ジモティーで近所の方からゼンハイザーのヘッドフォンを格安で譲っていただいた。

ゼンハイザー、ゼンハイザーと言えば昔むかしのその昔、40年位前に秋葉原のオーディオショップ等で何度か試聴した事があった。有名メーカーだというのは知っていたからさぞすごいのだろうと思って聴いた。でも・・・
予想に反して全然すごくないどころか、「何これ?」だった。
あれから年月は経ち、2023年の8月、突然ジモティーにゼンハイザーが現れた。しかも、安い。これなら今のゼンハイザーがどうなっているか確かめてみる事ができる。気に入らなければ・・・再販しても構わないし。対して損にはならないだろう。
かくして、約束の朝10時よりちょっと前に待ち合わせ場所に到着。お金を渡してレジ袋に入れられたヘッドフォンを受け取って帰った。親機に電源アダプタを繋ぎ、入力側のラインにはタブレットを繋いでYoutubeを開く。そして音を出してみる。
あっ、と、あの時の記憶が蘇る。やっぱりちょっと違う。
違うというのは、既に持っているソニー製のヘッドホンの素直さと比べてかなり違うのだった。何曲か聴き慣れた曲をじっくり聴いた。そしてわかった。わかったというか、気付いたのだった。
そもそもの音や音楽についてのアイデアが全く違うのだと。
ソニーが良くできていて素直に聞こえるのは、ヘッドホンという再生条件の限られた中でできるだけどの音もきちんと出て聴こえるように作られているからかもしれない。でも、ゼンハイザーはそんな事でなくて、部屋置きの30センチクラスのウーファーを持つハイファイセットのスピーカーの代替品としてヘッドフォンを作っているに違いない。実質にそっち風の音がするのだ。
ベースのような低音楽器がブンブンと鳴る。バフバフのような行って帰って来ない低音じゃなくて帰って来るタイプのブンブンだ。だから狭い地下のライブハウスで聴いているような音、または楽器の中に入って聴いているような音がする。ボーカルもリバーブが少し強調されて聴こえる。
というわけで、40年前には音の再生に対してそういう発想があるとは気付かなかったのだとわかった。面白いぞ、ゼンハイザー。でも、同じ意味でキンキン音がするのが好きな日本では受け入れられないだろう。
注意
ちなみにソニーはキンキン音させるようなメーカーじゃないです。