二〇二二年は芥川龍之介生誕一三〇年。全作品は約三八〇。編年体一〇冊の旧版角川文庫で五割強を読む。(徐々に落ち込みそうな予感の読書なので明るい龍之介の写真を貼り付けた。)
「トロッコ・一塊の土」(七冊目、21作品収録)、大正十一、十二年、三〇・三一歳
・「トロッコ」久しぶりに読むが素晴らしい。でも鉄男としては、最終段落は不要。
・「報恩記」三人の屈折した心理を見事に書き分ける見事な筆さばき。
・「庭」流れは想像つくのだが、淡々とした運びが実にいい。
・「お富の貞操」男女の覚悟を描くが女が一枚上手。
・「三つの宝」なかなか洒落たお伽噺。結論は飛躍し過ぎじゃないの。
・「雛」ウェットぎりぎりのしっとり感が結構いい。
・「二人小町」芥川の女性観?まぁ、深みのある作物ではないが。
・「白」お嬢さんの瞳に映る自分の姿、、上手いラストだな。
・「子供の病気」先の大戦でビルマで戦死した次男多加志の看病(二歳時)を描く。
・「あばはばは」出来云々よりこうした『保吉物』を書くに至った動機を知りたい。
・「一塊の土」静かに堆積してくる不幸を淡々と描き、感銘深い。転機なのか、芥川!
メモは(主として)印象が残ったもののみ記す。(再読のため)
出来事
・健康が衰え始める
・「侏儒の言葉」連載開始(『文藝春秋』)
「こんなとこくるつもりなどなかったと押し始めねば動き出さざるに(新作)(新作)」
~芥川龍之介「トロッコ」~
不尽
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