その日はとても暑かった。この時期になると草木は猛烈に成長し、周囲を青々とした景色に変貌させる。しかしやっかいなものが雑草である。そこで草刈機の登場である。
準備ができたところでエンジンスタート。ぐいっと紐を引っ張ると勢いよくエンジンがかかった。ブロロロ・・・2ストロークの甲高い排気が周囲に響く。
アクセル全開。フルスロットルや!つぎつぎと草が刈られていく。パワーでぐんぐんおし進み、スピードを増していった。「どうだ俺はこんなもんやないぜ!」しかし途中でエンジンの回転が不安定になった。どうやらレットゾーンを越えてがんばらせすぎたためのようだ。自分の技術を過信した結果であろう。彼はマシンの限界を知らなさすぎた。急に慎重になりタイムはがっくりと下がった。