美男子俱楽部

※単行本はBOOTHにて発売中。

トイレットの地獄 ②

2022-06-15 | エッセイ

 ここ迄読んで下さった読者であれば、「小便小僧A」とは何ぞやという事柄を説明せずとも、あらましを察して頂けることと存じるので続けるが、小生が小便小僧Aのとき、殆どの場合に於いて如何なるトイレットであった場合も大便可能の個室略して大便個室には大便小僧Bが居てはるのである。大便小僧と小便小僧ならば上手くやれるんとちゃうんかと思うかも知らんが、それは俺に限っては大きな間違いで俺が小便をしている間、若しくは俺が小便をし終えたタイミングで大便小僧Bが大便個室から出現なさるのが問題で、先ず小生が小便をして居るタイミングで出て来られては、狭いトイレットに於いては何やごちゃごちゃ為ると言うか、俺の背嚢が邪魔して大便野郎、間違えた大便小僧Bのトイレットからの脱出がもたついたり俺自身も大便上がりの奴に背嚢を押し退けられるのは非常に不快と云うか、厭だし。

 で、小生が小便を終えたタイミングというのは、それは手洗いの問題である。小生、潔癖とか云うのか知らんけど手を洗う際はそれが譬え、高が小便後でも念入りに丁寧に時間を掛けて何度も洗いたい質であり、俺の後に大便小僧Bが待機している状態と云うのは非常に申し訳無い気持になり、どうぞと先を譲ってしまうのが常であるがかと云って「待つ」という行為は誰だって好まず更に、此方人等小便をしている身であって手に雑菌などが附着して居る危険性が推測され、そのような状態で大便小僧Bなどの手水を待つのはやはり厭で、つまりどちらにしても俺は地獄、ヘル、ヘヴン。にゃー。

 んまっ、もし俺が大便小僧Bの立場だったら、小便小僧Aがトイレットから居なくなってから大便個室から脱出する訳だけど、そう云った配慮が出来る人物というのが現代の社会に於いては少なくなってきており、それは何故かと言うと余裕が無いからで、やはりみな一度無職に為ってトイレットの在り方から世直しをする事が大切だなぁと思ったがそれでは経済が回らず回るのは便器の水だけであるよ。ハハハ。