テレビのチャンネル回してたら「Pearl Harbor」やってました。
これ評判が微妙なのは知ってるんですけど、ヒマだったら映画館いこうかなーと思ってた映画なんです。
微妙どころじゃないねこの映画。
ワイキキビーチには行ったことがありませんが、パール・ハーバーは訪れたことがあります。前に勤めてた会社の社員旅行でした。
たぶん2001年か2002年。
いろいろ面白そうなプログラムがあって、2日くらい自由時間があったんだっけ。
私は真珠湾さえ訪れることができれば悔いなし!だったので、1日目は終日それにあてたんです。
私の旅行の好みは偏っていて、1に歴史を感じること、2にご当地食べ物。3、4はなくて、5に野球の試合が見られれば~って感じなんですよ。
誰も付き合ってくれなかったらひとりで行こう~と思ってたのですが、同期には全然いなかったのですが、幸い先輩が何人か行くっていうので、4人くらいでいったんだっけ。
なんというか、行く前は他の米国人観光客に石投げられるんじゃないかとか、日本のことぼろくそに紹介されてて凹むんじゃないかとか、いや広島だって外国人に
石投げるやつなんていたらおおごとだし、別にこんなことしやがってこの野郎!的な憎悪に満ちた内容だったりするわけでもないし、まぁ大丈夫だろう、いやでも日本とアメリカじゃ違うだろうしなー
とかとかいろいろと心配もなくはなかったんですが、全部杞憂でした。
あ、日本人向けの日本語案内と米国人向けの英語案内では全然違ったりしてた
可能性もゼロではありませんが!
まぁそんなことはないよね。英語わかる日本人がきたら一発でばれるし;
今まで、海外旅行はハワイとソウルにしか行ったことがないのですが、この地で感じたこと、このときの印象は今でも忘れることができません。本当に行って良かったと思える場所のひとつです。
ワイキキのホテル街からはちょっと離れていて、バスで30分~1時間くらいかかったっけ。
記録映画があるんですが、それまでにちょっと時間があったので、展示品をいろいろ見て。
何があったかなぁ。
当時どんな風に船が並んでたのかとか、どこにどんな飛行場があったとか、時系列で何があったとかの基礎的な解説とか、撃墜された日本の飛行機の部品とか、船の部品とか、なにやらいろいろだったような気がしますがもう記憶曖昧。
その映画も展示も、ジャップのこのくそボケがこんなことしやがったんだぜ!的な内容は私の感覚では一切ありませんでした。
目を背けてしまいたくなるような遺体の写真とかもありません。
日本人が思わず殊更に肩身を狭くしてしまう、といったようなことがないよう、そういう風に配慮された展示だった印象が強く残っています。
その後に、小さな船でフォード島という、湾に浮いてる小さな島へ行かされます。
往路では、「これから行くところは・・・」というような説明ね。
日本人には日本語の案内を聞くことができました。
その島に、当時日本の第一目標だった米太平洋艦隊の主力戦艦8隻が繋留されていて、撃沈された船はその場で海底に着座しました。
ここの海は浅いので、何隻かは引き上げられて復帰したそうですが、今もそのままそこに沈んでいる船もあり、そのうちの一隻がアリゾナです。
あれは煙突なんかな?ブリッジかも知れませんが、構造物が海面すれすれに顔を出していて、油が海底からもわーんと今でも浮かんできてて。
白い直方体の真ん中付近が凹んでいる形の記念感の中には、日本の真珠湾攻撃で
亡くなった方々の名前-約2400名でしたか・・・
が刻まれたモニュメントがあり、花束とか置いてあったりして。
慰霊鎮魂お祈りの場所です。
黙祷。
で、いろんな思いを交錯させながら、小さな船でフォード島を後にすることになります。
その、復路の船で聞いた解説がね、なんというか素晴らしい解説だったんです。
今も一緒かどうかはわかりません。
とにかく涙腺が潤んでしまって仕方なかった。感動しました。
一言でいうと未来志向、ということになるのでしょうが、ほんとうに名文でした。
もう細かな内容は忘れたなぁ。
ドイツのワイツゼッカー大統領の有名な演説がひかれていたのは覚えています。
「過去に目を閉ざすものは、結局のところ、現在でも盲目となるのです」ってやつね。
それから、ブッシュ大統領(父の方)の、真珠湾攻撃50周年式典でのスピーチも
引かれていたのを覚えています。
要するに、「その後・・・」の解説でした。
日米はどのような歩みを経て現在に至っているか。
そして未来に向けてはどうしたいのか、どうするべきなのかを訴えた内容です。
・・・ここで私が適当なこと書いても伝わりませんよねぇ。
ハワイにいくことがあったら、是非そこに足を運んで、聞いてきてもらえたらと思います。
そうだ、その通りだよ(涙)
って感じだったんですよ。
なんとなくですけどね、陳腐な表現ですが平和への願いっていうか。
それが国とか人種とかを超えたところで、確かに共有されているんだということが日本人の私にも確かに伝わる内容でした。
そこまで見てきて、この場所が訴えている最も重要なテーマは要するに「和解」なんだっていっぺんに理解できた瞬間だったから、感動を覚えたのだと思います。
アメリカ人はこの場所をそういう場所にしたんだということが判って、
救われた思いでもあったのかも知れません。
海がとてもきれいに見えました。
今は、重光さんがその艦上で降伏文書に調印した戦艦ミズーリ号というのがあるそうです。
またいつか再訪したい場所のひとつです。
んじゃ、また。