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『ゆれる』2006.9・20鑑賞
8月に新宿武蔵野館では大入りだった『ゆれる』が、近くのシネコンで2週間だけ上映していましたので、観に行ってきました。
原案・脚本・監督:西川美和
(前作『蛇イチゴ』は観てません;)
(オムニバス映画『female』は観ましたが『女神のかかと』はあまり印象に残ってません;)
企画:是枝裕和
出演:オダギリジョー/香川照之/伊武雅刀/新井浩文/真木よう子
蟹江敬三/木村祐一/田口トモロヲ/ピエール瀧
全く性格も生活も違う兄弟、早川猛(タケル…オダギリジョー)と早川稔(ミノル…香川照之)。
写真家として東京で活躍する猛は、母の一周忌で帰省した。
家業のガソリンスタンドを継いだ兄は温和な性格だが、弟の猛は父と折り合いが悪い。
猛と父の諍いを、稔がとりなすという格好だ。
翌日、猛と稔は幼馴染の智恵子と一緒に渓谷に出かけた。
その吊橋で起こった事件。この事件が謎ですね。結局、真実は何?この辺はミステリー仕立て。
タイトルの『ゆれる』は上手い!
吊橋の「ゆれ」はもちろんのこと、心の「ゆれ」。
対立したもの、対峙したものの間を揺れ動く。
信頼。裏切り。
離れる。とどまる。
知らずに思い込む。知っていて知らぬフリをする。
傷つける。傷つけられる。
押し隠す。あらわにする。
私も揺らされました^^どうなるんだろうと物語に引き込まれ、静かで落ち着いたシーンでも、心ゆれる。
主人公、猛は魅力的ではあるけれど、うーん、ヤな奴だなぁという印象もあり。
オダギリジョーへのインタビューによると
「冗談かもしれませんが監督は『付き合ってきた男性の、ひとつひとつの欠点を猛という役に投影しました』とも言っていました。怖い人です(笑)」
ふむふむ、なるほどー。
兄弟も2組登場します。もう一組の兄弟は父の早川勇(伊武雅刀)とその兄、早川修(蟹江敬三)。
この兄弟の関係も、実はお互いに表には出していない確執が…。
“みんないい人”“兄弟は結局真心で通じ合える”そんな安易なテーマではありません。
かといって、親密であるが故の嫉妬や憎悪。暗さから目を背けない、文字通り、『ゆれる』映画。
ラストも巧い!あー、こういう場面で終るのかぁ。
このラストの香川照之さんの表情は韓国映画『殺人の追憶』のソン・ガンホを連想させるそうですが、わーん、見てない;;
ソン・ガンホもいい役者さんですね。数作しか観てませんが…^^;
もちろん、香川さんもオダギリさんもいい!
脇を固める役者さんもはまってます。芸達者。
監督からはサブテキストとして、太宰治の『駆け込み訴え』が主演の二人に渡されたそうです。
わーん、読んでない;読んだかもしれないけど、覚えてない;ナサケナイッス;宿題ですね。
※画像は、購入したパンフレット。
2L版のピクチャーポストカード12枚と新書のような本が、ケースに入っています。800円。
【10/19追記】
『蟲師』記事書くのに、関連リンク歩いていたら、『ゆれる』のカメラマン高瀬比呂志さんが急逝されたとのことでした。
ご冥福をお祈り申し上げます。
また、『ゆれる』は1ヶ月間で撮ったとの事。すごい集中力!
“ゆ れ る”公式サイト
ゆれる - goo 映画
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