二〇二二年は芥川龍之介生誕一三〇年。全作品は約三八〇。編年体一〇冊の旧版角川文庫で五割強を読む。(徐々に落ち込みそうな予感の読書なので明るい龍之介の写真を貼り付けた。)
「藪の中・将軍」(六冊目、17作品収録)、大正十〇年、二九歳
・「奇怪な再会」この巻には幻想的の作物がいくつかあるが、中ではこれがよかった。少し哀しくて。
・「母」残酷な心理を上手く描く。二人の母の似て非なる微笑。
・「好色」失恋しかかったプレイボーイの自己分析が奮っている。
・「藪の中」誰が嘘をついているか、読むたび結論がかわる幻惑的な名作。
・「将軍」これは好きだ。第四節は、コクが深い。
・「俊寛」諦念の中の微笑みが印象的な作物。
・「世の中と女」大正十〇年を考慮すると中々の卓見だと思う。
メモは(主として)印象が残ったもののみ記す。(再読のため)
出来事
大阪毎日新聞海外視察員として中国へ特派(四ヶ月滞在)
「繁き藪見え隠れせし女(ひと)の影憎しみ募るコマ送りかな(新作)」
~芥川龍之介「藪の中」~
不尽
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