不意に『姫路城行かない?』いや、『一緒に行ける?』だったか。
この会話担当利用者からのお誘い。
正直、少し狼狽。
確かにもう危ないからと免許返納して車を売った際に、助手席に『るるぶ姫路』があったのは知っていた。
いつかは行きたかったのだろう。
雑誌を買って行った気になれる人ではない。
写真家としてのやり残しがあるのだと言う。
姫路城の桜を撮っていない、と。
専門は、自宅内の作品を見るにSLを雪の北海道へ、花火の写真を長岡に。
楽しそうに話す。
でも、姫路城の桜は撮っていない。
一人で運転して行こうかな、と言っていたのを、『危ないから』と言って止めた覚えもある。
色々脳内錯綜し、狼狽した理由がこれ。
まだ、姫路城の桜は撮っていない。
脳梗塞を繰り返してもいるし、片麻痺で介助も必要なのはわかる。でも、『やり残し』って言われると揺さぶられますよね。
調べたら時期的には、4月上旬、場所によっては、城内から撮る場合も。となると、城内坂あるだろうな。
本人重たいから、電動車椅子にしようとも思う。
はっ、行く気になっている自分がいる。
まだ、姫路城の桜は撮っていない。
今後どうなるのか?
車椅子専用のホテル?いやいや身障者トイレは確保しなくちゃ。みどりの窓口で身障手帳使って切符購入、夜間の排泄介助?
前途多難である。
きっと、姫路城の桜が撮れるかも。