親子行儀
2022-10-12 | 詩
治らぬ咳の様な孤独
軈て訪れぬ加護
子供だからと云って懲役は親の寿命
ギロ奏者の戯言が救うもの
酔っ払いの悪臭
海での干ばつ
偽善の遣り口
(『人間牧場』収録)
治らぬ咳の様な孤独
軈て訪れぬ加護
子供だからと云って懲役は親の寿命
ギロ奏者の戯言が救うもの
酔っ払いの悪臭
海での干ばつ
偽善の遣り口
(『人間牧場』収録)
あなたと人間の隙間には沢山の惡があって俺は悲しい
何も云わぬ君
只、居るだけである
途方も無い金額が積まれたときでさえ 私は
苦いんですよ
下校する未熟者たちが
のんびり草を食うように
鯣に為ってガッ飛んで(緊張しろおまえという人生に)
毎日女の外気に殺られて俺は駄作ですよ
(『人間牧場』収録)
ちょっと程の高級に負けた貧乏人が
欲望などは疾うに断ったと謂うた顔面で
浮き輪を所望して居られる
仕方があるまい徴収されたのだから
ゆうに不幸など越へて
海に浮かぶ絶望たちがの
(『人間牧場』収録)
暫くして母親が迎えに来る
酔ってるんちゃうんか?
産まれたことの無い人間が何を言うてる
ニヒルになる権利すらもうけて
目覆しされた儘で
卑しい壮丁を殺戮せよ
天井にぶらさがって
幼気な吾等を凌辱せよ(※繰り返し)
(『人間牧場』収録)