ミレニアムという言葉、ここ十年来で耳にするようになった言葉ですね。マイクロソフトMeのせいかな。・・。
私は年齢からいって,も少し手前を指す「世紀末」という言葉には親しんできましたが。
さて、この頃の私にとり,千年紀とは、ずばり『源氏物語』です。およそ現代を生きる大衆にとって最も接触しやすいアートは,音楽もしくは文学でありましょう。
私の場合,些か教養主義への憧憬があるのですが,ともあれ,伝統のあるものは伝わってきた何らかの由縁がある・・はずです。命脈を保ってきた理由を知りたいという幾ばくかの探究心があるのです。
いくら川上弘美が好きだ,大崎善生は泣ける,江国香織はたまらないといえども、それらとは作品に向き合う態度が,角度が違うのです。作品と喜怒哀楽を共有しようというのではないのです。
かかる態度で臨むとき洒落た小品では物足りないというもの。分量としても高い壁でなければ意味がありません。
よしんば読後「こんなもの読む意味がない」と後悔しても、その時間を自覚的に選び取った精神こそ賞揚されるべきではないだろうかと思うのです。目に余る刹那主義、快楽主義の現代を生きるものとして・・です。
書店の文庫本の棚の前に立てばかかる情動が呼び起こされる本がいくつかあります。
そのひとつが源氏物語。。。なのでした。他にも無数にあります,特に外国文学に大作は多いので。。でも今日のところは略。
・・・とまあ,自慢するほどの話ではありません,なにせ,私が読んでいるのは原典ではなく,有名な瀬戸内寂聴の口語訳です。(今読み返すと高校時代に古典の授業では,葵の段くらいまでは習ったようですね。藤壺,六条御息所,空蝉,夕顔,若紫,葵上なぞは人物のうっすらとした印象が残っていましたから。。)
風の音やにおい、楽器の音色、樹木の彩り、着物の色合いなど・・われら現代人がそのままいいあてることはできなくとも、遺伝子レベルでうけつぐ、痕跡としてはがれないように・・いやいや受け継いでいるというより、さやさやと水脈として,はるか1000年の下流に棲むわれらにまで流れ着いた。というがごとき,うっすら共有する感触を覚えるのです。
「日本(という風土)は好きだが,日本人は好きじゃないと密やかに考えている私。。でも,源氏物語を読んで日本人という緩やかな呪縛を受けているこの日本人たる自分も悪くはないか,と思いつつページをめくっています。
読書感想文めいたことはもう書かないことにして,,ただ,男性で印象的なのは柏木さん・・・恋愛で苦悩する姿が人事ではありませぬ(笑)。女では・・もう断然ドラマチックな,浮舟さんです。
そして,光源氏さんの印象ですが,紫の上さんの出家を最後まで許さずにいたって狭量,そして先立たれてからの喪失感が・・みっともなくて溜飲を下げます・・とどうです,もてない男の見事な感想。(笑)
さて,明日は君の誕生日でしたね。あらためておめでとうございます。
つい先日気がつきましたが,浮舟が初めて登場する「宿木」の段は,ちょうど君と同じ★★番目の段なのです・・・
ひととせにひとたび巡る生(あ)れし日に花に添はるる美しきひと(未)
そちらは桜の花,何分咲きですか・・。
私は年齢からいって,も少し手前を指す「世紀末」という言葉には親しんできましたが。
さて、この頃の私にとり,千年紀とは、ずばり『源氏物語』です。およそ現代を生きる大衆にとって最も接触しやすいアートは,音楽もしくは文学でありましょう。
私の場合,些か教養主義への憧憬があるのですが,ともあれ,伝統のあるものは伝わってきた何らかの由縁がある・・はずです。命脈を保ってきた理由を知りたいという幾ばくかの探究心があるのです。
いくら川上弘美が好きだ,大崎善生は泣ける,江国香織はたまらないといえども、それらとは作品に向き合う態度が,角度が違うのです。作品と喜怒哀楽を共有しようというのではないのです。
かかる態度で臨むとき洒落た小品では物足りないというもの。分量としても高い壁でなければ意味がありません。
よしんば読後「こんなもの読む意味がない」と後悔しても、その時間を自覚的に選び取った精神こそ賞揚されるべきではないだろうかと思うのです。目に余る刹那主義、快楽主義の現代を生きるものとして・・です。
書店の文庫本の棚の前に立てばかかる情動が呼び起こされる本がいくつかあります。
そのひとつが源氏物語。。。なのでした。他にも無数にあります,特に外国文学に大作は多いので。。でも今日のところは略。
・・・とまあ,自慢するほどの話ではありません,なにせ,私が読んでいるのは原典ではなく,有名な瀬戸内寂聴の口語訳です。(今読み返すと高校時代に古典の授業では,葵の段くらいまでは習ったようですね。藤壺,六条御息所,空蝉,夕顔,若紫,葵上なぞは人物のうっすらとした印象が残っていましたから。。)
風の音やにおい、楽器の音色、樹木の彩り、着物の色合いなど・・われら現代人がそのままいいあてることはできなくとも、遺伝子レベルでうけつぐ、痕跡としてはがれないように・・いやいや受け継いでいるというより、さやさやと水脈として,はるか1000年の下流に棲むわれらにまで流れ着いた。というがごとき,うっすら共有する感触を覚えるのです。
「日本(という風土)は好きだが,日本人は好きじゃないと密やかに考えている私。。でも,源氏物語を読んで日本人という緩やかな呪縛を受けているこの日本人たる自分も悪くはないか,と思いつつページをめくっています。
読書感想文めいたことはもう書かないことにして,,ただ,男性で印象的なのは柏木さん・・・恋愛で苦悩する姿が人事ではありませぬ(笑)。女では・・もう断然ドラマチックな,浮舟さんです。
そして,光源氏さんの印象ですが,紫の上さんの出家を最後まで許さずにいたって狭量,そして先立たれてからの喪失感が・・みっともなくて溜飲を下げます・・とどうです,もてない男の見事な感想。(笑)
さて,明日は君の誕生日でしたね。あらためておめでとうございます。
つい先日気がつきましたが,浮舟が初めて登場する「宿木」の段は,ちょうど君と同じ★★番目の段なのです・・・
ひととせにひとたび巡る生(あ)れし日に花に添はるる美しきひと(未)
そちらは桜の花,何分咲きですか・・。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます