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塔本シスコ

2022-02-21 17:41:32 | 日記
塔本シスコという画家がいらしたことを、テレビで知った。熊本県宇城市出身で50歳を過ぎてから描き始めたそうです。ゴーギャンと山下清の絵を足して2で割ったようなと言おうか、素朴な明るさを持った絵だと思う。91歳で亡くなられた。シスコという名前は、サンフランシスコに憧れていた父親が名付けたそうだけど、ユニークね。ご長男は画家で、親子展も開催されている。

で、こういうのを知ると、良いなぁ、と思ってしまった。シスコさんが実在した証明、証拠品が長く残って良いなぁと思う。私が死んでも、実在した証拠って言うのは、それは子供が生きているまでは何らかの証拠品が存在するだろうけど、その後はもう記憶にも何にも残らないだろう。実際に私や主人の両親のことを考えると、やはり少しの写真はあるけど、残された人の記憶にしか残っていない。そういう存在でしかない私であることは仕方がない事実だけど、何か泡のように形もなく消えてしまって誰も私というものが存在した事が跡形もなくもわからなくなるんだと思うと、急に情けなくなってきた。同じように時間を過ごしても、せっせと文字で本を残したり絵筆で絵を残すことに時間を費やしたり、作曲したりして後にその人の物が残っていくというのは執着だろうか?

なんて思いつつも、今更、この年で制作意欲なんてゼロである私。シスコさんのような情熱の欠片も無いし、その他大勢の方々と同様の泡の末路を辿るべく、せめて後は濁さぬ鳥として、終活はキッチリけじめをつけてグッバイとしたいと思うんだわね。


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