茶碗。(1983~4年頃)
ツーやんは、とにかく茶碗作りが好きでした。
細工場の囲炉裏で、よく抹茶を立てて振る舞いました。
茶道を特別やっていた訳ではなく、朝鮮の茶碗の作りにとても魅かれていたようです。
見込みの広がりが大切で、外観はあとでついてくるという考えで、
とにかく中心から土を動かすという事を、毎回言われました。
たまに観る機会のある井戸茶碗を代表とした16世紀の朝鮮の茶碗の見込みは広く
わずか15cmほどの器の中に、どこまでも広がる空間を感じる事が出来ます。
多分、当時の茶人は、そういうところに禅的な魅力を感じたのかもしれません。
私も、教わった技法に忠実に、特に茶碗作りはライフワークとして今も追求しています。
この茶碗は、弟子たちの窯作りの体験に1室の薪窯を作り、初窯を茶碗だけで焼いた時のものです。
素焼きは無く、すべて並白釉生掛けで3個ずつぐらい重ねて焼きました。
焼いた後は売るつもりはなく、記念に弟子たちに分けてくれました。
窯作りと生掛けやだんごを付けて重ね焼きする技法などを、楽しみながら教えてもらいました。
私は、少し青く発色して灰も被ったこの茶碗が気に入り、いただきました。
みんなでもらった茶碗の目跡を割らない様、一生懸命きれいにした思い出があります。
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