迷走する枕茶屋

PCで漫画の背景を作る

「シッポのとれない神様たち」番外編ということで、今は使い古されたPCの技法を紹介。
画像加工 編集ソフトの定番、フォトショップ (Photoshop Elements)を使って、自分で撮影した画像を加工して漫画の背景を作ります。 

必ずデジカメで撮ったデータ画像を使いましょう。 なるべく天気の良い日に撮影した、ブレのないクッキリとした写真を使います。 全体的にピントが合ったシャープな写真を撮るには、F値の数値を大きめに絞り込んで撮影します。 


まずはフィルターのアーティスティックからエッジのポスタリゼーションを選択します。

輪郭線(エッジ)の強さや、細かさなどを調節します。 使う写真によってどこを強調するかが異なるので、画面の様子を見ながら一番良い状態を選びましょう。

雲ひとつない晴天なら明暗がクッキリ分かれ、ビルの外壁のほんのわずかな貼り合わせにできる段差の影も、ちゃんと読み込んで線として変換されます。

このように輪郭にペンで線を引いたような画になりました。 

まるでカラートーンを貼ったようなイラストが完成。 トロピカルな感じの画像でやったら、
「わたせせいぞう」が描く背景っぽくなりそう。 ちなみに「紙兎ロぺ」の背景も多分このやり方だと思います。 いかにもPC加工しましたって感じだけど、そんなに気にならない人は、カラー漫画やイラストにそのまま使えるレベルです。


一色刷りの活版ならもうひと工程あります。 画質調整でカラーを選択。 そしてカラーを消去を選びます。


モノクロ画面に変換されました。

このまま使っても良いのですが、細かい調節が必要な場合は、画質調整→ライティング→明るさコントラストを選択。



明るさのバーを好みで調節します。 夜にしたい人は暗めに、昼にしたい人は明るめに動かします。

あまり明るくしすぎると線がとびます。


明るめにして、空を選択ツールで選択して消去しました。 こうしておくと空の部分に、星空や曇り空をはめ込んで天気を変えられます。


「GANTZ」の奥浩哉みたいな3D背景風になりました。 アミトーンを使いたい人は、フォトショップにプラグインできるスクリーントーンソフトが売ってますので、そちらを購入すればPC内でトーンを貼ったり、自作トーンも作れて便利でお得です。 スクリーントーン代もかからないし、部屋が散らからないし(特にトーンの削りカスは喉に悪い)

キャラクターを入れるとこんな感じ。

あ〜あ…  令和元年ももうじき終わりかぁ 新元号に変わっても彼氏出来なかったなぁ…
みたいなこと言ってるんでしょうかね(笑)

パソコンがなかった時代はセッセと手で描いてました。 今はどんな複雑な背景でも、現実にある背景ならデジカメで撮影して、パソコンで簡単に出来ちゃいます。 いい時代になったもんだ。


下の2点の絵は手描きです。 下北沢の風景

PCだとどうしても輪郭線は一定した太さになってしまいますが、手描きだと陽の光の当たる方向を線の強弱とトーンワークで調整できます。 冷たい建物の背景でもあたたか味が出ます。 そこが機械で作ったのと人の手で描いたものとの差ですね。


ちなみに自然物をやるとこうなります。

立体感は無くなりますね。これで良いか悪いかは使う人次第です。


一応言っときますが、カメラの腕もそれなりにヌケの良い写真が撮れる事が条件です。 画像がシャープだと輪郭線がキレイに読み取れます。 ピンボケの写真だとそのまんまボケた線になります。 直線的な建物はうまく行きますが、自然物はあまり上手く変換できない場合があります。 特に水関係とか、機械的になるのでうまい具合に変換できないですね。 そればっかりは手で描いた方が良さそうです。。。
最近の主流はマンガ制作ソフト、クリスタ(CLIP STUDIO PAINT)が多く使われています。 ネーム作りから、下絵、ペン入れ(3Dモデリングでキャラクター描いたり)、吹き出しやコマワリ、トーン貼りまで全ての工程を全部PCで出来る優れものです。 私も持っていますが、個人的には写真加工に特化したフォトショの方が使い勝手が良いので、クリスタは滅多に使いません。 なぜなら、描いた現物(原稿)が残らないからです。 全部HDDの中というのはかなり寂しい。 せいぜい原画くらいは残しておきたいと思う。  やはり私は昭和人間らしく、紙媒体にこだわりたいのです。


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