平光 真彌(真弥)

長久手市を中心に活動するヴァイオリン弾き、平光真彌(真弥)
演奏活動の告知など

ハブエとコウモリ

2012年07月29日 17時24分20秒 | Weblog
愛知の夏も暑いけど、瀬戸内の、空気が動かないような暑さもなかなかです。
汗をかいたまま、じっとりといつまでも蒸発しないような、
世界が橙色に照らされた夕方の思い出話。

小学校に上がったかどうかのころ、
7つ離れた兄が、どこからか「やぶれコウモリ」の赤ちゃんを保護しました。
どこが悪かったのか、どういう経緯で拾ってきたのか、知りません。
なんせ光を嫌う(だったような・・・)コウモリは、ずっとアルミ箔で覆った虫かごの中だったし、
今よりももっとビビりだった私は、こわくて一度も覗いたことがなかったのです。
だから、コウモリが肌色だったか、コウモリ傘の色だったかすら定かではありません。

兄は、それからしばらくの間コウモリを飼っていましたが、それが1週間だったか、10日だったか、1ヶ月だったか、コウモリに名前がついていたか、・・・
私が憶えているのは、傷の癒えたコウモリを離すとき、
アルミ箔に包んで外に出して、離したとたん、あっという間に飛んで行った、
その姿だけです。

それからどれくらい経った記憶かは判りませんが、暑い夕方のこと。
たぶん習い事からの帰り道でしょうか、自転車を押しながら、兄がひぃーっ、と歯笛を鳴らしたのです。
兄は歯笛の名手です。上歯と下歯の間を狭く開けて、下歯に舌をくっつけて、音を鳴らします。口笛よりずっと広い音域で、ずっと強くいい音が鳴らせました。
そうすると、ひよひよと飛んでいたコウモリの群れから、一匹だけ、兄の方に寄って来るコウモリがいるのです。
「え?おったん(居たの)??」
と思ったので、たぶん一年以上は経っていたはずです。
その後も、季節になるたび「あいつじゃ」と、群れの中、兄にだけは見分けがついたようです。
・・いつの頃か、「あいつ」のことは聞かなくなりました。

暑いといっても、もしかしたら盛夏ではなく、暑くなりはじめの頃だったかもしれません。
白い積石の崖が、夕日色に染まっていました。
うた
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2 コメント

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コウモリ ()
2012-07-30 07:26:32
先日の打ち上げ旅行の折には素晴らしい演奏をありがとうございました。
非常に贅沢な、至福のひと時を過ごすことがででき、感謝に堪えません。
うたさんのビオラの音色胸に込み上げ本当に幸せでした

瀬戸内のご出身でしたか。。。お兄さんとのやりとりの記事を読ませて頂き、私も兄との思い出を懐かしく思い出していました。
情景がとても素敵に描かれ・・・入り込んでしまいました。
良き思い出があるっていいですね。

お二人のお人柄の良さが演奏に表れいつも楽しみにしております。ありがとうございます
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Unknown (うた)
2012-10-16 12:29:10
コメントをいただいていることに気付かず、長いことお返事さしあげず、大変失礼しました(汗)!

やっと秋らしくなってきましたね。
今年も暑くて、印象に残る音楽や出来事満載の熱い夏を重ねることができました。
この夏も、また思い出として「大事なもの棚」に加わっていくことと思います。
同じ時間を過ごしてくれる皆さまが居てこそ、だとしみじみ感謝。いつもありがとうございます。

また、音楽とおいしい食事と、お酒のひとときをご一緒できますように!
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