酒呑みの正しい生活

鰻を食べよう(後編)

今日は鰻を食べようの後編、昨日予告していた中国産の鰻を江戸前風に調理します。

その前に、関東と関西では鰻の調理方法が異なるのはご存知でよね?
一番解り易いところから行くと、江戸前鰻は背開き、対する関西では腹開きです。

そして最も大きな違いは、江戸前はいったん白焼きにしてから蒸します。
蒸された鰻にタレを塗って焼き上げる事で、仕上がりがフワフワになるんです。

対する関西は、強めの炭火で最初からタレを塗って焼きます。
そしてこれを何度も繰り返す事によって、パリパリに仕上げます。

フワフワとパリパリ、この違いをご理解頂いたら続きをどうぞ。


買って来た中国産の鰻の蒲焼。

実際の産地はヨーロッパが多数を占めるのですが、産地表記は養殖された場所になります。
そして厄介なのが、現地で蒲焼にされて出荷された奴。

江戸前の関東風と関西風の調理だったら、蒸す工程がない分だけ関西風の調理が楽そうに見えるのでしょう。
タレを付けた鰻を機械で焼いたのが見て取れます。

繰り返しの焼付も行っていないので、妙にタレだけが焦げていて身も固いまま。


中身はこんな感じ。

これを電子レンジで温めただけだったら、美味しく食べられる筈がありません。
少なくとも、お店の味とは程遠くて当たり前です。


そこで、この身に熱湯をかけてやります。

熱湯でタレを洗い流してしまうだけで無く、身も温められて柔らかくなりました。


キッチンペーパで余計なお湯を拭き取ります。

すると柔らかくなった鰻本体の表面が見えるようになりましたよ。


鰻が大きかったので、半分は真空パックして冷凍保存しておきます。

半分だけでも丼を優に塞いでくれますよ。


柔らかくなった鰻を、更にフワフワにしてみます。

熱したフライパンに油を敷かないで、そのまま皮を下にして乗せます。
ここに少量の酒を入れて蓋をして、2分ほど蒸し焼きにします。


先にタレをかけたご飯の上に載せたら、うな丼っぽくなって来ました。

この段階で、既に鰻は箸で切れるようにフワフワになっていますから、取り扱いは慎重にね。


最後の工程。

付属のタレをフライパンで煮詰めてやります。
これをするだけで、タレも香ばしくなって鰻とよく絡んでくれますよ。


煮詰めたタレをかけたら出来上がり。

鰻屋さんのうな丼の完成です。
調理は時間にして5分くらい?
全くの別物になりますから、是非とも一度お試し下さい。

今回は1280円の鰻でうな丼2杯分を作れましたので、1杯あたり640円。
これなら庶民の自分にも手が届きます(笑)


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