまいたい」と願う少女のお話を思い出しました。
なんだっけ?
その気持ちがわかる!と思ったので覚えているのですが、今はいやだなあ、さすがに^^;。
返信する
私も読んだことないです; (ラッコ庵様←ち)
2007-07-28 01:20:49
偉い!尊敬しますー。夏読されますか?
読まれたら、是非ブログで感想お聞かせくださいね。
川上作品は、松岡氏の仰る「叙述の消去」というのが当たってそうですね。すべて説明せず、襞のみを書く。
>僅かなオブジェをちょっとずつ差し挟んで叙述
…というのも、少女漫画的というか、大島弓子的というか…。

>「一気に70歳になってしまいたい」
なんか、ありましたね。あ~、あ~、何でしたっけ?
どなたか教えてくださらないかしら^^?


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たしかに! (NAL)
2009-07-22 22:19:10
ぴったりの2人ですね。
本は何度か読み直してますが(味わい深いのです)
いまやきょんきょんと柄本氏でしか再生できません;
竹中直人/樹木希林も気になるなぁ。

モテ期、納得。
消化し終えたような、こなれた会話、超納得。
いやレビューを拝見して、かなり原作に忠実なにおいを感じました、見なくちゃ、ですねー。

川上作品、私の読んだ中では、
ばなな女史の作品を煮詰めてどろどろさせた感じかな、と。
漫画だと大島弓子×内田春菊な感じだと思うのですが、いかがなものでしょか?

松岡センセイ、やられました!オオウケですー
教えてくださってありがとう!
返信する
2年前なのでと言い訳^^; (NAL様←ち)
2009-07-23 08:49:39
竹中直人/樹木希林が、どんな役だったか全く覚えてません!(木内みどり辺りまでは覚えてるんで、カメオ出演くらいだったかも^^;)

バナナのドロ煮!
うわ~スミマセン;想像してしまった。
大島弓子×内田春菊は想像しやすいですー^^

松岡センセイ、ウケタ^^?
ケレンとテライが見えますよね。
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