肥谷佳介原作の週刊「モーニング」で連載していた『ギャングース』の実写映画化作品。
いやあ、面白かった!
要は少年院仲間3人組強盗団が巨大な半グレ悪徳詐欺組織をタタキ(強盗をする)というのが作品後半の盛り上がり所。
主人公3人のサイケ、カズキ、タケオのキャラ立ちも見事だし、「道具屋」の高田や対する組織「六龍天」の組織構造や若頭的役割の加藤などよく描けている。
少年院上がりの強盗3人組と半グレ集団のボンクラ&クズっぷりが見事。底辺対底辺のアウトサイダー達の世界観をたっぷり魅せてくれる。例えば、半グレ集団の女性オークションやSMのシーンも香ばしくていいし、かたやサイケ達の廃バス貧乏生活もいい。
何回かあるサイケらの強盗シーンはわりと正面突破のストレートなものでそこがまた少年院上がりのスペックっぽくリアリズムがある。後半の六龍天への強盗作戦はわりと大がかりでここはばっちり決まっている。
監督・脚本は『SR サイタマノラッパー』や『ヴィジランテ』の入江悠。本作『ギャングース』の少年院3人組強盗団や半グレ集団などはみ出し者、アウトサイダーを描くのが上手い入江さんらしい。
入江さんらしいと言えば埼玉や千葉といった都会とは言いがたい郊外をロケにした風景が最早特徴と言っていい。草ボーボーの土地や家がぽつんぽつんとある所、鉄塔がある風景などまさしく入江映画の世界観である。
マイナス×マイナスがプラスになるようなはみ出し者たちの映画に一見の価値あり。