こんな夢を見た。
両親姉弟を交通事故で亡くした16歳の僕は、某国に移住した父方の親戚の所に引き取られることになった。
日本を発ち、現地の空港に付いた僕を、叔父が経営する寿司チェーン店で働く日系三世のデリンジャー・キョウコ・ヤマガタさんという若い女性が出迎えてくれた。
彼女の運転する車に乗り、親戚の家に向かう。
これから行くのは父の従兄弟である大二郎叔父さんのところで、まだ一度も会ったことはなかった。
キョウコさんにどんな人か聞いてみると、キョウコさんは笑いながら
「シュセンドデスネー。デモ、ショクニンサントシテハイチリュウデスシ、オカネヲモテイルカライイヒトデス」
と言った。
僕がこれから暮らすことになるこの国は赤道直下近くで、年間を通して気温が高く、そして貧富の差が激しく、何ヶ月に一度はクーデターが起きたりするような政情不安定な国だけど、キョウコさんはお金がある人には住みやすい国ですよと言うので、それはどこの国でも同じじゃないですかと僕が言うと、それはそうですねと笑って答えた。
低所得者層の住む住宅地を抜けると高い壁が見えてきた。
入り口らしき門の所には自動小銃を持った門番が数人立っていた。
「アノナカガコレカラアナタノスムバショデス」
そう言ってキョウコさんが門の所で車を一時停止して通行パスを門番にみせると、門が開いていき車は中に入った。
高い壁に囲まれた中には、家が10件ほど立っており、公園などもある。
キョウコさんによるとそれらの家には大二郎叔父さんの一族がそれぞれ暮らしているとの事だった。
中でも一番大きい屋敷の前に車を止めるとキョウコさんが言った。
「ココガカイチョウノゴジタクデス。アナタガスムトコロデスヨ」
屋敷に通され、僕は大二郎叔父さんに会った。
叔父さんはこれからの生活のことは何の心配もいらないし、好きなように生きて良いと言ってくれた。
夜には僕のために一族が集まって晩餐となり、叔父さんの子供達の紹介をしてくれた。
長男 伊知朗 車販売店オーナー
次男 次郎 寿司チェーン「いらっしゃい」営業部長
三男 三郎太 居酒屋「あまいもん」グループ副社長
四男 四朗 ラーメン「四朗さん」グループ社長
五男 吾朗吉 大学生
六男 陸朗 寿司チェーン「いらっしゃい」職人見習い
長女 和子 専業主婦
次女 真知子 デザイナー
三女 桜 小学生
六男の陸朗とは歳が同じで、すぐに仲が良くなった。
一日が終わり、与えられた部屋に戻り、ベッドに横になると、この国での日々を考えるうちに眠いに付いた。
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