tea bowl blues

益子の陶芸家、太田幸博
のやきものとbluesのある日

フリーチベット

2008-04-14 16:45:05 | Weblog
私の生まれた岩手県は、昭和30年代頃は「日本のチベット」と呼ばれていました。
奥羽山脈、北上山地など山岳地帯が多いのと、文化度の低い田舎というイメージ
でそう呼ばれていたのでしょう。
住んでいる側としては差別的な意味合いなので不快に思う人が多かったのですが
冒険小説に出てくるような辺境の謎の国という感じがして
自分の住んでいる所から見える山脈の中にも何か謎があるような気がして
子供心にチベットというひびきに親近感を持っていました。

20代の頃、友人の林君からロブサンランパ著「第三の眼」という本をもらいました。
内容はチベットの若い僧侶の日記で、ポタラ城の内部の様子や
チベット人の暮らしが詳細に描かれていました。不思議な体験談も多く
ずっと持っていたチベットのイメージ通りの内容でした。
ただしあとがきを読むとロブサンランパはチベット人僧侶ではなくイギリス人で
しかも霊感で書いたというちょっと怪しい本だったのですが
本の内容はおもしろく、ますます仏教の理想郷の感が強くなりました。
しかもダライラマ代々は世襲ではなく生まれ変わりを探すのだという
輪廻転生が現実の国、非暴力主義の平和な国。ほんの半世紀前まで
文明度は低かったかもしれませんが、山岳に閉ざされた現実の理想郷だったのだと思います。
チベット人に今だ会った事もないし、知識も無いのですが
中国とはまったく違う思想文化の国であり独立が認められるべき国家である
と私は思います。