誰が為の儀式なのか分からないまま 無縁の者の都合で決めた仮初めの日 体裁の整った姿を装う小さな家族は この儀式の意味を知らない 世間的に常識人だと認めてもらうと言うよりか 己がそうでありたいという願望であり 小心者の言い訳を束ねたものにすぎない その輪に属さない独人の私は 違和感を持ったまま用意された座布団に座る 退屈で意味のない時間はわずかだが あくびを抑えるのには酷な刻みだ 特に今日のような小春日和は 現状とは異なる別の場所に 私の魂は誘われる