紙の新聞は今いくらするのかと調べたら、月額3925円(朝刊と夕刊)。
そうすると電子版の方が少し安い。電子版にはいろいろ便利な工夫があって要は検索しながら検索を意識せずに必要な記事を読める。それを考えるとお得だ。それにパソコンやスマートフォンやタブレットの複数のハードを所有していた場合、1契約のまま全てで場所を変えて読める。お得だ。
ただ、3800円と聞いてしまうと少し高く感じる。ネット上では情報は無料のように見えるようになっている。そして朝日新聞の情報も無料で出てきているところにお金を取って読ませるのだから、どうして?、と感じないでもない。
こうして電子版が立ち上がってくる動きはもう止まる事はないだろうが、将来像はどう描かれるのだろう? 有名百科事典が紙を止めたと言うニュースが入ってきたのはもうちょっと前、今は本だって電子版で買える。KLで英語を習っていたときのディスカッション課題に「将来無くなりそうなものは?」と言うのがあって、その中にも紙の新聞が入っていた。もちろんそれを選ぶ人はいるのだし、課題を作った人もそう思ってるのだろうからきっとその方向へ行くだろう。
これがどんどん進んでいった後に新聞は紙に印刷すると言うことを止めるつもりだろうか? 朝日新聞はそれを積極的に進めるのだろうか? もちろん他の新聞社も。
日本的な考えからすると"様子見"だろうと思う。電子版にメリットを付けて求心力を高めておいて商品性を高めるにしても、紙から移動しない人と紙の周りで利益を得ている人達への配慮(しがらみ)、いろいろな面でしばらく様子見をするのだろうと思う。悪い言い方をすれば誰も何も決めない状態でしばらく放っておいて世の中の方向性が決まってから動くのではないだろうか。
朝日新聞の社長がもしアメリカ人だったら、もっと積極的に移行しようと画策するかも知れない。中国でAndroidタブレットを安く作らせて朝日新聞をとっている家に無料で配る。電源を入れると毎朝の朝刊の1面が表示されることになっていて、1年したら紙の新聞が配達されなくなるとか。家電店で3年間の新聞代込みの値段でタブレット端末を売るってのもある。デジタル・フォトフレームだって良い。
考えられる手はいくらでもあるけれど、そもそも新聞の将来像ってのはどうなんだ?、ってところが一番問題じゃないだろうか。
レコードがCDになった時、多くの音楽マニアとオーディオマニアはデジタル否定に回っていた。好きな音質と言うのが出来上がっている以上それはそれで否定できない事だけれども、そもそも音楽を聴くと言うのはすでにカセットテープの時代から音質より利便性に傾いていたのだからいくら音質ではレコードの方が、と言ってもそれは無理なこと。自動車の中、電車に乗って音楽を聴くのに原音に忠実も何もなかったのだから、CDのコンパクトさの方が勝つに決まってる。
電子版の新聞だって本当は読者は記者の精魂込めて書いた作品より箇条書きで書いた簡単な記事の方が好きかもしれない。見出しの太い文字で誘導されるより時系列でどんどん出てくる見出しから自分で選ぶ方が好きかもしれない。今の新聞は発行元が読者に見せるべき記事を選んでくれて成立している。ある意味親切、ある意味権威主義的。そう言う意味でも新聞やニュースと言うのはどちらへ向かって進んでいくのだろうと思う。
電子版は何をどう考えて作られるのだろう?
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