インテリアの書

文字を「書く」のではなく「表現」する

書のモビール

2013年03月10日 | インテリアの書
                      安部さんの作品


昨日の続き、こちら↑は軸ではなく、モビール。
「茶煎穀雨春」

詩写梅花月 詩は梅花の月に写し 詩を写す(書く)なら梅花の月(が良よろし)
茶煎谷雨春 茶は穀雨の春に煎る 茶を煎る(煎れる)なら穀雨の春(が良ろし)

より。

前回、一字づつ書いてそれを軸にとの構想でしたが、
揺れるモビールとは、新鮮で思わず、わぉ~!と感激
小さい洗濯バサミのようなクリップで留めてます。

どこかに鈴とかつけるといいかも~と、話していましたが
鈴じゃ相当風が吹かないと鳴らないかも~ですね。
ということで、ウィンドベルウは?と思ったけど、これも難しそう。
 ←クリックで拡大

音はなくても、春風にゆらゆらと揺れる作品、楽しいです

そしてUさんは、靴が入っていた箱に枝をアレンジした作品。
作品は半紙1/2に「映杏映桃山路中」。



作品は四隅をゴムでとめているので、入れ替え可能だそうです。


今は3人しかいない教室なのに、皆さまモノづくりがお好きな方ばかりで
それぞれに工夫とアイデアを凝らした、思いもよらぬ発想に触れ、
私も刺激を頂いています。

まずは「創る」楽しさを実感、共感していけたらと。
そして、ちょっとづつ完成度も上げていけたらと思っています。

 いつでもお仲間募集中です 

 東京の小田急線・横浜線町田駅より徒歩15分程の会場で、
 第1・3木曜日の午後1時半~4時頃までやっています。
 お問合せ・見学も大歓迎です。お気軽にどうぞ~

 Mail: one-shoart★mail.goo.ne.jp ★を@に変えてください。
 こちらもどうぞ ⇒ 心の免疫力~書とことばから


手仕事の軸作品

2013年03月09日 | インテリアの書
                     倉科さんの手作り軸作品


更新が遅れがちですが、月2回の教室では、人数は少ないけど
皆さま熱心というか、楽しんで作品作りをしています。
2時間はあっという間で、気がつくといつも時間が過ぎていて。

「軸作品を作る」がテーマでしたが、前回の教室ではそれぞれに作品を完成して来られまして。

最初の写真は、倉科さんの作品。
倉科さんは、書は学生時代以来だそうで、左利きなので左手で書いておられます。

家にあった着物を使って、野趣味のある和紙を一針一針布に縫いつけ、
半紙に書いた作品に和紙で裏打ちをして糊で貼られたそうで。

前回の教室で、まずこんなものを書きたいと書いて来られたのが↓の左側。
でもって、「生きて」を強調してみては?と、私が書いてみたのが右。

  

そして、こんな感じに↓

 

軸棒は、前回の教室の帰り道の公園?で拾ったそうで  

 

ぶら下げるところも、ちゃんと手縫いの紐がつけられていました。
                 
実はこの言葉には、倉科さんのふか~い思いが込められているのでして 
なんでも、ご主人と意見が合わなかったりした時に、黙ってこの作品を見せようかな、と
そのお話を聞いて、みんなで大笑い。。

改めて読んでみると、たとえば・・
「私はただ 私として生きていく」としたなら、広く外へ向けたメッセージのようだけど、
「私はただ 私として生きていきたいと思うのです」と言ったら、
自分自身への強い意志を感じますね~って 

とても素敵な笑顔で、作品への思いをお話下さいました。

そしてもう1点。「目で聞く 耳で見る」

東急ハンズで買ったという軸に、ご自分で裏をうった半紙を貼って。
軸作品で使った和紙が、ここでも活躍、軸の色とも合っていてアクセントに。




表具屋さんに頼んで、きちんとした作品にするのもありだけど、
自分のイメージを持って、手作りするのも楽しいものです。

裏打ちも手仕事も、経験を重ねていくと欲も出たり、アイデアも浮かぶもの。
その作業が、自分をワクワクさせてくれて、ちょっとづつ自分に気づいたり
今よりも自分を好きになったりしたらいいなぁって思います。

明日は、安部さんと植草さんの作品をご紹介します 

書を学ぶ先には

2013年02月13日 | インテリアの書
                             「游」


文字は意味を背負って生きているから、
見る人は、まずなんて書いてあるのかなと、思ってしまうのでして。

それは、あなたは血液型がB型だから、きっとこんなタイプでしょって
言われてるのに似ているというか。

でも、ひとつの文字にだって、使う場所やタイミングや相手によっても
色んな意味やニュアンスがあるのでして。

そう思うと、文字をもっと解放してあげたくなるというか
たとえば「冷」という文字をあったかくやわらかく書いてあげたくなったり
「温」という文字を、時にはシャープに書いてみたくなったり。

書を学んでいると、生きてくことの中での、あ、そっかって感じることがあれこれ。
なんていうか、答えはひとつじゃないし、正しいことが全てじゃないっていうか。

書を学ぶ先には、哲学があるのですね、きっと 

詩文を書く

2013年02月09日 | インテリアの書
              

いやぁ・・久々の更新です 

1月からは、町田駅そばのレンタルスペースから
JR町田駅より徒歩15分程のせりがや会館というところに移動して勉強しています。

今月から「手作りの軸作品を作る」をテーマに
漢詩、詩文など、それぞれどんな作品を書きたいのか、を探って行こうと思います。

まずは、句を詠まれる勉強もされているKさんが、半紙を前にして浮かんできたということばを書いて来られ。
バレンタインのチョコレート売場に並ぶ人を見て、感じたことだそうで 


「チョコレートどこに運ぶの蟻の列」 (半紙)

Kさんの書いて来られたのを撮り損なったのですが、
蟻の列、ということで、ぐる~っと回るようにして書いてみました。

それから、「ゆっくりゆったり大きくなれ」
2歳になるお孫さんへの思いだそうで。

Kさんは、思いの深さを、ゆっくりゆっくりゆったりゆったりと紙面一杯に書いていらっしゃったのですが、
「ゆ」を大きくのんびりとした感じに書いて、ゆっくりゆったりは1つづつにしてみました。




こちらは、半紙1/2位の大きさ、Uさんの「毎年よ 彼岸の入に寒いのは 子規」。
寒そうな感じにしたかった、と。



寒そうにということで、面相筆で極細にして、でも一字一字はゆったりとした感じに書いてみました。



「花 開萬國春」 花は行書で。(半紙)



Aさんの漢詩。「茶煎穀雨春」 (半紙)


これを、文字一字づつをコースター位の大きさに書いてみたいと。
なるほど~面白そうです
一字くらい色の違う紙に書いてみるのもいいかも~と。

さて、ここから、どんな作品になっていくのか、
ゆっくりじっくり、一緒に書作と工作を楽しんでいきたいと思います。

ということで、最初の画像は、私の試作をば。 
「日々是好日」 読めないかしらん 

藍色の和紙に、作品の周りの生成り色っぽいのは、ふすま紙。
茶色は自分で柿渋で染めた和紙。
上下の棒は、山で拾ってきたものと、100円ショップで買った竹。

器は藤澤重夫さん

なんだか・・オートで撮ってるのに、写真が白っぽくなるのはなぜですかね すみませんです

なるべく更新をしていこうと思いますので、またおつきあい頂けると嬉しいです


こちらもお時間ありましたら→ 心の免疫力~書とことばから



お正月に飾るパネル作品完成

2012年12月16日 | インテリアの書


えっと・・久しぶりの更新です。
18日から始まる書の作品を、実はまだ制作中でバタバタしとりまして。
我ながら全く準備の悪さに呆れとります 

インテリアの書の教室は、月2回続いています。
まずは前前々回、早速、それぞれが仕上げた作品をば。







そして一昨日、無事お化粧して完成した皆さまの作品も一気にご紹介しま~す。
残念ながらTさんはお休みされたので、また次回、作品お待ちしております

こちらは春山如笑と書かれたAさんの作品。
春らしい穏やかな空間、赤い色からも、あたたかくて優しい笑顔が思い浮かびます。







道を書かれたKさん、あれは何枚ありましたかね、30枚位色んな道を書いてこられて、
娘さんからは楽しい感想も頂いたりしたそうで。
この自由な発想には皆さまと唸りました。来年はへび年だからって言われていたような。



こちらは教室で仕上げられたUさんの甲骨文。
力強さの中に、両手を広げて踊り出したくなるような遊び心も感じました。




そしてそして、壁にかけると~ うふ
半紙のままの時と、作品に合わせて色を選びパネルにした作品、印象が違ってきますね。
まさにインテリアにピッタリ

それぞれに今年のお正月は、自分の作品を眺めて、どうぞよいお年を~ 


さてさて、私はというと、来週12月18日~23日まで、横浜市あざみ野にある
アートフォーラムあざみ野での2012書TENに出品します。
年末の何かと気忙しい時期ではありますが、機会がありましたらお立ち寄り頂ければ幸いです。

詳細は→こちら







違う、を面白がる

2012年11月20日 | インテリアの書
                  激しい「雨」 (半紙)


えっと、教室は月2回、濃厚な? 時間を過ごしておりますが、
更新がなかなか追いつかず~でございまして。

ちょっとづつ内容が変化しつつではありますが、皆様とコミュニケーションをとりながら
一緒に試行錯誤しつつ、楽しく勉強しつつ作品も作っていきたいと思っています。

基本は、集漢木簡千字文の臨書をやっています。
まずは参考手本などはお渡しせず、それぞれが原本とじっくり対話をして自分の目、心で感じで書く。

というのも、どこかの会に所属していらはる方がいらしたり、それぞれの世界を持っていたりするので
それぞれの「書なり」(書の身なり)はそのままに。
私ごときの書風を押し付けたりはいたしませぬ 

おもしろいなぁと思ったのは、たとえば画仙紙の使い方の話。
横作品が書きたいとおっしゃるTさんに、

沙於里: 半切を縦横に切って4枚にして、それを横にして書かれては?
Tさん:  え?そしたら紙の目が縦になって、それはだめなんじゃないですか? (ん?横かな?)
沙於里: え?そんな話、初めて聞きました~。
Tさん:  目が変わると墨の入り方も違ってくるし・・
沙於里: へ~そうなんですか。。。

ってな感じにお互い、え~ へ~ ほ~ ってこともあったりして 

なんていうか、お習字とか、古典を学ぶ上では、それも大事にしなきゃいけない部分なのかもしれないけれど
表現という場面では、決まりごとも正しいもないわけで。
当たり前の方法に安心していては、びっくらするような感激にも出逢えないというか。

別の書道教室では、柿沼康二氏の前々回の番組で、はたきで文字を書くことにどうも納得がいかない・・と
おっしゃる方がいたんだけど 

それは、納得がいかなくてもいいのでして。
表現も、生きることも、答えはひとつじゃない、とにかくやってみればいいってこと 

たとえば、僕はあれは好きじゃない、やっぱりきちんとした楷書とかが書きたい、
そう確認できたのなら、それもめっけもん。
柿沼さんも嬉しいんじゃないかなと 

いつもと違うことをする、違うことをしている人を面白がる。
それが、表現すること、生きることの楽しみなんじゃないかな、と思うなり 

さて、なんだか話が長くなりましたが、最初の画像は「雨」。
筆を叩きつけるようにして、バンバンバンと。

一瞬、教室に静か~な空気が漂って、
「点は4つじゃなくてもいいんですね?」
「えっと、表現としては有りかな、と思います」 

ついでに、この日書いた「陽」の文字の習作を3つ。
直線、文字の解体、余白を意識しながら。








「陽」の文字で、何体(何種)書けますか? 

迷うより、書くこと

2012年10月30日 | インテリアの書
                          「春山如笑」  (半紙)


すっかり更新が遅くなりましたが、前回の教室のレポートをば。

教室を始めてから、まだまだ試行錯誤のところが否めないのですが。

というのは・・
どこかの書の会に所属していらはる方、ほとんど初めての方、等々があり、
また、それぞれの表現の好みというか、個性もあり、
同じスタートラインではないということ。

基本はしっかり臨書をして、基本的な学びが不可欠であるということ、
その先で、それぞれの世界を表現していこうということ、そして
どちらかを優先すると、片方がわからなくなったりもするわけで。

つまり、お習字ではなく、「表現する」ということは、
自分とどれくらい向き合えるかという、苦しい作業でもあるということなのでして 

そうなると、月に2回、1回2時間の教室ではとてもとても・・・なのでして。


つまりつまり、答はそうそうすぐには、見つからないということ。
古典をしっかり学びつつ、表現を遊ぶというのは難しいのかもしれない。
迷ったり、焦ったり、諦めたくなったりするかもしれない。

そんな時、何が一番大事かっていうと、
自分はどんな書風が一番好きで、どれだけそれを追いかけたいのかを探すこと、かな。

正しい文字を書いていたら、なかなか「はずせなくなる」というのはあるかもしれない。
でも正しい文字を知らなければ、はずしたときにただ、俗っぽくなってしまうと思う。
そこには、品位とか心地よさとか、いつまで見ていても飽きない何かがなくなってしまうと思う。

だからやっぱり、自分らしい表現を探したければ、まずはきちんと古典を学ぶべし。
な~んて、偉そうに言いつつ、はい、自戒も込めて、でございます。

そういう意味では、「春山如笑」は、遊びすぎで格調はないですね 
お正月に飾る作品を、ということで、Aさんが選んだことば。
笑の終筆を思い切り伸びやかにしたいがために、全体を左に寄せてみましたが。


で、これは教室で書いた、暴風と空っ風をイメージして書いた「風」。 どないでせう 




そしてこちらは、左利きのKさんが書かれた「風」。どっしりしていておおらかで、私は好きです。




ということで。
迷ったら、自分に言い訳を考えるよりも、書いて書いて書きまくれ~でござる。
・・と、柿沼康二氏 もおっしゃっておられる。
人よりも1枚でも2枚でも、1分でも2分でも多く臨書するべし、と。

あ、今月曜夜9時半~Eテレで、柿沼氏の書道やってますね~。
再放送も週に3回?あるそうですよ~。



講師ブログはこちらから → 心の免疫力~書とことばから

教室第5回目 木簡集字千字文から学ぶ

2012年10月07日 | インテリアの書
                    「天地玄黄」 (半紙)


10月からは、集漢簡千字文の臨書を始めました。
なぜこの臨書を選んだかというと、この木簡の中には、創作のヒントがたくさん隠れていると思うからでして。

たとえば、この原本から



天:左払いをちょこっと上向きにすることで、軽やかで明るい印象にして
  終筆の右払いはたっぷりと重厚感ある力強い線にすることで、格調を保ってる
  横画の間隔はなるべく狭くすることで、両払いのスケールを出している

地:土は小さく、也の一画目も小さめにして中心より左に寄せることで
  終筆の払いの大胆さをより演出している

玄:幺はなるべく幅を狭くすることで、横画の伸びやかさを助けてくれてる

黄:ちょっと右肩下がりの逃げるような表情を、10画目の左側のノの角度で引っ張って、
  田は丸めにおっとりとすることで、どことなくおとぼけな表情にしてる

・・・と、私は感じるのでして。
そして、ほんとはこれは縦に1列なんだけど、その字と字の間の字間、行間、
両隣、上下の響き合い、そんなのも意識しながら臨書をしていくのでして。

それぞれの文字が、どこを一番アピールしたがっているのか、
その話を聞いてあげながら、遠慮がちな文字には、その思いを汲み取ってあげながら。

そうして、一字一字と向き合い、語り合っていると、今度は自分なりに
その文字を開放してあげたくなってくるというか。
つまり、そこからは創作という作業。

たとえば「天地玄黄」の四文字を、いろんな表情で書いてみる。
大胆にとか、丸っこくとか、筆を変えてみたり構図も色々と。



荒々しくしてみたり、円の中に入れてみたり、紙を横にしてみたり。




やみくもに書こうと思っても、浮かんでこなかったり統一感がなかったりするので、
まずは「どんなイメージ」で書きたいか、を考えてみる。

でも、その「どんなイメージ」も浮かばない場合、それはもう、ただひたすら
展覧会に行ったり、本を眺めたり、それは書に限らず、絵でも音楽でも、料理でも
なんでもいいから、自分の「好き」「嫌い」「しっくりくる」「居心地がいい・悪い」とかを
どんどん体感していくこと、これ大事!

まずは、自分を知ること、そうでないと創作はできないって思う。
もちろんその中には、数ある古典を臨書していく作業も大事。

でもね、古典は膨大すぎて、どこから手をつけたらいいかわからないって人は、
まずは、臨書しなくてもいいから、どんな書風、書体が好きかを探してみて下さいまし。

何をするにも、時間と根気と労力は必要で、簡単にできるものなんてないわけで。
まずは、とにかく書いて書いて、書きまくる。
そんなところから、ぜひご一緒に~。

教室はいつでも見学、体験できます。
興味を持たれた方は、コメント欄か右バーの「メッセージを送る」からお気軽にお問合せ下さい 


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教室第4回目 作品を仕上げる

2012年09月20日 | インテリアの書
                     甲骨文字「炎」  K科さんの作品


今日は4回目の教室。

甲骨文字から、それぞれに選んだ文字を、ハガキサイズの作品に仕上げました。
今日はまだ作品を仕上げる方もいらしたり、工作もあったりで時間が足りなくてアタフタ・・

最後に写真を~となった時、既にアクリルが入った状態だったので
蛍光灯の明かりで白っぽくなってしまってごめんなさいです・・
せっかく素敵に仕上がったのに、全く、カメラも勉強しなきゃですね

ではさっそくご紹介。

最初の作品はK科さんの「炎」。
お料理している時の炎を思って書かれたそうです。
これからの季節にぴったりな、かわいい炎ですね。
背景の配色も、縦に赤いラインを入れることで、視覚的にも炎をイメージされたのかな?


こちらはT政さんの「明」。
単純な形なので難しそう・・って思っていましたが、
日と月が寄り添っているようにも見えて、ほっこりとあったかい「明」に。




そしてK合さんの「楽」。
写真ではわかりにくいのですが、背景はクリーム色と落ちついたピンク系の2色。
どこか人の顔のように見えてきて、何とも言えないおとぼけな表情につい笑みが浮かび。
雅印を押して、お化粧すると、文字もちょっと嬉しそうって思えてきます 




続いて千字文の「天地玄黄」を書かれたAさん。
配色はこの黄色とグレーと、紫系も考えておられたそうで
文字組も、縦一列、横一列の作品も書かれて、今回はこの構図と配色に決定。
配色、構図、文字の表情と、現代的で洋風な印象に。




「藝楽」と書かれたのはUさん。
2つの文字をどこかで繋げてみたいとのことで、藝の終画を思い切り伸ばして楽につなげてみて。
背景も2色にすることで、奥行きや立体感がでますね 




そして「喜楽」はTさん。
前回、半紙に「喜楽豊」の三文字を書かれていましたが、それは別個に裏打ちをすることにして
今回は二文字で。 若草色の洋風でモダンな感じの額にも合っていますね 




さて、前回の草稿から、まずは1つ目の作品が完成。
会場芸術としての「攻める」作品ではなく、誰かと競う公募展の作品でもなく
自分の作品をインテリアとして飾って楽しめる、そんな書の可能性を探って行けたらと。

また、だんだんとそれぞれの方の個性もわかってきて、それを壊さないようにしつつ、
けれどやっぱり臨書も怠らず、というスタンスで勉強していけたらと思っています。
お気軽に、ご感想などお聞かせ頂ければ幸いです。

次回は10月4日(木)。木簡集字千字文の臨書から始めます。
見学も歓迎 
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教室第3回目 甲骨文字の作品に挑戦 その2

2012年09月07日 | インテリアの書
                       「楽藝」 (半紙) by 沙於里
  

前回に引き続き、甲骨文字を使って作品の構想を、ということで参考に書いてみました。

半紙横に二文字の場合、文字を同じ大きさにしてしまいがち。
ただ文字を並べただけではお習字になっちゃう。
ずっと見ていても飽きないのは、余白、空間が生きているかってことかな、と。

で、藝の終筆は思い切り左に空間を破り、横への力に対して、楽は縦長にしてみたなり。

こちらは「遊」。



半紙を横に使う場合、視覚的に横への意識が強くなるので、縦の線を強調してみた。
直線的に切った左余白が疎外感を与えないように、落款は揺らぎながら
空間の緊張感を少し緩めてみたつもり。

ということで、ここからは皆さまの作品をば。

前回のプリントの中の文字以外でも、自分の好きな文字を辞書で調べてみて~って。
昨日も猛暑だったということで、K科さんは「炎」を。
おほ。これは猛暑の憎々しさはなく、なんか可愛らしいですね。




そして、線も作品も強くてエネルギッシュなT政さんの「明」。
キラキラって朝日のイメージにってことで、私も何枚か参考に書いてみたけど
日と月という単純な造形はなかなか難しく。。
T政さんの、きりりとした「明」に、元気もらいました。




そして、T橋さんの「喜楽豊」。 
前回と比べて、線も空間も更に表情豊かに。
落款の揺らぎが難しいとおっしゃっていましたが、だいぶ揺らいでます 
この揺らぎのお話はまた後日にでも。




そして、Uさんの「光光光」。
初めは半紙中央に3つ並んでいましたが、こんな感じはどうですか?って参考に。

沙於里↓




すると、Uさん↓ おお~ 物語を感じますね。


 

同じ文字を3つというのは、なかなか難しいけれど、
構図を探せば、おもしろい作品になりそうです。


そして、前回「夢」を書かれていたAさんの「天地玄黄」。
線と造形も、シンプルであたたかく素朴な印象です。




だんだん、それぞれの方のお人柄を感じる作品に出会えて、これから益々楽しみです

次回は9月20日。
いよいよ額装作品を1つ、完成させる予定です。

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