現政権は、集団的自衛権を内閣決議した。
とうとう我々は、戦争も可能な危険な国に住む事になった。
今後は憲法改正に進み、
他にも、法人税減税、規制緩和、消費税率up,残業手当の廃止、
貸金業法再改変など、わざわざ経済格差を広げる
ありがたくもない法案ばかりがどんどん持ち上がってくる。
町に出ても、ガソリンは高く、食品も高い、暮らし難い世の中だ。
収入は現実落ちているので生活は厳しい。
また、なぜか、昔よりも話しが噛み合わない人、
理解しあえない人が増えた感じがする。
社会も人心も、ここ数年で随分、変わって来た。
なぜこんな社会になってしまったのか。
今、安心して暮らせるよい未来を想像出来るだろうか?
この国は、本当によくなるのか?
よくなっているなら、誰がよくなるというのだろう。
集団的自衛権を日本は持つべきだ、と思うのは各人の自由だが、
誰かが戦場で戦わされるという事だ。
自ら率先して戦争に行く覚悟はあるのだろうか?自衛隊が行けばいい。
徴兵制などあり得ない。自分には関係ない。本当にそうだろうか?
戦地に行かされた人たちは、戦えば人殺しか運が悪ければ死ぬ。
誰がそんな事をしたいと思うのか?私はいやだ。行かない。
私は、もう年だし、現実、行く事は無いだろう。
若い世代が、気がついたら髪を短く刈られ行かされる。
それは、親戚の子供だったり、私には、まだ見ぬ孫かもしれない。
今までせっかく70年間、戦争で誰も人を殺さず死ぬこともなかった
世界に誇れる日本。
日本国憲法は、米国から押し付けられたと言うが、
戦争の放棄という人類の理想を、我々は持っていたのに
なぜ今、戦う方向に国民を誘導していくのか?
私は、戦後10年経過した1955年生まれなので戦争体験は無い。
でも周囲には、まだその名残りが沢山あった。
お祭りには、手足の無い傷痍軍人が募金を募っていて、傍を通るのが怖かった。
生家には、ゲートルやどこかで拾ったらしい歩兵銃の銃弾、
祖父宛に戦艦の乗組員から送られた絵葉書があった。
爆弾三勇士の絵柄の浴衣を喜んで着ていた。
駅が近かったので、B-29が投下した不発弾が家の近くから出てきた。
機銃掃射で、近所の人が撃たれて死んだと祖母から聞いた。
母は末の弟が、アメリカの戦闘機が飛んでくると喜んで手を振るので、
慌てて防空壕へ連れて逃げたそうだ。
小学校の先生は、爆撃機の搭乗員だったが、詳しくは語らなかった。
先生たちは、あまり従軍体験を話さなかった。
同級生の父親の多くは、戦争に行ったが、
私の父は、若かったので徴兵されずに済んだ。
学校で、日本はもう2度と戦争をする事はない国になりましたと教えられた。
なんだか世界で一番良い国に生まれた気がした。
高校生の時、モリソンという米国の英語教師が来た。
彼は、ベトナム戦争へ徴兵で行く代わりに、日本へ教師として来たと言った。
アメリカの若者は、徴兵で70年代初頭まで戦争に行かされた。
彼は、授業でよくギブソンのバンジョーを持って来て
デュランやジョニ・ミッチェルを歌ってくれた。
文化が高く自由だと憧れていたアメリカの違う面を知った。
自分は戦争も無く、徴兵も無い国に住んで幸せだと思った。
今後、日本は、軍需産業が拡大するだろう。大手企業は膨大な利益をあげられる。
軍需産業が増大すると、それを消費する戦争が必ず必要になる。
武器はあれば必ず使うのだ。
ハイテク戦争で、兵士はそれほど必要無く徴兵制はあり得ない
と言う人もいるが、必ず歩兵は必要だ。
アフガンでもイラクでも死ぬのはいつも歩兵と民間人ばかりだ。
政治家も軍幹部もハイテク兵器を操作するエリートも死ぬ事は無い。
ラジオで、「経済的徴兵」という言葉を聞いた。
初耳だったが、ブッシュ政権が行なった政策だという。
要するに徴兵制などなくても、政府が経済格差を生む政策を取るだけで
兵士は容易に集める事が出来るというのだ。
貧困層の若者は、仕事を求めて、あるいははそこから抜け出す為に
大学の学費の肩代わりを条件に、また無保険の家族を保険に加入させる条件など
を提示されて入隊してくるという事だ。
あるいは派遣会社が、派遣社員を募り戦場輸送員として送るという話も聞いた。
これは今、現実にアメリカで行なわれている事だ。
今の日本の状況は、これとよく似て来た。
社会格差の拡大、派遣社員、社会不安、アメリカと同じ道を進んでいる。
最近感じる息苦しさと、すべてリンクしている。
これは知らぬ間に、日本がプログラムされている行程だ。
なにしろアメリカ追従の国なのだから当然だ。
軍需産業の利益と巨大企業の利権の為に
お互いの国の貧困層の若者を集めて、
戦場で戦わせるのが、現代の戦争ではないだろうか。
貧困層の人間は消耗品の扱いを受ける。
イデオロギーの対立ではない。
現代の戦争の本質は経済だと私は思う。
中国、ロシア、北朝鮮の脅威を必要以上に煽られて、
人心は誘導される。
我々は、大切なものと人を失わない様に、
今、何が起こっているのかを、よく見極めなければいけない。
時代の空気に流されてはいけない、と私は思う。